下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です。
レジ袋有料化が万引きの現場を変えた
2020年7月にレジ袋が有料化されて以降、その代用品としてさまざまなタイプのエコバッグも販売され、もはや手ぶらで買い物に来る人の方が珍しくなった。
エコバッグを持参することで、魔が差す機会が増えてしまうのだろうか。持ち込んだエコバッグに商品を隠す被疑者のほか、それを幕にしてカゴの中の商品を覆い、あたかも精算済みであるかのように見せかけて未精算の商品を持ちだす「カゴヌケ」の手口を用いる被疑者が目立つ。
カゴの中の袋と抱えるエコバッグに商品を隠した20代後半の主婦。この店で捕まり罰金を払っており、損失を取り返したかったと話した
全ての画像を見る(6枚)
レジ袋不要客を装い、堂々と商品を持ち出す「持ち出し」の手口も横行しており、どの現場に入っても気が抜けない状況におかれる。店内で買い回り中に、レジ袋やエコバッグを広げないようポスターなどでマナー啓発している店も見かけるが、足を止める客は少なく、その効果は不明だ。
「不審者」の象徴になっていたエコバッグ
エコバッグや使用済みのレジ袋を持って買い回ることで、万引きしていると疑われている気がすると訴える人も多いと聞く。
確かに以前であれば、使用済みのレジ袋や大きなエコバッグを売り場に持ち込むこと自体が不審の端緒となり、行動確認の対象とするのが定石だった。経験の浅い新人でもたやすくできる見極め方のひとつとして、そのような人物が入店した際は、必ず追尾するよう新人研修時などで指導していたほどだ。
一度商品を精算した後、商品を詰めたレジ袋を手に売り場に舞い戻り、いくつかの商品を袋に追加して出ていく「出戻り」と呼ばれる手口が、その典型といえるだろう。しかし、エコバッグなどの持ち込みが推奨される現在、この見極め方は通用しなくなってきた。
コロナ禍におけるマスク着用の義務化も、不審者の割り出しに大きな影響を及ぼしている。顔や目線を隠すために、帽子やマスクを着用してくる常習者は多く、これまでは注意対象としていたからだ。
マスク着用が義務化された当初は、店内が不審者だらけに見えてしまい、店の雰囲気が悪くなったと頭を悩ませる店長がたくさんいた。不審者の絞り込みができないまま現場で右往左往し、誤認事故を引き起こす新人保安員も増えたように感じる。
レジ袋有料化とコロナ禍における感染防止対策の影響で、万引きに至る不審者の見極め方が複雑化してしまい、技術指導や新任教育の内容も大きく変わった。社会情勢の変化により、万引きしやすい環境が整えられていく現実が、皮肉に思える。
店舗で必ず見かけるセルフレジ不正
万引きを疑われていると気になるなら、余計な荷物を持ち込まずに、店内では必ずカゴを使い、不必要に周囲を気にすることなく買い回ることを推奨しておく。エコバッグや袋などの口は必ず閉めておき、電話や財布などの出し入れを控えるなど、手をバッグに入れる機会を減らすことも有効だろう。
こうした行動を店内で繰り返して不審者認定されてしまえば、顔認証登録されて店内における行動を監視されることにもなりかねない。気になる人は、日頃の振る舞いから注意すべきだろう。
犯行中の様子。両手首のレジ袋とエコバッグの持ち方を不審に思い行動を見守ると犯行に至った。昨今、高級果実を狙う高齢万引き犯は多い
普及が進むセルフレジにおける不正行為も頻発しており、設置店舗で勤務に入れば、必ず一度は目にする光景となった。悪知恵が働く被疑者の手口を紹介すれば、チェック後の精算を無視して逃走を図ったり、高価な商品に安価なバーコードを貼り付けるなど工作して精算する人まで存在する。
また、最初に通さなければならないはずの有料レジ袋をチェックすることなくセットし、そのまま持ち去っていく被疑者も多い。たった3~5円の話ではあるが、いままで無料で入手できたモノを買わなければならないとなると、どこか損をした気持ちになってしまうのだろう。少しでも節約して、自分だけは得をしたい気持ちは、万引き常習者の心理と同じだ。
