里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

フウラン

2008年10月27日 | 園芸種
久しぶりに近所に住む友達を訪ねた。 相変わらずフウランを育てているらしい。 
通常は家の東側の隣家との間で、午前中は良く陽が当たり午後は母屋の日陰にな
る場所の棚に吊るしておき、夏の暑い時期にはこの上を寒冷紗で覆うのだそうだ。

株分けをするのを手抜きしていると言っていたが、毎年の植え替え(ミズゴケ使用)
は欠かさずにやっているとかで、生長が良いせいか根が鉢の外まで伸びていた。

2~3日雨が続く時や梅雨時・冬季には、屋根つきで周りに囲いがある中へ取り込
んでぶら下げておくのだそうだが、マメな奴だけにとても真似が出来ない芸当だ!
私にはとても太刀打ちできそうに無いが、「毎年良い香りがする!」と聞くと一寸
浮気の虫が騒ぎそうだ!



オジギソウ

2008年09月01日 | 園芸種
刺激があると葉が葉柄ごと垂れ下がる事から、
“お辞儀草”、“眠り草”、“含羞草”、“羞恥草”、“地震予知草”などと様々な名前
で呼ばれている。

その仕組みは、刺激を受けた時に、葉の付け根にある水が葉先に移って重くなる為
に垂れ下がるとか? 衝撃で葉が千切れてしまうのを防ぐ為の自衛手段なのであろ
うか? 相当高度な技の持ち主だ!

10分くらいしたら又もとに戻るが、頻繁に刺激を受けた時はさぞやくたびれてし
まうに違いない。 花(→)も変わっていて可愛い。 個性の強い植物だ!
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オジギソウ、お辞儀草(マメ科、オジギソウ属)
江戸時代に渡来したブラジル原産の多年草だが、耐寒性が無い為に日本では一年草
で、草丈は30~50cm。
木質化した茎には多くの棘がある。 葉は羽状複葉で、昼間は葉を開いているが触
れた場合や夜間、或いは熱などにも反応して葉を閉じ、葉柄も少し下に下がる。
花期は6~9月で、ネムノキに似た花径 約2cm の桃色の花をつける。

(名前の由来)
葉と葉柄が、お辞儀する事から“お辞儀草”と名づけられ、夜間に眠っているよう
に見える事から、別名を“眠り草=ネムリグサ”などとも呼ぶ。

ショウジョウソウ(猩々草)

2008年08月29日 | 園芸種
盆以来、何だか雨が多くて幾らか過ごし易くなったのは良いが、今日などは雷雨で
何も出来ずスッカリ引きこもり状態だ。

ボンヤリ玄関先を見ると、ショウジョウソウが咲いている。
昨年どこからかやって来て居ついたもので、放っておいたらスッカリ数が増えてし
まった。

赤橙色の葉がまるで花のように見え、花の色から“猩々草”と呼ばれているらしい
が奇抜な植物だ。 おまけに、熱帯産の植物だというのに種子を落としては繁殖し
続けるタフな奴だ!

ショウジョウソウ、猩々草(トウダイグサ科、トウダイグサ属)
北米南部・ブラジルなどの熱帯各地に見られる多年草だが、日本では一年草。
花期は8月頃で、茎の先端に花弁の無い地味な花がまとまってつく。
葉はバイオリンのような形で、茎の先端近くではその基部が赤橙色をしていて、ま
るでそれが花の様に見える。 
(名前の由来)
茎の先端近くにつける葉の色を、猩々の赤い毛の色に見立てて名づけられた。

※猩 々
 ・オランウータンの別名。
 ・又は想像上の動物で、
  オランウータンに似て髪は赤く長く垂れるが、顔と足は人間に似る。 
  良く酒を飲むとされるので、転じて大酒呑みの人の事も猩々と呼ぶ。

  

ハブソウ

2008年08月23日 | 園芸種
上帝釈峡の駐車場脇の畑でたくさん咲いていたこの花。
てっきり、先日 Rohman さんがブログに載せておられた“エビスグサ”だと思っ
て写真を撮って帰ったのだが、
調べて見ると、小葉と果実のつき方から見てどうやら“ハブソウ”らしい?
(両者の差)ハブソウエビスグサ
小  葉長楕円形で4~6対、葉先は尖る倒卵形で2~3対、葉先は丸い
果実の鞘水平よりも上を向く湾曲して垂れ下がる
種子名望江南(ボウコウナン)決明子(ケツメイシ)
種子の形扁平卵形やや長い六角形

両者とも外来種のマメ科センナ属で良く似ていて、どちらも夏に5弁の黄色花をつけ、
秋に稔った種子は軽く炒って“ハブ茶”として飲まれるが、健胃・利尿・緩下などの
効果があるという。

