里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

ヒロハハナヤスリ(広葉花鑢)

2011年05月14日 | 山野草
家内の実家の栗畑で珍しい植物を見つけた。
シダの仲間で、栄養葉が大きくて無柄なのでヒロハハナヤスリらしい?


以前(H19年11月)に、神石高原町(旧三和町)の道路脇で見つけたコヒロハハナヤスリ
に似ているが、こちらは栄養葉が小さく短い葉柄がある。
どちらも胞子葉の先端にイカの足に似た胞子嚢をつけるが、群生していると少し気味が
悪い!
先端の胞子嚢栄養葉

ハナヤスリ、花鑢(ハナヤスリ科、ハナヤスリ属)
山地の樹林下や草地に生える多年生のシダ植物。
春に、栄養葉(光合成をする葉)を1枚と、直立した胞子葉(胞子をつける葉)をつけ、
胞子葉の先端にヤスリの形に似た胞子嚢をつけるが、夏には全て枯れる。
ハナヤスリ属には幾つかの種類があるが、その内の、
ヒロハハナヤスリは、北海道から九州に自生し、栄養葉は広卵形で殆ど無柄。
コヒロハハナヤスリは、本州以西に自生し、栄養葉は卵形で短い葉柄がある。


瓶ヶ森クロスズムシソウの花

2011年05月13日 | 庭の山野草
瓶ヶ森(かめがもり)産のクロスズムシソウの花が咲いた。
涼しくて湿度の高い場所でなければ育たない上に、ナメクジやゴキブリが偽球茎を食害
するそうなので、我が家では家の北側で、植木鉢を針金で吊るして育てている。





それにしても、下の画像のジガバチソウと言い、クモキリソウ属には昆虫に似た花をつけ
るものが多い。 何故そんな形の花をつけるのか訳があるのだろうが不思議だ! 


スズムシソウ、鈴虫草(ラン科、クモキリソウ属)
北海道から九州までの、ややうす暗い樹林内に自生する多年草。 草丈は10~30cm。
葉は、長さ5~10cmの長卵形で2枚。 縁はやや縮れている。
花期は5~6月で、10~30cmの茎を伸ばし、その先に径が約1.5cmで茶褐色の花を総状
に10~20ヶつける。 
〔名前の由来〕
花の色と形がスズムシの羽に似ている事から“鈴虫草”と名づけられた。


ルリタマアザミ(瑠璃玉薊)の黄色花?

2011年05月12日 | 園芸種
ルリタマアザミは東ヨーロッパや西アジア原産の園芸種で、
「日本に自生しているヒゴタイに似た瑠璃色の花を咲かせる」と言うので、ヤフオクで種子
を購入して楽しみに育てていたところ、遂に花が咲いた。

ところがダッ! 瑠璃色の花を期待していたのに咲いた花は黄色だった。 残念!

 こんな花が咲く予定だったのに、
 どうやら出品者が間違えたようだ。
 でもアザミに似た姿で、黄色花は初めて見た!
 何と言う種類なのだろう?




1年1棟、戸建て住宅着工

2011年05月11日 | 動 物
何時も我が家の野菜を盗むあのギャングが今年も巣作りを始めたが、庭木の枝先も巣
作りの為に食い千切って行くので、ハナミズキなどはスッカリ樹勢が衰えてしまった。
毎年抱卵を始める頃には、中国電力がやって来て全て取り払ってしまうのに、懲りない
連中だ!


庭の中にもこの手合いが居る。
朝起きてみると、見た事がない花が咲いているので、


寝ぼけ眼をこすって見ると、どうやら枝に化けていたシャクトリムシの仕業らしい。


元はこんな花だったのに、カザグルマも形無しだ。
植物も、鳥や毛虫、ナメクジなどの敵が多く、生きて行くのが大変だ!
これから、あの気味の悪いナメクジが跋扈する時期を迎えるが、今から虫酸が走る!
何とか良い手は無いものかしら?



カヤランの花

2011年05月10日 | 庭の山野草
ヘゴに貼り付けたカヤランの花が咲いた。


花の大きさは約1cm程度で小さく、香りも感じられない。 地味な花だけど飽きはこない!