レジ袋に5円を払うか、窃盗犯になるか
筆者自身、5円のレジ袋を盗んだ高齢女性に声をかけ、否認を続けられたため、やむなく警察に引き渡した経験がある。明確な映像証拠が見つかり、被害届が受理される状況にまでいくと、ようやくに未払いを認めて謝罪されたので、その時は警察による厳重注意で済ませた。至極当然のことであるが、どんなに安価なものであっても金を払わずに持ち去れば、窃盗罪は成立してしまうのだ。
レジ袋を買いたくないがために、店内カゴを私物化する客も増えた。見かねて注意すれば「客を泥棒扱いするのか」「明日もくるから」などと、至極勝手な理屈を述べて居直るのが特徴といえる。レジ袋有料化後、カゴの数が3割ほど減ってしまった事例もあり、その対応に苦慮している店は少なくない。
コロナウイルスを気にしているのか、備え付けのポリ袋を手袋代わりにして、一つひとつの商品をポリ袋に詰めていく人も頻繁に見かける。その上にエコバッグを被せてしまえば、あたかも精算後のような情景となるため、そのまま犯行に至る被疑者も多い。
全ての商品をポリ袋に詰め、さらに無料提供されるダンボールを被せることであたかも精算を済ませたように見せかけて商品を盗んだ70代男性
レジ袋代わりに使いたいとポリ袋を筒ごと持ち去る人や、店内の備品である消毒用アルコールやトイレットペーパーを盗む人まで散見され、そうした人を見かけるたび国内の治安情勢や民度の低下を実感して嫌気が差す。
コロナ禍で悪質、常習化する万引き
レジ袋有料化とコロナ禍における困窮者の増加に合わせて初犯者の扱いが増えていることも確かで、失業や収入減を理由に換金目的の万引きに手を染める若い主婦や家族万引きの捕捉も多発している。ジャンルを問わず、比較的高価で人気のある売れ筋商品を盗み、リサイクルショップやオークションサイトなどで換金するケースが典型パターンといえるだろう。
入店早々、特大サイズのレジ袋を手に取り、商品を詰めて店外に持ち出した40代女性。何も買っていないため、盗みに来たと考えられる犯行だ
犯行に用いるバッグの大きさやカゴの数に合わせて、ブツ(被害品のこと)量は増す。捕まえてみれば高額品や大量の商品を盗む被疑者ほど、なにひとつ買っていない場合が多く、その厚かましさを痛感するばかりだ。大量の商品を常習的に持ち出すなど、犯意が育ちきったところで逮捕に至れば、被害状況から長期拘留を余儀なくされ、全てを失うような展開を招いてしまう被疑者も珍しくない。
万引きする人の多くは、客のフリをしながら店内を徘徊はいかいして犯行に至り、あたかも精算を済ませたような顔で未精算の商品を店外に持ち出していく。被害を放置すれば常習者の標的となり、成功体験に合わせて犯罪技術を向上させてしまうことにもつながる。万引きを生業とするような常習者も増加傾向にあり、大量かつ高額の万引き被害が全国で相次いでいる状況だ。
お金を払いたくない万引き犯には罰金が科される
たかが万引きと思われがちだが、10年以下の懲役に併せて、50万円以下の罰金という財産刑も制定されている。罰金刑の存在を知らないまま捕まり、罰金を支払ったことで金がなくなったと報復的万引き行為に及んだ再犯者を捕らえた時には、経験豊富であるはずの私も言葉を失ったものだ。
マイバッグにチューハイを隠した30代男性。派遣切りに遭って収入が途絶えてしまい、酒を買う余裕がなかったと話した
ここ数年、どこのお店に入っても万引き被害が増えたと実感されているようで、いかに防止するかということに頭を悩ませている。高齢者や失業者による犯行をはじめ、摂食障害を主張する人や経営難を抱える飲食店主、ベトナム人グループなどによる大量盗難は相変わらず頻発しており、従業員による内部不正も絶えない。
