『盗んだ書類』
新潮文庫、番号45、『ボッコちゃん』収録。
「博士のアヤシイ発明品シリーズ」と名づけたい。
もう少し記事数が増えたら、こういうシリーズ名を各種揃えたい。
さて、そんな今回の話に出てくる発明品は、薬と呼ばれているものの、実際のところは料理の品のような印象を受ける。
出来上がって即座に博士自ら飲んでるし、データを盗んだ不心得者も、紙幅の都合かもしれないが簡単に完成させている。
そんな今回の“薬”の正体。
初読時の子供心では、心暖かくなるイイ話に感じたが、改めて読み返して、異なる考えが浮かんできた
そも「良心」とは何だろう。
皆、正直で公平で平穏で、それは一見心地よい。
だが、相手を傷つけまいと敢えて口をつぐむ勇気や、より誇れる自分を目指す向上心や、進む道を阻まれても乗り越える気概などの感情は、果たして善か、悪か。悩む。
ところで今回の話に出てきたのは「エフ博士」。
この名前の出現率もなかなか高い。
エヌ氏同様、何作登場しているかカウントしてみるのも一興かもしれない。
それでは。また次回。