映画『今日から俺は!』を劇場へ見に行く。
旧作リバイバルが終わり、私は縁遠くなりつつあった映画館へ、久しぶりに出向いた。
知人が一度ならず絶賛していたためだ。
因みに私は原作既読。
と言いますか、『今日俺』以降の西森博之作品は寧ろ好み。
故に実写は避けていた。その予想は当たった。
この実写の観客として想定されているのは、いわゆる「不良少年もの」を初めて見る人だ。
そもそも時代設定が、原作は1990年頃、実写は1980年頃、と異なっており、所々に違和感が滲む。
チャンバラ時代劇を初めて見る人に説明するため、幕末のキャラで戦国時代を描いているような感覚。
歴史好きの人が「時代考証が違う!?」と混乱する気持ちが少し分かった気がする。
この映画を楽しむコツは、1980~1990年代の実情や、原作の情報をシャットダウンする事。
細かい事を抜きに、作中に浸る事だ。
男子と対等に戦う女子。
徹底的にプラトニックなカップル。
喫煙も飲酒も暴走もない。
この映画は、令和21世紀の世に合わせて設(しつら)えた、「不良少年もの」の新時代(エポック)になるのだろう。
それでは。また次回。