『看護婦には手を出すな!』
『シティーハンター』の基本的な作風を知るにあたって、最適の事件の一つ。
多くの職業婦人──という表現が最早化石──が登場する本作で今回、描かれるのは、総合病院の看護「婦」・岩崎善美。
「師」でなく「士」ですらもないのが連載当時。
ナースキャップにスカート姿の、文字通りの「白衣の天使」。
そんな当時の職場には、
「ハラスメント」の概念がまだないため、
彼女を入院患者の身で護る獠は、特に序盤、やりたい放題。
が、同時に「コンプライアンス」の概念もまだないため、病院サイドの無法ぶりも尋常じゃない。
善美が医療行為で患者を殺しかけるのも、作中ではギャグの範疇だ。
実写と見まがうリアルな画で、ギャグ補正されまくる、細けぇ事はいいんだよ!と言うしかないこの勢いは、北条作品の世界でしか味わえないだろう。
それでは。また次回。