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映画『ジェシー・ジェームズの暗殺』を観る

2008-08-22 03:48:58 | 朗読あれこれ



なぜ今アメリカは、この人物を取り上げたのかに興味があります。

ジェシー・ジェームズ。

19世紀後半、アメリカ南部に現れた無法者。
強盗を繰り返す“有名人”でありお尋ね者のジェシーは
35歳のとき、彼にあこがれジェームズ一味に加わったひとりの男によって殺され
また伝説となった。

そのジェシーを殺した男、ロバート・フォードの「その後」を描くことで
彼の功名心と身勝手さを目の当たりにし、人間の脆さ弱さを憐れむ気持ちになると同時に
その後ろにいる“本当に憎むべきもの”に苛立ちを感じます。

映画では、南北戦争後、強盗と逃亡を繰り返し、すでに新聞をにぎわす“英雄”となっていた
犯罪者・ジェシーが死ぬ直前の数ヶ月を描いているのですが、
ジェシーの苦悩と嘲笑と苛立ちを、
そして彼を殺したボブ(ロバート)の手にしたかったもの失くしたものを見せつけられると
いいようのない切なさに襲われるのです。
やるせない気持ちにされられると申しましょうか。

どうして今、ジェシー・ジェームズとその暗殺者を主人公にした映画を
アメリカは作ったのでしょうか?
西部開拓時代の終焉が告げられようとする「あの時代」を。
懐かしんでいるのか、教訓にしようとしているのか・・・。

「悪」を憎み、「善」を尊ぶ価値観。
でもその価値観なんて時代の流れとともに変わってゆく怖さーーー。
おっと、この辺りのニュアンスは映画を観ていただければ分かります。

今年1月に公開されたばかりの映画。
ブラッド・ピット主演なのに今ひとつ話題にならなかった(^^;のは残念。
でもアタシはとてもいい映画だと思いますので
DVDになってますからよろしければ。