「『本土の』無関心で『沖縄を』透明にしないで」という東京新聞のタイトルをもとに猫家五六助さんは、『イジメ』の構造(加害行為をする人々とその行為を助長する人々、並びに見て見ぬという傍観を貫く人々、そしてこの構造に異議を申し立て行動する人々)の存在を指摘し、この構造化に異議を申し立てる人々がいること、そして傍観する人々も実態の過酷さを知れば見て見ぬふりを続ける立場から、異議を申し立てる側に変わるのではないか、かかる構造化や固定化を変えていく行動が望まれるということを紹介しているのだと思う。
人新世時代の諸状況の厳しさやオカシさや矛盾を指摘することを目的に、新聞記事等の情報を紹介しているが、タイトルに記したように人新世時代とは、そもそも『人災』の構造化や『人災』の固定化を目指す動きが先ず存在し、その結果として人新世時代特有の諸状況の厳しさやオカシさや矛盾が生まれてくる時代のことではないか、と感じています。
表現を変えれば、人新世時代という現代とは、『構造化された人災』の時代であり、それが『固定化された人災』の時代でもあるのではないか、と思っております。
そして、その構造としては、『人災』を作りだすことを狙う人々(組織)が存在し、しかもその人々(組織)は国家体制や国際間の体制に影響力を持つ、即ち権力を有する層(嫌な言い方だが、彼らはエリート層と呼ばれている)を形成し、世の流れや世の仕組みを形作って行く層が存在しており、そして不平・不満の多寡は様々だが、その流れに唯々諾々と従っていく大勢の人々がいる。また当然ながら、かかる状況に異を唱える人々もいるが残念ながら少数派の層を形成している、そんな構造の社会なのではないか。
猫家さんは、『沖縄』の課題は『沖縄』だけにとどまるのでなく、私たちの頭上に厳然とのしかかる南北に約300km、東西に約130kmという広大な『米軍空域』の存在、即ち在日米軍の特権という『イジメ』の構造の存在と、『人災』でもあるこの構造化・固定化という点に思いを膨らませていけば、決して都民も無関心ではいられないと指摘している。
ここで、氏にならい、最近見かけた『イジメ』と見える『人災』の存在とその『人災の構造化・固定化』と思われる例を先ずは紹介してみたい。
「トランプさんが、就任第一日目から『不法移民者』を早急に拘束することを始める予定」との記事(BBC NEWS,原題:Trump illegal migrant arrests to start on day one)です。
大統領指名の国境担当大臣のTom Homanさんは、移民在住者が多いとされるシカゴを手始めに早ければ火曜から行動を始めるとされる。Homanさんは、この強制送還を目指す行動が「big raid大規模な襲撃」と言われていることに反論し、この行動は「良く計画を練った上」での「標的を絞った強制執行活動」だとの論陣を張っている。
Homanさんは、この行動に対し米自由人権協会等から訴訟が提起されることを想定しており、「訴えられるだろうが、訴えるなら訴えてみろ」とも語っているという。
就任式直前の土曜日発表のニューヨークタイムズ紙とイプソス(Ipsos)の世論調査によると、かかる大規模強制送還を強く支持する、あるいはある程度は支持する人が55%に上るとしている。以上です。
トランプさんの行動は、何らかの理由で移民を選択せざるを得なかった人々の痛みということへの配慮・対応を欠くものだと思っております。
彼は、一期目と同様にパリ協定からの離脱の正式通告も初日に行っている。
気候変動による住環境・生活(生計)環境の劣化という悪条件が日々増大するという脆弱なグローバルサウスの人々が存在しており、それらの人々への配慮と対策が優先される施策が先ずは優先されなければ、移民という問題の全面的な解決には繋がらないのではと思う中での彼の行動は、現状だけ見ると残念なものに見えます。
しかしながら、そうではないという面も期待はして、今後を見守って行きたいと思います。
この話題は、長々と続けたくはないので、気持ちが上向く『イジメ』とは対峙する『チョット良い話』を最後に紹介し、人新世時代特有の『構造化された人災』『固定化された人災』の悪しき方向性のベクトルを少しでも持ち上げることが出来ればと思います。
以前、『有機肥料のボカシ』の記事のなかでRODI Kenya(資源の有効利用を目指した開発運動・ケニアResource Oriented Development Initiative Kenya)のことを紹介した。
