今日は土曜日。月曜日まで世間一般では3連休の初日、福田総理が社保庁の出先を訪れ、訪れていた相談者に「全力を挙げてやっているので今しばらく我慢を」とか言い、取材のマイクに「各界の応援を受け総力を挙げる」の趣旨の発言をしていた。
前に「壮大な無駄遣いが始まる」と書いた。総力を挙げ得ようとするのは、あるべき姿に復元される一本一本の糸である。たとえ話は不謹慎ながら、糸巻きを横に鋏を入れて切断し、風雨にさらされる場所に放置したものを何日か後に拾い集めて、切断したそれぞれの位置で一本につなぎ合わせ、切断前の長さにピッタリ一致させる。こんなこと、出来るわけがない。いま、掛け声を合わせて取り組んでいるのは、これと同じ様なことである。
年金制度の嚆矢は、恩給である。軍人から文官へ、そして共済年金へと変遷し、厚生年金が続いた。国民皆年金を、の声から国民年金制度が創設され、基礎年金部分は各制度に共通する仕組みとして老齢基礎年金として一本化され、更には全ての一元化が目論まれている。
恩給・共済年金については、必要な記録は完備されており、いわゆる消えた年金記録という問題が生ずることは考えられない。厚生年金についても、大企業を中心とした、いわば身元のはっきりしているところに関しては、同様であろう。
問題は、それ以外の厚生年金と、国民年金、特に異動の多い人達に関わる部分である。これは、複雑怪奇とでも言うべき要因が輻輳しており、加えて社保庁(代行時代の市町村)の事務処理(電算移行時の処理ミス、一般的な処理洩れ。横領・着服し、当然のこととして加入記録にカウントされない)と、厚生年金に加入と詐称して給与からは天引きし、社保庁に届出ていないと言う二つのケースに大別され、更には領収書などの物証散逸・記憶違いや失念など、つなぎ合わせることが事実上不可能な闇の中にいる。
(連合の高木会長が、ある番組の中で「単に未納付が51㌫に上っていると言うのはミスリードにつながる。これは国民年金の場合と注付けしないと」と注文を付けていたが、この範疇の人達こそ問題の中心に置かれなければならない。)
どうやって、何に向かって全力を挙げ、何を得ようとするのか。薬害肝炎を片づけた、テロ対策給油もやった。ここで難題に取り組むポーズも、で無駄な出費を重ねようとするのか。年金特別便の復信への対応だけでも気が遠くなる。
ここは、既得権・自分の積立金という意識を捨て去って、老後対策は如何に有るべきかを考えるべきなのではないのか。この騒ぎの中で、議員年金の有り様の議論などもすっかり頬かぶりだ。いかなる経費支弁も、全ては収入が大前提である。いかに高価な物・広大な家屋敷を持とうとも、それは収入には結びつかぬ。支出だけに着目する税制は、盗人を増やすだけだ。もっとも、泥棒にもそれの収入として課税するという天晴れな税務当局を擁する我々だが。
税制の抜本的改革、これが全ての解決に向かう一里塚であり、所得制限を付しての同額年金制度こそが、究極の到達点であろう。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山
前に「壮大な無駄遣いが始まる」と書いた。総力を挙げ得ようとするのは、あるべき姿に復元される一本一本の糸である。たとえ話は不謹慎ながら、糸巻きを横に鋏を入れて切断し、風雨にさらされる場所に放置したものを何日か後に拾い集めて、切断したそれぞれの位置で一本につなぎ合わせ、切断前の長さにピッタリ一致させる。こんなこと、出来るわけがない。いま、掛け声を合わせて取り組んでいるのは、これと同じ様なことである。
年金制度の嚆矢は、恩給である。軍人から文官へ、そして共済年金へと変遷し、厚生年金が続いた。国民皆年金を、の声から国民年金制度が創設され、基礎年金部分は各制度に共通する仕組みとして老齢基礎年金として一本化され、更には全ての一元化が目論まれている。
恩給・共済年金については、必要な記録は完備されており、いわゆる消えた年金記録という問題が生ずることは考えられない。厚生年金についても、大企業を中心とした、いわば身元のはっきりしているところに関しては、同様であろう。
問題は、それ以外の厚生年金と、国民年金、特に異動の多い人達に関わる部分である。これは、複雑怪奇とでも言うべき要因が輻輳しており、加えて社保庁(代行時代の市町村)の事務処理(電算移行時の処理ミス、一般的な処理洩れ。横領・着服し、当然のこととして加入記録にカウントされない)と、厚生年金に加入と詐称して給与からは天引きし、社保庁に届出ていないと言う二つのケースに大別され、更には領収書などの物証散逸・記憶違いや失念など、つなぎ合わせることが事実上不可能な闇の中にいる。
(連合の高木会長が、ある番組の中で「単に未納付が51㌫に上っていると言うのはミスリードにつながる。これは国民年金の場合と注付けしないと」と注文を付けていたが、この範疇の人達こそ問題の中心に置かれなければならない。)
どうやって、何に向かって全力を挙げ、何を得ようとするのか。薬害肝炎を片づけた、テロ対策給油もやった。ここで難題に取り組むポーズも、で無駄な出費を重ねようとするのか。年金特別便の復信への対応だけでも気が遠くなる。
ここは、既得権・自分の積立金という意識を捨て去って、老後対策は如何に有るべきかを考えるべきなのではないのか。この騒ぎの中で、議員年金の有り様の議論などもすっかり頬かぶりだ。いかなる経費支弁も、全ては収入が大前提である。いかに高価な物・広大な家屋敷を持とうとも、それは収入には結びつかぬ。支出だけに着目する税制は、盗人を増やすだけだ。もっとも、泥棒にもそれの収入として課税するという天晴れな税務当局を擁する我々だが。
税制の抜本的改革、これが全ての解決に向かう一里塚であり、所得制限を付しての同額年金制度こそが、究極の到達点であろう。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山