ハブソウについては、
花が比較的大きくて美しいので切り花用に栽培されたり、葉をお茶にして飲んだり
する事もあるそうで、画像を改めて見ると確かに刈り取った跡があった。
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ハブソウ?(→実)
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エビスグサ、画像はRohmanさんから借用(→実)

(名前の由来など)
ハブに咬まれた時に葉の汁を塗ると効果があるとして導入された事からハブソウ
(波布草)と名づけられ、異国から導入されたのでエビスグサ(夷草)と名づけら
れた。

ハブ茶は、本来ハブソウの種子(望江南)を軽く炒ったものを指したが、現在販売
されているのはエビスグサの種子(決明子)を用いたものの方が多いという。


ミニハス

2008年07月20日 | 園芸種
昨年4月に友人から貰ったミニハスが咲いた。
画像で見ると普通のハスと変わらないように見えるが、こちらは葉の直径が13cm
しかないミニサイズだ。

蕾の時からどんな花が咲くか楽しみにしていたのだが、咲いてみると花弁の先にし
まりが無く器量はイマイチの感じだった。

ハスは、古代に中国から持ち込まれたものだそうで、食用や観賞用に用いられただ
でなく、その花の気品のある美しさから仏像の台座(蓮華座)にデザインされたほど
で、古くから人とのかかわりの深い植物だ。

さて、我が家のミニハス、蓮華座には余りにも畏れ多く、食用にもなりそうに無い。
でも、訪れた人達には「可愛い!」と褒められ、株分けしてあげると大変喜ばれて
いる。 結構果報者だ!

バレンギク(馬簾菊)

2008年07月15日 | 園芸種
今年の5月に、川上町のフルーツフラワーパークで買って来たバレンギクが咲いた。
名前の面白さに釣られたのだが、確かに花の姿が“馬簾”に似ている。(→拡大)
切花やドライフラワーにして飾るそうだ。
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バレンギク(キク科、ムラサキバレンギク属)別名:エキナセア、エキナキア、コーンフラワー
北アメリカ原産の常緑多年草。 草丈は60~150cm。
日当たり・水はけの良い所を好む。 耐寒・耐暑性は強い。
花期は6~9月で、花の中央の筒状花は盛り上がり、周囲の舌状花はやや下向きに
咲く。 花の色は、桃紫色・白色などがある。

インディアンが薬草として用いていたそうで、炎症や傷の治療の他に免疫力を高め
る効果もあり、ハーブティーとしても飲まれている。

(名前の由来)
菊に似た花の舌状花が下向きに咲く事から、馬簾(纏に下げた細長い飾り)に見立
てて“馬簾菊”と名づけられた。


ガンピ(ナデシコ科)

2008年07月11日 | 園芸種
今年6月に哲西町の園芸店で買ったガンピが咲いた。
葉は虫がついた為に色が悪くなってしまったが、花はフシグロセンノウより少し赤
味が強い独特な色をしている。 ナデシコ科の花は、いずれも器量良しだ!
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ガンピ(→拡大)フシグロセンノウ(→葉)

ガンピ(ナデシコ科、ガンピ属)
中国原産で、日本では茶花として用いられている。 草丈約40~90cmの多年草。
茎は分岐せずに直立する。
葉は対生し、楕円形で先が尖り、全縁でざらざらしている。
花期は5~6月で、葉腋に蕾がついて次々に咲く。 花は黄赤色で白花もある。
花弁は5枚で先端は浅く切れ込んでいる。

(名前の由来)
古くは“カニヒ”と呼ばれたが、その後訛って“ガンピ=岩菲”となった。

 

デイ・リリー(別名:ヘメロカリス)

2008年07月10日 | 園芸種
友人からノカンゾウの積もりで貰ったのだが何とこれが園芸種。
園芸用にアメリカでつくられたのであろうか、流石に西欧人好みのかなり派手な顔
立ちをしている!

しかし、私としてはどうも好きになれない。 やはり国産のユウスゲやノカンゾウ
の方がスッキリしていて好ましく感じる。
今はユウスゲを実生で繁殖させているが、次にノカンゾウを入手して繁殖させ、そ
の後予定通り“ササユリ山”へ返して楽しむ事にしよう!
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ユウスゲ(→横顔)ノカンゾウ

デイ・リリー(ユリ科、ヘメロカリス属)
原産地はアジア東部。
ユリ科特有の6弁の花に強い芳香を漂わせる園芸ハーブ。
ビタミン、ミネラルを豊富に含んだ薬草でもあり、花は食用花としてサラダや料理
の彩りに用いられる。
花と蕾を氷砂糖に溶かした焼酎に入れると良い香りのするデイ・リリー酒ができる。

