好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『尚も生きる。手を取りて』第47話「詩編の情報」

2019-12-14 | ゲームブック二次創作

「君もなかなか侮れないな。一見ただの獣人と思ったが、本質は違うようだ」

白髪のエルフことダーガは、俺を見定めるように見つめてから言った。

「もう分かっていると思うが、私が今しがた話した内容は正確ではない。
信用できない者には、真実を打ち明けるわけにいかんのでな。
ガレーキープは、この近くへ着陸などしない。
着陸すれば当然ながら危険が増すわけだからな。
あれに乗り込む方法は、二つある。
ガレーキープは、食料や奴隷を地上から調達している。
そのために、森のあちこちに罠が仕掛けられている。
それらの罠にかかって引き上げられるのが、一つ目の手段。
もう一つの手段は、サグラフの兵士訓練所へ行き、乗員として雇われる事だ」

そこまで語った後、ダーガはもう一度、俺の目を覗き込んだ。

「君の目的は、そうか、ザラダン本人に会う事だな。
ザラダンの潜む部屋には、あるマークが記されているという。
直接の答えを私は知らないが、この詩編なら知っている。
《それは、火と氷の争いを止めるもの/火と氷の間に立つもの/
火と氷を分かつもの/赤でなく、白でなく、青きもの》
――と」

ダーガに言われた文言を、頭の中で復唱する。
情報には感謝するが、少しばかり疑問が残った。
ここまで知っているのなら、なぜ堂々と戦わない?
このエルフには、何か別の、本当の目的があるようにも思えた。

「理由など無い。私には、ザラダンと戦う資格も無い。
ダーガ・ウィールズタングという防人は、もう存在しない。
今の私は、一介の旅人、ホワイトリーフに過ぎんよ」

白髪のエルフはそう言うと、手を一振りしてから森の中へと消えていった。


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