『都市伝説セピア』(by朱川湊人)、読了。
全5話収録の短編集。
2003年初版であり、作者は2002年に『フクロウ男』でデビューしたとの事。
(作者名は「しゅかわ みなと」と読みます)
知ったきっかけは『昨日公園』。
時間移動ものとして秀逸と聞き、図書館で借りた。
因みに『世にも奇妙な物語』で改変してドラマ化されているそうで。
個人的に印象に残ったのは、『昨日公園』よりも寧ろ『フクロウ男』だった。
都市伝説の当人になるという願いに取り憑かれた男の物語。
最後に驚かされる、「ミステリとして」心地よい作品。
ところで、作者は1963年生まれとの事で、作品たちはどれも、同年代の人ならば馴染み深いだろうモチーフが取り上げられている。
『アイスマン』は見世物小屋。
『昨日公園』は仮面ライダー。
『フクロウ男』は口裂け女。
『死者恋』はビートルズ、ファントムオブパラダイス、札幌オリンピック、連合赤軍、アイドルの飛び降り自殺。
『月の石』は大阪万博、そしてタイトルそのもの。
上記の語に興味を持った方は、一読をオススメする。
作中に一段と入り込めるはずだ。
それでは。また次回。