カヤラン、榧蘭(ラン科、カラヤン属)
本州以西で沢沿いの樹木などに着生する多年草。
茎を垂らして葉を下向きにつけ、葉の間から上に向かって伸ばした気根で樹木に貼りつく。
葉は、長さ約4cmで細長く互生する。
花期は3~5月で、葉腋から花茎を伸ばし、その先へ小さな黄色の花を数個つける。
〔名前の由来〕
葉の形が、カヤの木の葉に似ている事から“カヤラン”と名づけられた。


“ゆとり縁” のエヒメアヤメ見学

2011年05月07日 | 山野草の繁殖
今日は、上下町小堀の“ゆとり縁”へエヒメアヤメを見学に行って来た。
場所は、先日訪ねた“賀茂神社”の近くだ。

ゆとり縁”は、オーナーが畑を真砂土で埋め立てて造った庭園で、



その中には、至る所に小さなエヒメアヤメが植えてあり、目印に竹串が立ててある。



時期は一寸遅かったようで、既に咲き終わった花が多かった。


しかし、やや日陰には未だ綺麗な花も沢山残っており、中に白花が咲いていたのには驚
いた!  突然変異で咲いたそうだが、今年になって紫花に戻ったものもあるそうだ。




オーナーから「咲き終わった花には、もう実が膨らんできている」と指し示されたが、何と
花がらより随分下の方が膨らみ始めている。 そんな所へ実が出来るとは知らなかった!


オーナーは、この実が熟す7月になると毎年播種し、最初の100株余から今や1000株も
の数に殖やしたそうで、しかも、それを一般に開放して居られる。
ゆとり縁”の名前も、世知辛い世の中をもっとゆとりを持ち、花を通じて出来た人と人との
つながりを大事にして行こうとする思いから名づけられたらしく、いきなり訪ねた私にも丁寧
に説明して下さった。 有難い事だ!

記念に、H21年7月に播種した足掛け3年の苗を譲って頂き、自宅で実生を試みる事に
した。 早ければ来春、遅くても再来年の春には花をつけるそうなので今から待ち遠しい!


〔オーナー直伝の栽培法〕
 ・7月に実が黄色くなってきたら採種。
 ・真砂土:赤玉土:鹿沼土:バーミキュライト=1:1:1:1 へ採り播き。
 ・半日陰で乾燥させないように管理する(過湿は不可)。
 ・翌年の4月に発芽するので、1ヶ月後にポリポットへ同じ用土を入れ、根を傷つけな
  いようにして移植する。
 ・1年後、庭の南向きで日当たりの良い場所の真砂土へ、根を傷つけないようにして移
  植する。 ※株分けは、以後も一切やってはいけない。

〔栽培の3条件〕
 ・植えられた所から、他の場所へ移植しない事。
 ・植えられた所が、その花の生涯を送る場所と心得る事。
 ・施肥はしない事。


食事中のモウセンゴケ

2011年05月06日 | 庭の山野草
友人から“モウセンゴケ”を2株貰った。
ナメクジに食害されるというので、取り敢えずミミカキグサを播種したミズゴケの上に植え
つけたが、これなら周囲を水を入れた堀で守られているので浸入を防げる筈だ。


未だ展葉中の幼株なので、葉は小さくて、赤い繊毛が少ない為か緑色に見えるが、
名前の由来は
「葉が緋毛氈のような赤色で、姿が苔に似ている事から“モウセンゴケ”と名づけられた」
というから、生長するとやがて腺毛が増えて赤色に変わるのだろう?

ところで、モウセンゴケは食虫植物で、葉の腺毛から粘液を分泌して小さな昆虫を捕らえ、
消化液を出して溶かし養分(窒素やリン)を吸収するのだそうだ。
話には聞いたが、虫を食べているのを見た事がないので、早速体長1cmくらいの昆虫を
捕まえて葉へくっつけてみたところ、粘液で虫を捕らえて逃がさない。 強力だ!


5時間後、心なしか腺毛が絡みつき始めたように見える。


20時間後、葉が閉じてきた。 
このままゆっくり溶かして食べるらしいが、葉に毎日虫をつけてやるとやがて枯れてしまう
そうだ。 幼株にいきなり虫をやったので枯れてしまうか心配になってきた。 
モウセンゴケにも離乳食があるのかしら?


