以前、私の友人で自営業者の妻である50代始めの女性が、「年金なんてどうせ掛けても、もらえるかどうか分からないので(夫も)家は掛けてないわ」という話をしているのを聞いたことがある。ところが、彼女が介護士として働くようになり勤務先で彼女自身が社会保険加入をすることになったら「例えいくらかでも掛けていれば少しは貰えるから」と、言うことが違ってきた。
このように「年金なんてどうせ貰えるかどうか分からない」という情報はしばしば、年金を掛けていない(掛けられない)人達の言い分として使われる事がある。
ただし彼女がサラリーマンの妻で第3号の資格を持っていれば別である。第3号の妻達は、夫の厚生年金の掛け金で妻の年金も支払った事になる。この制度がしばしば、働いて自分で年金を掛けてきた女性達の批判の矢面に立つ時がある。彼女達の不公平感は分かる。同時にこの制度は女性から働く意欲を奪い女性達の気持ちを分断する歪んだ制度だということも分かる。
私が見ていると、夫の所得と社会保険に扶養され、住まいも社宅という会社からの恩恵に預かっている妻達は、家族間でよほど何か問題が起きない限り、あまり社会的な事には感心を示さず、おっとりと、自分の半径50メートル以内の事にしか興味を示さないようにも思える。
その彼女達からも「夫の老後の年金」について、不安というか関心を示す発言を聞いた。「ねぇ、年金って大体一ヶ月18万位しか貰えないって聞いたけれど、それじゃ、やって行けないわね。」これは私の友人50代半ばのサラリーマンの妻の言葉。(夫は団塊の世代。)
確かにそうだけれど、これは半分間違っている。確かに18万円位かも知れないけれど、これに「加算年金」というのが妻が65歳になるまで年間39万円位プラスされる(今の所)。それにいくらかでも企業年金でも掛けている家なら、食べていくだけなら何とかなるだろう。
妻が65歳になったとき、今度は妻の年金が(国民年金に入っていれば、第3号も含めて)満額支給され、夫の年金+妻の年金がその家の所帯収入になる。確かにそれだけでは病気になったとき、余暇を楽しみたいという家には不足かもしれないが、それは企業年金、個人年金、などで賄うしか、今のところ手だてはないのかも知れない。
それよりも、問題なのは「国民年金」と「厚生年金&共済年金」の不公平さである。厚生年金は企業が半分掛け金を負担しているということもあるかしれないが、国民年金は冷遇されている。厚生年金が優遇されているのではない。生活出来ない金額しか支給しないという国民年金に問題があるのだろう。それも40年も掛けても、65歳まで一円も支給されないという不公平さ。(繰り上げ支給というのもあるが、これは減額される。)
民主党政権になって「年金の一元化」を公約として挙げている。国民年金は、嘗て「自営業なら定年がないから年を重ねても働ける」ということがあったのかも知れないが、国民年金を掛ける層がいまでは違ってきている。やはり、公平な「年金一元化」が望まれる時代ではある。
それより一番大事なことは、私達「年金を掛け、受け取る側」が、あいまいなネガティブ情報に振り回されないで、自分はいったい「幾つになったら幾ら年金が支払われるのか」社会保険庁なりに出向いて調べることである。出来れば平日勤務の人達のために各市町村の社会保険庁は相談窓口を土日も開けておく位は必要だと思うが。
そして出来れば年金手帳も、銀行の預金通帳のように今幾ら掛けてそれが65歳になったら幾ら貰えるのか(概算だけでも)分かるようにして欲しい。また、せめて、国民年金の掛ける時期を5年~7年最低でも掛ければ、その掛けた年数に応じた金額を支給をして欲しい。厚生年金は掛けた年数分だけは60歳から支給されるのだから。
などということを考えていたら、私の友人の元公務員である女性が「ねえ、民主党が年金一元化って言っているけれど、まさか、共済年金も国民年金に合わせて、下げられたりしないでしょうね」と、不安そうに言っていた。
「さぁ、分かりません。でも貴女の場合は、既に60歳になって今まで掛けてきた分があるから、その分は保証されるんじゃないですか。年金一元化に移行するといっても、ここ1、2年の話ではないでしょうし、それに今までは移行措置がある場合それまで受け取っていた人達って何かしらの優遇措置があったから、急に年金の支給額が10万も20万も下がるなんて事はないだろうと思いますよ」と言っておいたが、やはり不安だったら何らかの方法で自分で調べるのが一番だと思う。
納得できる情報が収集できなかったとしても、やるだけやったら、少しは落ち着くんじゃないかしら。仕組みを複雑にして国民に分かりにくくしているのかも知れないと、勘ぐりたくなったりもするが。
以前、閣僚経験者の塩川正十郎氏がテレビの討論番組で国民年金満額でも年間80万円という金額を聞いたとき、「年間80万、そんな少ないはずないだろう、何か計算の間違いじゃないの」と言ったエピソードが残っているが、代議士さんに取っても「国民年金」なんて所詮他人事、この程度の感覚しかなかったのね。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