窃盗団に狙われてしまえば、系列店舗が軒並みやられて、多額の被害が生じる。摘発は最大の抑止といわれているが、共犯を伴う組織的万引きや外国人窃盗団などによる換金目的の万引きは、プロの犯罪者によって構成されているに近しく、そう簡単には解決できない。隠匿行為などの実行現場を目撃したとしても、捕まえることのリスクを鑑みて、不本意ながら見て見ぬふりをする商店まで存在する。
ニューヨークでは無法地帯化した店舗も
たとえ最先端の防犯機器を導入しても、機械が被疑者を捕まえてくれるわけではないので、万引き被害が激減することはない。かといって、人的警備を厚くする予算もないため被害を減らせる要素は乏しく、万策尽きた感が漂う。
昨今、小さな間違いや当たり前のことを他人に指摘されることで、無駄に大声を出して、乱暴な態度をとってしまう人が増えているように感じるのは気のせいだろうか。隠匿行為を確認できた時点で指摘して、犯罪者に仕立て上げることなくやめさせたいところではあるが、店内で声をかければ「客を疑うのか」と大騒ぎされること必至で犯意成立まで見守るほかない。
現在、アメリカNY州にある一部のドラッグストアにおいては、高額品のみならず、歯ブラシや歯磨き粉まで施錠販売されている。あちらでも環境保護を理由にレジ袋が有料化され、近しいタイミングでコロナによる貧困者が増えたことから、万引き被害が急増。ほとんどの商品棚が施錠され、呼び鈴を押して従業員を呼ばなければ、商品を手に取ることすらできなくなった。
盗る側は刑務所入りを志願している側面があるのに、軽犯罪を理由に警察が扱おうとしないため、警備員の前でも堂々と商品を詰め込むなど、もはや無法地帯化してしまった店まである。現場の映像を見て、この先の世界が不安になったことは言うまでもないだろう。
万引きを許容していれば日本の治安も悪化の一途
日本国内においても、捕捉現場の所轄警察署によって万引きの対応は異なり、被疑者の扱いに地域格差のようなものを感じることは少なくない。似たような環境で、同じような犯歴を有する人が、まるで同じものを盗んで捕捉されたとしても、その結末は異なるのだ。
カゴヌケの手口でブロック肉などを盗んだ24歳のベトナム人男性。逮捕されてしかるべき事案だが、警察署の意向で厳重注意処分となった
どことは言えないが、これまで長年にわたり数百人の万引き犯を引き渡してきたにもかかわらず、いまだ一度も行ったことのない警察署も存在する。この事実は、関わった事案の被疑者が書類送検されていないことを示しており、うがった言い方をすれば万引きが許容された街のように思えてくる。
こちらからすれば手間がかからずに済んで助かる側面もあるが、犯行現場から生じる犯罪格差には大きな疑問を抱かざるを得ず、こうした街の存在が国全体の治安悪化を招く気がしてならない。
近い将来、日本の商店も、米国のドラッグストアと同じような状況に陥ってしまうのではないだろうか。商品を自由に手に取り選べる環境の崩壊は、買い物の楽しみを奪う悲惨な結果で、そのような事態は極力避けたい。
万引きを減らすには、どうしたらいいか。各地のさまざまな現場に潜入しつつ、今後も検討を続けていこうと思う。
伊東 ゆう(いとう・ゆう)
万引きGメン
1971年生まれ。99年から5000人以上の万引き犯を補足してきた現役保安員。万引き対策専門家。著書に『万引き老人』(双葉社)や『万引き 犯人像からみえる社会の陰』(青弓社)など。
骨密度は加齢とともに低下していきます。何も対策をせずにいると、骨粗しょう症になってしまう危険性大。 毎年10月20日は世界骨粗鬆症デーです。「骨力」をアップするコツを専門家に聞きました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》)
進行すると、骨折などのリスクが増す
骨は知らず知らずのうちにもろくなっていくことをご存じですか?
