[モスクワ 28日 ロイター] - ロシアの首都モスクワは28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策として約1年ぶりの厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入した。ロシアでは新型コロナワクチンの接種が遅れる中、新型コロナ感染による1日当たりの死者数と感染者数が過去最高を記録している。 ロシアの首都モスクワは28日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策として約1年ぶりの厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入した。(2021年 ロイター/Maxim Shemetov)
全国的に職場を30日から1週間にわたって閉鎖するのに先立ち、モスクワでは薬局や食品店などの生活必需品を取り扱う店舗だけが営業継続を許され、学校や国立幼稚園を閉鎖する一部都市封鎖が実施された。
モスクワを含めた一部地域では、感染者数を減らすために全国的な取り組みに先駆けて一部封鎖を28日に始めることを決めた。
2020年夏の大規模封鎖とは異なり、モスクワ住民は外出が許されているものの、新たな部分的ロックダウン導入は記録的な死者数に対する懸念の高まりを示している。
ロシア当局は28日、新型コロナによる過去24時間の全国の死者数が過去最高の1159人に達したと発表。1日当たりの感染者数は初めて4万人を突破した。
ロシア下院のウォロジン議長は全議員に対するワクチン接種の義務付けと、未接種の議員はオンラインでの参加にとどめることを提案した。議場からは「これはどんなPRなんだ」などの怒りの声が出た。
ロシア人の多くはワクチン接種に消極的で、ロシアが承認した「スプートニクV」を含む4種類のワクチンを敬遠。当局への不信感や、ワクチンの安全性への懸念が理由と指摘されている。
シンガポール、コロナ感染者が短時間で急増 状況を注視
[シンガポール 27日 ロイター] - シンガポール保健省は、27日の新型コロナウイルス新規感染者が流行開始以来最多の5324人となったのを受け、「異常な増加」に関する調査に入ったと明らかにした。
27日に確認された死者は10人、累計は349人となった。
保健省は同日夜に声明を発表し、「きょうの増加は異常なペース。陽性の多くが午後の数時間に判明したことが主因」と指摘。「比較的短時間の異常な増加を精査するとともに、今後数日の傾向を注視する」とした。
前日の感染者は3277人。集中治療室(ICU)の利用率は80近くに達している。
過去1カ月の感染者9万0203人の98.7%近くは無症状もしくは軽症だが、約0.2%の感染者が亡くなっている。ICUで治療を受けている患者と重症患者の比率は、それぞれ0.1%。
27日時点でICUの空き病床は72床前後。ICUの全体の利用率は79.8%。
ドイツのコロナ新規感染者、2週間ぶりの大幅増加
[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツのロベルト・コッホ研究所は、28日の新型コロナウイルス新規感染者数が2万8000人を上回り、2週間ぶりの大幅増加になったと発表した。
過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数は130.2人で、前日の118.0から12.2ポイント増加した。新規感染者数は10月中旬から増え続けている。
ドイツ病院協会(DKG)の会長はメディアで、集中治療室(ICU)のコロナ患者は1週間で15%増えたと指摘。
この傾向が続けば、2週間でICU患者が3000人に達する可能性があると警戒感を示した。
社会民主党の専門家はライン新聞で、ロックダウン(都市封鎖)や学校閉鎖は検討していないが、マスク着用など安全措置の撤廃の判断は春の状況次第との見解を示した。
オランダ、コロナ感染再拡大で医療が逼迫 抑制策を再導入
[アムステルダム 2日 ロイター] - オランダは2日、新型コロナウイルス感染が再拡大し医療体制が逼迫する中、抑制策の再導入を決定した。
オランダはソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)などの措置を9月末に撤廃。その後は感染が再拡大し、2日時点で新規感染者数は人口10万人当たり300人以上と、前週から約40%増加。昨年10月と12月のほか、今年7月に付けたピークに迫っている。
こうした中、政府は6日以降、ワクチン接種証明もしくはコロナ検査の陰性証明の提示を、美術館やジムなどのほか、屋外のテラスなどでも義務付ける。店舗を含む公共の場所でのマスク着用を再び義務化するほか、勤務時間の少なくとも半分は自宅から働くよう推奨する。
オランダでは人口の約84%が新型コロナワクチンを接種済み。ただ、未接種者を中心に感染して入院する人が増えている。