このように「年金なんてどうせ貰えるかどうか分からない」という情報はしばしば、年金を掛けていない(掛けられない)人達の言い分として使われる事がある。
ただし彼女がサラリーマンの妻で第3号の資格を持っていれば別である。第3号の妻達は、夫の厚生年金の掛け金で妻の年金も支払った事になる。この制度がしばしば、働いて自分で年金を掛けてきた女性達の批判の矢面に立つ時がある。彼女達の不公平感は分かる。同時にこの制度は女性から働く意欲を奪い女性達の気持ちを分断する歪んだ制度だということも分かる。
私が見ていると、夫の所得と社会保険に扶養され、住まいも社宅という会社からの恩恵に預かっている妻達は、家族間でよほど何か問題が起きない限り、あまり社会的な事には感心を示さず、おっとりと、自分の半径50メートル以内の事にしか興味を示さないようにも思える。
その彼女達からも「夫の老後の年金」について、不安というか関心を示す発言を聞いた。「ねぇ、年金って大体一ヶ月18万位しか貰えないって聞いたけれど、それじゃ、やって行けないわね。」これは私の友人50代半ばのサラリーマンの妻の言葉。(夫は団塊の世代。)
確かにそうだけれど、これは半分間違っている。確かに18万円位かも知れないけれど、これに「加算年金」というのが妻が65歳になるまで年間39万円位プラスされる(今の所)。それにいくらかでも企業年金でも掛けている家なら、食べていくだけなら何とかなるだろう。
妻が65歳になったとき、今度は妻の年金が(国民年金に入っていれば、第3号も含めて)満額支給され、夫の年金+妻の年金がその家の所帯収入になる。確かにそれだけでは病気になったとき、余暇を楽しみたいという家には不足かもしれないが、それは企業年金、個人年金、などで賄うしか、今のところ手だてはないのかも知れない。
それよりも、問題なのは「国民年金」と「厚生年金&共済年金」の不公平さである。厚生年金は企業が半分掛け金を負担しているということもあるかしれないが、国民年金は冷遇されている。厚生年金が優遇されているのではない。生活出来ない金額しか支給しないという国民年金に問題があるのだろう。それも40年も掛けても、65歳まで一円も支給されないという不公平さ。(繰り上げ支給というのもあるが、これは減額される。)
民主党政権になって「年金の一元化」を公約として挙げている。国民年金は、嘗て「自営業なら定年がないから年を重ねても働ける」ということがあったのかも知れないが、国民年金を掛ける層がいまでは違ってきている。やはり、公平な「年金一元化」が望まれる時代ではある。
それより一番大事なことは、私達「年金を掛け、受け取る側」が、あいまいなネガティブ情報に振り回されないで、自分はいったい「幾つになったら幾ら年金が支払われるのか」社会保険庁なりに出向いて調べることである。出来れば平日勤務の人達のために各市町村の社会保険庁は相談窓口を土日も開けておく位は必要だと思うが。
そして出来れば年金手帳も、銀行の預金通帳のように今幾ら掛けてそれが65歳になったら幾ら貰えるのか(概算だけでも)分かるようにして欲しい。また、せめて、国民年金の掛ける時期を5年~7年最低でも掛ければ、その掛けた年数に応じた金額を支給をして欲しい。厚生年金は掛けた年数分だけは60歳から支給されるのだから。
などということを考えていたら、私の友人の元公務員である女性が「ねえ、民主党が年金一元化って言っているけれど、まさか、共済年金も国民年金に合わせて、下げられたりしないでしょうね」と、不安そうに言っていた。
「さぁ、分かりません。でも貴女の場合は、既に60歳になって今まで掛けてきた分があるから、その分は保証されるんじゃないですか。年金一元化に移行するといっても、ここ1、2年の話ではないでしょうし、それに今までは移行措置がある場合それまで受け取っていた人達って何かしらの優遇措置があったから、急に年金の支給額が10万も20万も下がるなんて事はないだろうと思いますよ」と言っておいたが、やはり不安だったら何らかの方法で自分で調べるのが一番だと思う。
納得できる情報が収集できなかったとしても、やるだけやったら、少しは落ち着くんじゃないかしら。仕組みを複雑にして国民に分かりにくくしているのかも知れないと、勘ぐりたくなったりもするが。
以前、閣僚経験者の塩川正十郎氏がテレビの討論番組で国民年金満額でも年間80万円という金額を聞いたとき、「年間80万、そんな少ないはずないだろう、何か計算の間違いじゃないの」と言ったエピソードが残っているが、代議士さんに取っても「国民年金」なんて所詮他人事、この程度の感覚しかなかったのね。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