「45歳くらいまでは女性も男性も同じくらいの骨密度を保っているのですが、女性の場合、閉経の5年前から急激に骨密度が減り始めます。その原因は、骨の破壊を抑制する働きがある女性ホルモン・エストロゲンの減少です」と説明するのは、川崎医科大学総合医療センター産婦人科特任部長の太田博明先生。
20~44歳の健康な人の腰よう椎つい骨密度(若年成人平均値)と比べて、どのくらい減ったかを示す数値が「YAM」です。YAMが80~70%になると
「骨粗しょう症予備群」とされ、70%以下になると「骨粗しょう症」と診断されます。
「平均的な日本人女性の場合、腰椎骨密度は50代でYAM80%まで低下。その後、何も予防をしないと、年齢とともにさらに下がっていき、60代では3人に1人、70代以上では2人に1人が骨粗しょう症になってしまうのです」(太田先生。以下同)
加えて、骨密度の低下が進むと、日常生活のちょっとした動作で骨折する危険性が高まると指摘します。
「骨密度の低下は自覚症状がないまま進行するため、骨折してはじめて骨粗しょう症だとわかる人が多いのが実情です。60代では背骨の圧迫骨折を起こす人も増加。背骨の椎体が1つ潰れると、2つ目、3つ目と連鎖的に骨折を引き起こすことも少なくありません」
なかには転んだ拍子に大腿骨を骨折し、そのまま寝たきりになってしまうケースも。
「大腿骨を骨折した場合の5年生存率は約50%です。これは大腸がんや胃がんの5年生存率よりも低い数字。骨粗しょう症は、命にはかかわらない病気というイメージがあるかもしれませんが、軽視するとがんよりも怖い病気なのです」
まずは、自分の骨の状態を把握するために、必ず骨検診を受けてほしい、と太田先生は強調します。
運動で骨に刺激を。
予防的治療も検討して
予防のポイントになるのが食事と運動です。
「毎日の食事で骨を作る材料となるタンパク質、カルシウム、そしてカルシウムの吸収に必要なビタミンDの摂取を心がけてください。もっと大切なのが、運動です。ウォーキングなどの有酸素運動は、生活習慣病の予防には効果的ですが、骨を作る意味では、やや刺激が不足しています。例えば、床の上でジャンプするなど、骨に少し強めの振動が伝わる運動が有効。骨を作る骨芽細胞が活発に働くようになるのです」
また、予備群の段階で積極的に治療することも大事。
「骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する『骨吸収抑制剤』や、骨の形成を促す『骨形成促進剤』などの薬を病態に合わせて使い分けます。女性ホルモンを補充する治療も効果的です。最近の新薬では、10年間の治療で、脊椎なら20%ほど骨密度を高められます。これまで骨粗しょう症は、老化現象としてあきらめなければならない病気でした。しかし今は、積極的な治療をすることで、治せる病気になっているといっていいでしょう」
骨にいい生活と早めの治療を心がけ、骨貯金を減らさないことが人生後半をすこやかに過ごすコツといえそうです。
次ページから、強い骨を作る生活習慣について紹介します。
骨力をアップする3つの生活習慣
1)刺激を与えて、新しい骨の成長を促して
丈夫な骨にするためには、骨に刺激を与える運動が不可欠だといいます。
「かかと落としは、家の中でも外出先でも、ちょっとした隙間時間にできるのでおすすめです。毎日行いましょう。ミニジャンプは、さらに強めの刺激を与えられる運動です。そのほか、踏み台昇降、なわとびなども適しています」(太田先生。以下同)
〈かかと落とし〉
すべての写真を見る
かかとを上げてつま先立ちになり、かかとをストンと床や地面に落とす。不安定な場合は、イスの背もたれにつかまって行いましょう。(1日30~50回)
〈ミニジャンプ〉
高さ10cm程度の台を用意し、両足を揃えて乗る。軽くジャンプして、台から下りる。(1日30~50回)
※膝に痛みがある場合などは、無理に行わないようにしましょう
2)筋トレでバランス力を強化
骨に振動を与える運動に加えて、筋トレも効果的。
「筋肉が増えると、骨が作られるサイクルが活発化します。ダンベル体操やスクワットといった運動で筋力強化を図りましょう。筋肉を鍛えることは、体の柔軟性やバランス力を高めることになり、転倒防止にもつながります」3)食事で
「タンパク質」「カルシウム」「ビタミンD」を摂取
「日本人女性は、骨の健康を守る栄養素であるタンパク質、カルシウム、ビタミンDが不足しがち。カルシウムの補給には、牛乳が効率的です。ビタミンDは魚類、とくにサケに豊富に含まれます。カルシウムやビタミンDをサプリメントで補う場合は、規定量をしっかり守ってください」