モウセンゴケ、毛氈苔(モウセンゴケ科、モウセンゴケ属)
全国の日当たりの良い湿地に自生する多年草。
葉は放射状に根生し、葉柄の長さは2~8cmで、葉の径は0.5~1cmの円形。
葉には赤い腺毛が沢山あり、粘液を分泌して小さな昆虫を捕まえ、消化液を出して溶か
し養分を吸収する。 根も葉もあるので虫を捕まえなくても生育は可能。
花期は6~8月で、10~20cmの茎の先に径が1~1.5cmで5弁の白色花が次々に咲く。


コダカラソウ(子宝草)の花

2011年05月04日 | 園芸種
ご近所から葉っぱの縁に子供が沢山出来る珍しい植物を貰った。
コダカラソウと言い、これを育てると赤ちゃんを授かると言われる縁起の良い植物で、
子宝に恵まれようとして育てる人の輪もあるそうだ。
娘と息子の子宝も待ち遠しいし、ピンクの花を咲かせるというので育ててみた。


すると、1mを超える長い茎を挟んでU字型の花柄を交互に4段に伸ばし、夫々の花柄に
長さ2.5cm×径1.5cmの小さな花がたくさん咲いた。
正直言って花はイマイチだった。  あとは子宝に期待するしかない!

コダカラソウ、子宝草(ベンケイソウ科)
・マダガスカル原産の常緑多年草で、別名をシコロベンケイ(錣弁慶)と呼ぶ。
・マダガスカル原産のコチョウノマイ(胡蝶の舞)とコダカラベンケイ(シコロベ
 ンケイ)の交配種。
 等と書かれているが定かではない。


ハクサンチドリの花

2011年05月03日 | 庭の山野草
昨年エゾチドリを買ったが、東京山草会の「ふやして楽しむ野生ラン」という本には、
「株繁殖せず実生も困難で、寒冷地でも栽培維持はほぼ不可能」と書かれていた。
ところが今のところ順調に花芽が上がって来ているようなので、今度は、ハクサンチドリ
を買ってみた。  これも「株繁殖せず実生も困難」とされているらしい。

ところがダッ。 ようやく可愛い千鳥の花が咲き始めたというのに、何と早くも葉がナメクジ
に齧られているではないか! 
このまま放っておけば栽培困難どころか即死させられてしまう!  さてどうしたものか…?

ハクサンチドリ、白山千鳥(ラン科、ハクサンチドリ属)
本州の中部地方以北で、亜高山~高山の草原に自生する多年草。 草丈は10~40cm。
葉は、長さが5~15cmで細長く、3~6枚が互生する。
花期は6~8月で、茎の先に径が1.5cmで紅紫色の花を10数個総状につける。
〔名前の由来〕
“白山”で見つかり、花の形が“千鳥”に似ている事から“白山千鳥”と名づけられた。


セリバヤマブキソウ(芹葉山吹草)の花

2011年05月02日 | 庭の山野草
ヤフオクで福島県から買った花だが、当地に幾らでもあるヤマブキソウの葉が、セリの葉
のように深く裂けた形をしていて、福島県でも珍しいのだそうだ!
たくさん花をつけているので、稔ったら早速実生に挑戦してみる積りだ。
ヤマブキソウセリバヤマブキソウ

ヤマブキソウ、山吹草(ケシ科、クサノオウ属)
本州以西の低山の林内で自生する多年草で、草丈は30~40cm。
根生葉は5~9枚の小葉からなる羽状複葉で、茎の上部には3~5枚の小葉からなる
羽状複葉がついている。
ヤマブキソウの葉は変化が多く、基本種のヤマブキソウの他に、ホソバヤマブキソウ
セリバヤマブキソウなどがある。
花期は4~5月で、茎の先端近くの葉腋に、鮮黄色の花を1~2個つける。
花の径は4~5cmで、4枚ある花弁は丸い。
セリバヤマブキソウ(芹葉山吹草)の小葉は深く裂けており、葉がセリに似てヤマブキ
のような花をつける事から“芹葉山吹草”と名づけられた。

同属にクサノオウ(草の王、瘡の王)があるが、花の形がよく似ている。