『あるスクラップブックが示す断片的な顛末、あるいはある神の末路を示す断片的な記録』
タイトルが長い、というのが第一印象。
そのじつ、恥ずかしながら未だに正確に覚えきれてなく、紙面の字を写した。
しかしながら、内容は飛び抜けて好みの作品の一つだ。
『䄈壊し編』の構造を推し進めた形というべきか。
物語は、データのまさに断片のみが並べられて進んでいく。
読み終えてから、全体を通して俯瞰すると、雛見沢大災害後の鷹野によって、雛見沢症候群が人為的に日本の他の地域、ひいては海外で引き起こされた……という図式が浮かび上がる。
キーパーソンになるオリジナルキャラ・加藤の行動が明かされる下りは胸が躍る。
だが、これら一連の事件の全てを知るのは、作外の私たちだけ。
作中人物が知るのは、2033年の情報開示まで待たなければならない。
ざっと50年にわたる、壮大な物語だ。
それでは。また次回。