ビタミンDは、紫外線に当たると皮膚で大量に生成されるそう。
「ウォーキングや散歩など、なるべく外に出て太陽の光に当たりましょう」
\早めの検査で骨密度を知ろう/
QUS法 …超音波をかかとの骨に当てて骨の質を評価する
MD法 …両手のX線を撮影して手の骨密度を測定する
DXA法 …X線で腰椎や大腿骨の骨密度を測定する
「QUS法は、自治体の検診などでも広く用いられますが、骨密度そのものを測っているわけではなく、あくまでも目安です。MD法とDXA法は、診断にも用いられる検査法で、MD法よりもDXA法のほうが信頼性が高い検査法。ただし、設備がある病院が少ないので、かかりつけ医に相談するか、人間ドックのオプションなどを活用しましょう」
出典=『婦人公論』2021年10月26日号
太田博明
川崎医科大学総合医療センター産婦人科特任部長、同大学産婦人科学2特任教授、医学博士
東洋経済様のホームページより下記の記事をお借りして紹介します。(コピー)です。
岸田内閣がぶち上げた「新しい資本主義」。コンセプトは「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」だそうだが、具体的に何がどうなるのかはわからない。
国民が願っているのは、とにかく所得が上がることだろう。日本が長らくデフレに苦しんできたのはご存じのとおり。そのため、すっかりわれわれは激安価格に慣れてきた。給料が上がらないのだから、買う人の懐に合わせてモノの値段も上げられないのは当然だ。逆に言うなら、モノが安いからこそ安い給料でも何とか生きてこられたともいえる。
しかし、コロナ禍のせいで、その安いニッポンが終わるのではないかと心配している。給料が上がるならいいが、「成長と分配の好循環」はまだ始まっていないので、それもおぼつかない。家計費を直撃しそうな今後の値上げと、それに対処するすべはあるのか。新しい資本主義ならぬ、「新しい節約主義」はありうるのか考えてみたい。
「食」が値上がり、安い外食にもダメージ
長引く巣ごもり自粛によって、毎月の食費や日用品代が増えているのは誰もが感じるところだ。そんな状況の中、続々と食品値上げのニュースが報道されている。
輸入小麦については、農林水産省が製粉会社などに売り渡す小麦の価格が10月から引き上げられ、その値上げ幅は令和3年4月期と比べ19%にも上る。それを受けて、日清フーズが来年1~2月からの商品価格改定を発表、小麦粉製品は約3~6%、パスタ、パスタソース製品約3~9%、冷凍食品約4~7%の値上げとなる。しかも、小麦粉製品は7月に、そばやパスタ・パスタソース製品は9月にも上がったばかりだ。
毎日食卓に上るパンの値上げ報道も相次いでいる。山崎製パンは2021年1月から「ロイヤルブレッド」「超芳醇」などの食パンを平均9%、わが家でもよく買う「ナイススティック」などの菓子パンを平均6.8%ほど値上げすると発表した。同じく、敷島製パンも1月から一部商品を約4~14%上げるという。
食用油も、2021年だけで4回もの値上げになった。日清オイリオは11月から家庭用の食用油を、1キログラム当たり30円以上引き上げる。粉や油の値上げの影響もあり、冷凍食品まで上がる。ニチレイは家庭用冷凍食品の価格を11月から約4~8%アップするが、理由として「油」「畜肉原料」「小麦粉」の急激な価格高騰を上げている。困ったときのお助け食品まで、値上げの波にさらされているのだ。
無論、これは家庭用だけではなく、業務用も同様だ。東京での1人暮らしでは、自炊より外食のほうが安くなることもあった。実際に、ワンコイン以下でランチが食べられる夢のような国だったが、この先もそうとは限らない。粉や油が上がると、麺類や揚げ物などのコストが上がる。また輸入食肉価格の高騰も続いており、牛丼チェーン松屋は「牛めし」を値上げした。食品全体がじわじわ上がっているのだ。
大きな要因は、やはりコロナだ。生産地や工場での働き手不足による生産停滞、コンテナ不足による運賃の高騰、経済活動が急激に回復しつつある各国との取引価格競争など、供給が需要に追い付かないため、値段が下がる要因がない。幸い、日本は米だけは安定しているので、弁当も丼も、ごはんの量だけは増えていく……なんてこともあるかもしれない。
また、10月からは働く人の最低賃金も引き上げになった。歓迎すべきいいことではあるが、その人件費もコストに乗ってくる。人件費を削って利益を上げる――なんてやり方は、難しくなる一方だろう。
デフレの申し子・100均も絶滅の危機?
