教師☆学校心理士のセルフカウンセリングルーム

学校心理士によるつぶやき。教師の悩み・試行錯誤に寄り添うブログです。

失敗学に学ぶ

2009年04月10日 | Weblog
『失敗学のすすめ』畑村洋太郎(講談社文庫 2005)

「恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。」であるという。
 自分を振り返ってみると、失敗しないようにしようという意識が強いように思う。そういう教育を受けてきたからか、日本の社会が失敗は避けるべき恥ずかしいものとする風土であるからか。
「成功は失敗のもと」とは昔から言われてきたことであるが、果たして自分の生きてきた庶民のレベルでそれが歓迎されてきただろうか。失敗には、何度も繰り返す失敗や、わかっていてやってしまう失敗などの悪い失敗と、学びや次の成功につながるよい失敗があるが、その後者、よい失敗についてでさえ、歓迎されていないような気がする。

 自分自身が、失敗は避けるべき恥ずかしいものではなく、そこから学び前に進んでいくのだというように、パラダイムの転換を図る必要がある。子どもの教育に携わるものが失敗を恥ずべきものであると考えていたら子どもは失敗を避けるようになるだろう。そしてそこから学ぶことはないだろう。そして、成功例やうまくいくやり方だけを真似して、自ら考えることをしなくなるだろう。仲間の失敗を笑うようになるだろう。いいわけがない。

失敗について次のような言葉を覚えている。 
 「失敗をしないのは成功することしかしていないからだ。」
 「成功の反対は失敗ではない。何もしないことだ。」

 まずは自分が安全領域を飛び出し失敗から学んでいくこと。そして、学級を安心して失敗できる心のつながりのある場にし、子ども達が失敗しながら自分で考え成長できるようにしていけたらいいと思う。