その中で、RODI Kenyaの活動対象に、地域の学校とともに刑務所があることを紹介している。これから紹介する情報は、これに関することになる。
RODI Kenyaの活動に、『ボカシ』を含めたアグロエコロジー全般の習得の機会を刑務所内で提供することがあり、12年の刑期を課されたJidraphさんという人がそのチャンスを活用して自立していくまでを紹介する記事に仕上がっている(アグロエコロジー:囚人の更生への効果的なアプローチ、原題Agroecology: an effective approarch to prisoner rehabilitation)。この記事を提供しているのはAFSA(Alliance for Food Sovereignty in Africa)になります。簡単に紹介します。
12年の刑期を課されたJidraphさんは2007年にNeri Maximum Securityという刑務所に収監され、そこで彼はRODIが提供する「持続可能な農業と食料安全保障」プログラムの受講を申し込んだ。
Jidraphさんは、有機農業・コーヒー栽培の管理項目と改善策や有機肥料のコンポスト化等の技術を教わった。
2015年、刑務所内での彼の行動は評価され、Jidraphさんは生れ故郷のMukurweini村に戻れることとなった。しかし彼を待っていたのは、厳しいものであった。妻は既にいなく、村人たちはつらく彼に当たり、そして彼の1/4エーカー程(約300坪)のコーヒー園の木々は荒れ放題になっていた。しかし彼には、刑務所内で教わった知識という武器があり、めげることなく彼はコーヒー園の土壌の再活性化に焦点を絞り、行動を開始した。
先ず、vermicompost有機肥料(虫の力を利用してコンポスト化を行う)やボカシ、そして有機性防虫殺虫剤を自作生産して畑に施していった。
7か月程経つと彼の農場は、周辺の農家が依存し、使い続けている先進国由来の肥料を購入する必要のないほどの耕作地へと変貌し、Jidraphさんの外部からの投入資源の購入費用は20%までに低下した。そして1,2年で周辺の農家とほぼ同等の収穫が出来るまでになり、2018年には周辺農家の2倍ほどの収穫が出来るようになったという。
この実績が認められ、今ではJidraphさんは各地の農家の人々の指導や今後農業に従事を希望する若者たちへの教育を行う活動まで行動を拡大している。
Jidraphさんは語る。
「多くの人は、私が刑務所にいた人間だと言うが、私にとっては、そこは学校だったのであり、私はそこで多くの貴重な経験を積むことができ、そしてそこで私は自分の使命というものを掴むことができた」
RODI Kenyaの活動だけの効果ではないだろうが、ケニアにおける再犯率は40%から6%へと低下した、とする情報を最後に紹介しておきます。
『イジメ』という『人災』、『異常気象』という『人災』、『非正規就労・不安定就労』や『格差』という『人災』等々いろいろあろうが、これらの『人災を構造化・固定化』する動きに同調し、助長するのでなく、しかも見て見ぬふりに陥ることもなく、『人災』を軽減していく方向に役立つ『チョットした良い話』を今後も機会を見て紹介出来たらと思います。
見て見ぬふりだけでは、『人新世時代』の悪しき進行ベクトルの方向も推進力も変わらない。
『チョットした良い話』の積み重ねが、ヒョットしてそのベクトルを変える力があるのでは、との期待をしたいところである。
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
人新世時代の諸状況の厳しさやオカシさや矛盾を指摘することを目的に、新聞記事等の情報を紹介しているが、タイトルに記したように人新世時代とは、そもそも『人災』の構造化や『人災』の固定化を目指す動きが先ず存在し、その結果として人新世時代特有の諸状況の厳しさやオカシさや矛盾が生まれてくる時代のことではないか、と感じています。
表現を変えれば、人新世時代という現代とは、『構造化された人災』の時代であり、それが『固定化された人災』の時代でもあるのではないか、と思っております。
そして、その構造としては、『人災』を作りだすことを狙う人々(組織)が存在し、しかもその人々(組織)は国家体制や国際間の体制に影響力を持つ、即ち権力を有する層(嫌な言い方だが、彼らはエリート層と呼ばれている)を形成し、世の流れや世の仕組みを形作って行く層が存在しており、そして不平・不満の多寡は様々だが、その流れに唯々諾々と従っていく大勢の人々がいる。また当然ながら、かかる状況に異を唱える人々もいるが残念ながら少数派の層を形成している、そんな構造の社会なのではないか。