コロナ遠因のコスト高騰は、別の身近な価格にも影響を及ぼしそうだ。アジアで工場の稼働が止まる、輸送費がより上がる、さらには後でも触れるがエネルギー価格がとんでもなく上がりつつある現状では、これまで海外で安く製造してきた100円グッズ業界が苦しくなるのではと危惧している。
先の食品とは違い、「原材料費が上がったので来月から値上げします」と言えないのが、価格を固定している100均グッズだ。先日も、業界大手のキャンドゥがイオンの子会社になる道を選んだが、このままでは収益確保が厳しいという台所事情もあったのだと想像する。
過去連載でも取り上げてきたように、多くの100円ショップは、すでに300円・500円といった多価格帯戦略をとっているとはいえ、それでも主力は100円商品のはず。いつまでワンコインにこだわり続けることができるか、心配だ。
100円ショップも、牛丼チェーンも、いわばデフレの申し子だ。しかし、“安さ至上主義のビジネス”は、そろそろ金属疲労を起こしているのではないか。
コロナで物流が止まったことで、低価格のために安い労働力を海外に求めることの限界が見えた。世界的な供給不足で、商品確保のためには相応の金を積まないと他国に競り負けてしまうこともわかってきた。
さらに、エネルギー価格の高騰も先が見えない。脱炭素の動きが加速し、産油国は増産に後ろ向きだ。原油価格は上昇し、ガソリンや灯油高を招く。企業にも重くのしかかってくるだろう。かかったコストを製品価格に転嫁しなくては利益は上がらない。
欧州で問題になっている天然ガスの高騰は、これから冬を迎える日本にとって問題だ。発電燃料に使われるLNG(液化天然ガス)の価格上昇は電気代に跳ね返り、コロナで在宅時間が増えた家計を直撃する。ガソリン代の上昇も、車が欠かせない暮らしには大ダメージだろう。
この先、新興国が経済成長していくにつれて、人件費もどんどん上がっていくだろう。さらに世界的に消費が活発になれば、ますますモノの価格は上がる。日本を覆ってきた奇跡的な安さは、いよいよ幻になるかもしれない。
価格の安さより、トータル支出額で節約を
給料が上がらなくても、「安さ」のおかげで耐えてこられた日本の家計は、厳しい時代を迎えるかもしれない。
物価が上がるリスクを想定して、今こそ、家計費の配分から見直しをしたい。増えるものの予算を増やし、減らさせるものは削る。食費や日用品、光熱費は増加、逆に外出にかかる支出(例えば被服費や交際費)は削るか、あるいは毎月の家計費からではなくボーナスから半年分の予算を組む方法もある。
また、口座引き落としになっている支払いを改めて見直す。契約したこと自体忘れている月額課金サービスはないか、ひと月目は無料と聞いて会員になり、そのままなんとなく利用料を払い続けている会員サービスはないか。棚卸しをして、少しでも不要な支出を減らそう。
食費についても、これまでは安い店で安くモノを買って予算内に収めるのが王道だったが、かかる時間とコストとのトータルで考えることも必要だろう。ガソリン代が上がるなら、なるべくまとめ買いをするか、ネットスーパーや宅配を利用したほうが安く済む場合もある。
コロナ自粛で、買い物に行く回数が減った人も多いだろう。食品は大容量パックで買うことで、時間と手間の節約にもなる。大容量の食材を買うとそのあとの使い切り調理が面倒で、そこが逆効果となることもあったが、いっそ家事代行サービスで、第三者に料理の作り置きを依頼するのも一案だ。
週予算を決めたうえで、それに応じた品数をまとめて作ってもらうのだ。保存できる数日分を一度に作れば光熱費の節約にもなるし、なんといっても料理にかける時間が減るので、それを仕事時間に充てることもできる。家事にかける時間は減らし、お金を稼ぐ時間を増やすというのも立派なやりくり法だ。
買って所有ではなく、利用料を払う
安いモノを購入することで支出を減らすというのが従来型の節約法だが、安いモノがこの先減っていくなら、やや高めでも価値の落ちないものをあえて買う選択もある。
