今回のテーマは、「こんな意外な物で人を殺せる」という、ただ一点。
その一点を描くためだけに、他のあらゆる点が犠牲になってしまっている。
一つ。またも型で押したような事件発端。
少年探偵団のキャンプ(7回目)で、圏外の地でガス欠になるという作為的な始まり方。
一つ。灰原の不自然な言動。
彼女は仮にも科学者である。
精密な実験器具に触れる以上、帯電対策は基礎中の基礎のはずである。
にも関わらず、彼女が無知のように描かれているのは、理解に苦しむ。
『四台のポルシェ』では普通に開けていた車のドアに触れないというのも、率直に言って不自然だ。
そして最大の問題は、ガソリンについての描かれ方だ。
自明の事だが、あまりにも扱いがズサンすぎる。
犯人――ひいては作者――は、ごく限られた状況で
はじめて火災が起こるかのように考えているが、
犯人の思惑通りに被害者を殺せたのは、逆に奇跡と言っていい。
いつ何時とっくの昔に、犯人の飼い犬ごとガレージが燃え尽きててもおかしくない。
何より頭が痛いのは、ガソリンをポリタンクに入れてる事だ。
灯油じゃないんだから。
子供向けなんだから言葉のアヤだから気にするなとも一瞬思う。
しかし、子供が読むから漫画だからこそ、嘘を教えちゃいけないとも思う。
物語の中で、科学知識に間違いがあるのは良い。
一方で科学を振りかざしておきながら、
他方でその科学をないがしろにしているという矛盾が、私には納得できないのである。
それでは。また次回。
その一点を描くためだけに、他のあらゆる点が犠牲になってしまっている。
一つ。またも型で押したような事件発端。
少年探偵団のキャンプ(7回目)で、圏外の地でガス欠になるという作為的な始まり方。
一つ。灰原の不自然な言動。
彼女は仮にも科学者である。
精密な実験器具に触れる以上、帯電対策は基礎中の基礎のはずである。
にも関わらず、彼女が無知のように描かれているのは、理解に苦しむ。
『四台のポルシェ』では普通に開けていた車のドアに触れないというのも、率直に言って不自然だ。
そして最大の問題は、ガソリンについての描かれ方だ。
自明の事だが、あまりにも扱いがズサンすぎる。
犯人――ひいては作者――は、ごく限られた状況で
はじめて火災が起こるかのように考えているが、
犯人の思惑通りに被害者を殺せたのは、逆に奇跡と言っていい。
いつ何時とっくの昔に、犯人の飼い犬ごとガレージが燃え尽きててもおかしくない。
何より頭が痛いのは、ガソリンをポリタンクに入れてる事だ。
灯油じゃないんだから。
子供向けなんだから言葉のアヤだから気にするなとも一瞬思う。
しかし、子供が読むから漫画だからこそ、嘘を教えちゃいけないとも思う。
物語の中で、科学知識に間違いがあるのは良い。
一方で科学を振りかざしておきながら、
他方でその科学をないがしろにしているという矛盾が、私には納得できないのである。
それでは。また次回。