約50年も前から、主にアメリカでニッコウキスゲ・ノカンゾウ・ヤブカンゾウ等
を園芸用に改良し、花色も黄・桃・赤・茶などの多くの品種がつくられている。

(名前の由来)
花が朝咲いて夕方に閉じるので、一日だけのユリという意味で“デイ・リリー”と
名づけられた。


野生化したフランスギク

2008年05月29日 | 園芸種
ササユリ山から帰る途中、至る所でフランスギクが咲いていた。
先日行った因島でも「マーガレット?」と間違われるほど良く似た花で、おまけに
ヨーロッパでは昔マーガレットと呼ばれていたそうだ。
現在、日本ではモクシュンギク(木春菊)をマーガレットと呼び、このフランスギ
クとは別種だとされている。 花がそっくりな上に、命名も一寸ややこしい。
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帰り道に野生化しているフランスギク(→花)因島で野生化しているフランスギク(→葉)

ところで、道端で至る所に群生しているのは先ずフランスギクと考えて良いそうだ。
フランスギクは、元々寒冷地の植物で日本の高冷地で広く帰化しているのに対し、
マーガレットは、日本では温暖地でなければ越冬出来ないからだそうだ。

もう一つ良く似た花がある。 こちらは秋咲きの自生種のミコシギク。
鯉が窪湿原に自生しているので、もう一度見比べてみるとしよう!

フランスギク(キク科、キク属)
ヨーロッパ原産の帰化植物で、江戸時代末期に入って来た多年草。
中世以前のヨーロッパでは、フランスギクとヒナギクがマーガレットと呼ばれてい
たが、日本ではマーガレットは別種。
葉は浅く切れ込んでいる。 花期は5~7月で白花。 

マーガレット(キク科、キク属)和名:モクシュンギク(木春菊)
日本では、モクシュンギクをマーガレットと呼ぶ。
カナリア諸島原産で本来は宿根草だが、日本では温暖地でなければ越冬できない。
葉は切れ込みが大きく羽状に裂ける。 花期は3~7月で、白花のほかに黄色や桃
色、八重や丁字咲きもある。

ミコシギク(科、属)別名:ホソバノセイタカギク
本州、九州で山地の湿った場所に自生する多年草。
葉は細い線形で、鋸歯はない。 花期は9~10月で白花。


ヒメフウロ

2008年05月14日 | 園芸種
友人が「園芸種のヒメフウロで、良くグランドカバーとして使われる」と言って
くれたものだが、余りにも小さな花(→拡大)で地味過ぎる!

日本の石灰岩地帯にもヒメフウロが自生しているらしいが、これとは別種だそうで
ややこしい。 どうも、フウロソウの仲間は種類が多く紛らわしくて困ってしまう。
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畑では、至る所にアメリカフウロが生えている。 
こちらは、もっと花(→拡大)が小さくて地味だが、余りにもたくさん生えて存在
感があり過ぎる厄介者の雑草だ!
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ヒメフウロ(フウロソウ科、エロディウム属) 別名: 紅花姫風露
地中海地方原産の多年草。
草丈は3~10cm程度で、這うように横に広がる。
葉は、根元から束生した長い葉柄の先につき、葉先に丸みのある心臓形をしていて
浅裂する。
花期は6~9月。 花は径が約1cmで、ピンク、赤、白、八重咲きなどがある。
花弁は5枚で脈が濃い紅紫色に染まり、すじ状の模様が入っている。 中央の花弁
の付け根のあたりには白い毛が生えている。

ヒメフウロ(フウロソウ科、フウロソウ属)別名:シオヤキソウ
石灰岩地域の草地に生える小型の越年草で、滋賀県の伊吹山、徳島県の剣山など数
箇所に自生している。
草丈は20~60cmで、全体に毛があり、粘り、臭いがある。
葉は3裂し、小葉は更に1~2回羽状に深裂する。
花期は5~8月。 花は、淡紅色で径は約1.5cm。 通常2個ずつ咲く。
5枚の花弁には濃い2条のすじがある。

(名前の由来)
花がごく小型である為に“姫風露”と名づけられたが、風露の語源は不明。
全体に塩を焼いたような匂いがする為に、“塩焼草”とも呼ばれる。

アメリカフウロ(フウロソウ科、フウロソウ属)
戦後、牧草などに種子が混じって持ち込まれた北米原産の帰化植物で、本州以西の
路傍や荒れ地、畑などに生育する越年草。
茎は良く枝分かれをし、全体に毛が多く葉の縁や葉柄・茎は赤味を帯びる事が多い。 
葉は5つに深裂し、夫々が更に2~3回切れ込んでいる。
花期は春~夏で、5枚の花弁は長さが約5mmで小さく、淡紅色のものが多いが淡
紅色から殆ど白色まであり変異が多い。

(名前の由来)
アメリカ原産のフウロソウなので“アメリカ風露”と名づけられた。