映画『鳩の撃退法』を劇場へ見に行く。
原作未読。
ページみっしりの厚い上下巻の前に挫折した。
読み終えられる頃に映画終わってそうな予感さえした。
いざ見終えた今も、感想を書くのが難しい。
ネタバレするのがもったいないのもあるが、そもそも作品構造からして説明しがたい。
当ブログでなら、まだ例えようがある。
コレは、成功してる『うみねこ』だ。
謎めいた組織に牛耳られる富山県の小さな町で、不思議な事件が複数並行して発生する。
その現実の事件を元にして、ある作家が異なる現実を、言うなれば偽書を書き上げていく。
偽書における「駒」たちの下位世界と、その偽書に関わる編集者や作者たちの上位世界との、多層構造が渾然一体と入り乱れる。
ストーリーの大半は、作者の創造や編集者の想像であり、どこからどこまでが幻想なのか現実なのかの答えは出ない。
だが、念のため断るが、下位世界の事件たちはスッキリ分かりやすくまとまっている。
「100ユーロ紙幣」のコピペのようなキレイなループ。
そこに、上位世界たる虚構内現実が更にボリュームを足している。
現実では悲惨でも、虚構である偽書で人々は救われる。
驚かされたのが、エンドロール。
まさかの黒背景に白字、そこにまさかの赤字と青字。
ちゃんと、断定文に赤、疑問文に青、になってたと思うし。
イイ物見れました。
それでは。また次回。