里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

大万木山(おおよろぎやま)のサンカヨウ

2011年05月16日 | 山野草
島根県県民の森のHP”に昨年の今頃、「大万木山へサンカヨウの花が沢山咲いていた」
と紹介してあったので、昨日見物に行って来た。

麓の門坂駐車場(標高:650m)は既に満車なので先客に倣って手前の道路脇に停めた。


サンカヨウが自生するのは、標高1,100m以上の場所(1、2)らしい。


張り切ってスタートしたが、この辺りの山には熊がよく出没するらしく、単独行なので少し
心配だ。

このルートは“滝見ルート”と言い、登山道左の谷底に“権現滝”を見る為の脇道がある
のだが、サンカヨウを早く見たくて直行だ。
 標高約810mの所には避難小屋が
 あった。
 他の登山ルートへもあるらしい。
 その上、登山道も整備されているので
 感心した!

更に登ると、標高約1,000mの所へ“地蔵尊展望台”があった。
晴れていれば北に宍道湖や隠岐島も見えるらしいが、生憎この方角は視界不良で、その代りに北西の方角に、先客の肩越しに遠方の三瓶山が見えた。
 傍らには、地蔵尊が祀ってある。
 “島根県県民の森のHP”には、
 「昔は広島との交易ルートとなっており、
  人々は峠越えの安全をお祈りした」
  と書かれていた。
 「ワニを運んだ峠」という言い伝えもある
  そうで、嘗てこんな高所が物流のルート
  だったとは空恐ろしい!

先方を登っている登山者の後を息を切らしながらの登山が続く。 
何しろ8ヶ月近く家でゴロゴロしていたので段々置いて行かれてしまったが、下りて来た
グループから
「山頂近くは未だ殆ど咲いていなかったが“水飲み場”の少し下流で咲いていた」
と聞かされ、気力を振り絞って標高約1,150mの“水飲み場”へ向かった。

すると、ありました! 上の画像の右側の窪みに湧き出た水が流れている水路があり、
その脇に何株かのサンカヨウが咲いていた。 自然界に咲いているのを見るのは初めて
だけに感動した! 

もうこうなると余裕で、足取り軽く更に登って行くと、何と登山道の両側にあるわあるわ!
しかも、左側の群落は水が流れている場所に生えているし、右側の低地に未だ残ってい
る残雪の先には一面の大群落があった! どうやら、水と低温が好きな植物のようだ。
今年は5月の連休中も雪で覆われていた為に成長が遅く、先週の雨で雪が解けてよう
く咲き始めたそうで、今週末頃から本格的に咲き始めるらしい。

山頂近くにも避難小屋があった。 
山頂に到着するとあちこちの登山ルートからやって来た登山客が溢れていて、中には周
辺の山々を縦走する人達も多いらしいが、私はこれで充分満足したので昼食後は下山だ。