この連載の記事一覧はこちら
メルカリなどフリマアプリ利用者の声によれば、「買う前に、まずいくらで売れるかを調べる」という人が半数以上とか。特に若者層では、リセールバリューから逆引きで購入を決めるのは珍しくないようだ。
購入した価格と、その後に売れた価格の差が、いわゆる「自分が使った期間の使用料」と考える。「所有のために買った」のではなく「使用料を払った」感覚だ。
筆者のような昭和脳では最初はピンとこなかったが、捨てることをよしとしないSDGs的思考とも思えてくる。
「使用料」は収入が少ない、増えない世代だからこそ生まれた発想かもしれない。しかし、どうせこの先あらゆるモノの値段が上がるのであれば、あえて「売れる」ものから選ぶのも立派な節約法となる。
ただ安いモノを買っていればよかったデフレ時代は、そろそろ終わる気がしてならない。激安好きの筆者だが、安さの裏側には苛烈なコストカット競争があり、それがわれわれの収入をも安くしてきたのだとすると、覚悟を決めて物価上昇を受け入れるべきなのか。
対抗策としてできることは、時間の効率を上げ、稼ぐ時間を増やすこととも思う。同時に、政府が「成長と分配の好循環」を速やかに実現してくれるよう願う。
松崎 のり子 : 消費経済ジャーナリスト
下記の記事は日刊ゲンダイデジタルからの借用(コピー)です。
<姉は、これまでもこれからも、自分にとってとても大切な存在です。一緒に楽しい時間を過ごせましたし、姉がいてくれたおかげで救われた気持ちになったことが多くありました。心から感謝しています。また、小室圭さんが姉のことを大切に思ってくださっていることをありがたく感じています>
10月26日、秋篠宮邸を後にする眞子さんを、妹の佳子さまは報道陣の前で抱きしめられた。小室圭さんの母・佳代さんの金銭トラブルを発端に、眞子さんの結婚は4年近くにわたり延期。延期以降、湧き上がったお2人への結婚反対の声は、結婚当日になっても止むことがなかった。それだけに、姉妹のお別れの場面は感動を呼んだ。
眞子さんの数少ない味方といわれた佳子さまの冒頭のコメントからは、お2人の結婚が実現した喜びと姉が遠く離れて暮らす寂しさが伝わってくる。
「眞子さんの結婚が進展しない中でも、『姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています』と、佳子さまは一貫して応援されていました。眞子さんの結婚問題が一区切りついた今、結婚をはじめ、ご自身に多くの視線が注がれていることを十分認識されていることでしょう」(皇室ジャーナリスト)
父、秋篠宮さまは昨年のお誕生日の際、佳子さまのご結婚について、<それほど遅くなくしてくれたらいいと思います>とお話しされている。12月に27歳になられる佳子さまだが、眞子さんの結婚が大きなプレッシャーになっているという。
「眞子さんが小室さんと婚約内定したのが26歳のときなので、佳子さまのご結婚が意識されると思います。眞子さんの際はご本人の自由意思に任せていたためか、小室家の金銭トラブルは女性週刊誌の報道によって発覚し、宮内庁の対処が後手後手に回った感は否めません。再びこのようなトラブルを起こすわけにはいかないため、佳子さまのお相手選びはより慎重になるでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
■結婚への干渉は受けないというスタンス
佳子さまは自らのご結婚について、<結婚の時期については、遅過ぎずできれば良いと考えております。理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません>とお話しされている。
眞子さんの入籍の際には、<結婚に関して、誤った情報が事実であるかのように取り上げられたこと、多くの誹謗中傷があったことを、私もとても悲しく感じていました>とコメントされるなど、結婚に関しては外部からの干渉は受けないというスタンスがうかがえる。
しかし、眞子さんが家を出ていかれたことで、佳子さまは結婚のほかに、大きな問題に直面しているという。
「皇族数の減少に歯止めをかけるため、女性皇族が結婚後も皇籍を維持し、宮家を継承する構想があります。本来、眞子さんが、将来天皇になられる可能性のある弟の悠仁さまをお支えすることを期待されていました。しかし、眞子さんが民間人になったため、この構想が実現すれば、佳子さまがご結婚後も皇籍を維持し、秋篠宮家を継承。悠仁さまのサポート役を担うことになるのではとも言われています」(前出・皇室ジャーナリスト)
<結婚につきましては、これも聞いていないわけですけれども、もし彼女が結婚について何らか私もしくは私の妻に話をしてきましたら、その時は時間をかけてゆっくりと話合いをしていきたいと思っております>
佳子さまのご結婚について、秋篠宮さまはこうお話しされている。眞子さんの結婚で揺れた秋篠宮家はひと段落ついたかに見えるが、次女・佳子さまにさまざまな決断が迫られている。
女性自身様のホームページより下記の記事をお借りして紹介します。(コピー)です。
9月下旬にアメリカから帰国してから激動の1カ月半を過ごした小室圭さん。念願だった眞子さんとの結婚も叶え、遂に明日、新生活に向けて再びアメリカへと旅立つことが報じられている。
結婚にまつわる様々な騒動を引き起こすきっかけとなった母親・佳代さんと元婚約者との金銭トラブルについても大きな一歩が。報道によると、12日、都内の弁護士事務所で小室さんと元婚約者は面会し、小室さんが解決金を支払うことでトラブルの解決を両者が確認したというのだ。
金銭トラブルも解決し、小室さんも晴れやかな気持ちでアメリカに迎えるかと思いきや悩みのタネはつきないもの。「スポニチアネックス」によると、12日、小室さんと眞子さんが一時的に滞在している都内のマンション前で警備にあたる警察車両と一般人が接触する人身事故が発生。車両とぶつかった男性は「こっちは歩行者だよ!」と怒号をあげていたという。
さらに、トラブルは母が住む“実家”でも起きていた。
11日の昼過ぎ、神奈川県にある小室さんの実家マンション前に停車した3台のワゴンタイプの警察車両。すると、中からスーツを着た警察官10人ほどがぞろぞろと降りてきて、突如物々しい雰囲気に。
小室圭さん 実家でまたトラブル!謎の“演説男”出現に公安警察も動員の大騒ぎ
画像を見る
小室さんの実家に集結した10名ほどの捜査員たち
ほどなくして、一様に険しい表情を見せる警察官たちの視線の先に一人の年配の男が。ハンチング帽にサングラスをかけ、スーツ姿で、何やら手には小型のメガホンのようなものを持っている。そこまで変わった様子はないが、佳代さんが住むマンションの前に立つと、メガホンを使って突然こう叫び出したのだ。
「小室佳代さんも、圭さんも高貴なお方であります。新聞雑誌が、勝手に誹謗中傷もしていますが、私たちは大変尊敬しております。どうか眞子さんと、お国のために~~~」
突然の“演説”に驚いた近隣住民も外に出て様子を伺うと「またか……」とでも言うように呆れ顔を見せる。つい最近も20代男性が壁を乗り越えて実家マンション内に入り込んで、建造物侵入で逮捕されたばかりなのだ。
警備に当たっていた公安警察と思われる捜査員達たちは、その男性を至近距離で包囲しているものの、演説を止めることはしない。その後も、男性は奇妙な演説を繰り返していた。
「どうやら男性は街宣演説の届け出は地元警察に提出していたようです。そうなると警察も警備はしますが、本人に手出しはできません。公認されたデモと同じような扱いだと思います」(警察関係者)
30分ほど経つと、捜査員もさすがに長いと判断したのか、「もういいだろう」と男性を制し、演説は終了。その後、30分ほど警官とやり取りすると、男性は警官に囲まれながらその場をあとにした。
男性の演説の真意が果たして本当に小室さんへの応援だったのかはわからぬまま。小室さんが日本から去った後に、こうしたトラブルが頻発しないことを祈るばかりだが……。