猫家さんは、『沖縄』の課題は『沖縄』だけにとどまるのでなく、私たちの頭上に厳然とのしかかる南北に約300km、東西に約130kmという広大な『米軍空域』の存在、即ち在日米軍の特権という『イジメ』の構造の存在と、『人災』でもあるこの構造化・固定化という点に思いを膨らませていけば、決して都民も無関心ではいられないと指摘している。
ここで、氏にならい、最近見かけた『イジメ』と見える『人災』の存在とその『人災の構造化・固定化』と思われる例を先ずは紹介してみたい。
「トランプさんが、就任第一日目から『不法移民者』を早急に拘束することを始める予定」との記事(BBC NEWS,原題:Trump illegal migrant arrests to start on day one)です。
大統領指名の国境担当大臣のTom Homanさんは、移民在住者が多いとされるシカゴを手始めに早ければ火曜から行動を始めるとされる。Homanさんは、この強制送還を目指す行動が「big raid大規模な襲撃」と言われていることに反論し、この行動は「良く計画を練った上」での「標的を絞った強制執行活動」だとの論陣を張っている。
Homanさんは、この行動に対し米自由人権協会等から訴訟が提起されることを想定しており、「訴えられるだろうが、訴えるなら訴えてみろ」とも語っているという。
就任式直前の土曜日発表のニューヨークタイムズ紙とイプソス(Ipsos)の世論調査によると、かかる大規模強制送還を強く支持する、あるいはある程度は支持する人が55%に上るとしている。以上です。
トランプさんの行動は、何らかの理由で移民を選択せざるを得なかった人々の痛みということへの配慮・対応を欠くものだと思っております。
彼は、一期目と同様にパリ協定からの離脱の正式通告も初日に行っている。
気候変動による住環境・生活(生計)環境の劣化という悪条件が日々増大するという脆弱なグローバルサウスの人々が存在しており、それらの人々への配慮と対策が優先される施策が先ずは優先されなければ、移民という問題の全面的な解決には繋がらないのではと思う中での彼の行動は、現状だけ見ると残念なものに見えます。
しかしながら、そうではないという面も期待はして、今後を見守って行きたいと思います。
この話題は、長々と続けたくはないので、気持ちが上向く『イジメ』とは対峙する『チョット良い話』を最後に紹介し、人新世時代特有の『構造化された人災』『固定化された人災』の悪しき方向性のベクトルを少しでも持ち上げることが出来ればと思います。
以前、『有機肥料のボカシ』の記事のなかでRODI Kenya(資源の有効利用を目指した開発運動・ケニアResource Oriented Development Initiative Kenya)のことを紹介した。
その中で、RODI Kenyaの活動対象に、地域の学校とともに刑務所があることを紹介している。これから紹介する情報は、これに関することになる。
RODI Kenyaの活動に、『ボカシ』を含めたアグロエコロジー全般の習得の機会を刑務所内で提供することがあり、12年の刑期を課されたJidraphさんという人がそのチャンスを活用して自立していくまでを紹介する記事に仕上がっている(アグロエコロジー:囚人の更生への効果的なアプローチ、原題Agroecology: an effective approarch to prisoner rehabilitation)。この記事を提供しているのはAFSA(Alliance for Food Sovereignty in Africa)になります。簡単に紹介します。
12年の刑期を課されたJidraphさんは2007年にNeri Maximum Securityという刑務所に収監され、そこで彼はRODIが提供する「持続可能な農業と食料安全保障」プログラムの受講を申し込んだ。
Jidraphさんは、有機農業・コーヒー栽培の管理項目と改善策や有機肥料のコンポスト化等の技術を教わった。
2015年、刑務所内での彼の行動は評価され、Jidraphさんは生れ故郷のMukurweini村に戻れることとなった。しかし彼を待っていたのは、厳しいものであった。妻は既にいなく、村人たちはつらく彼に当たり、そして彼の1/4エーカー程(約300坪)のコーヒー園の木々は荒れ放題になっていた。しかし彼には、刑務所内で教わった知識という武器があり、めげることなく彼はコーヒー園の土壌の再活性化に焦点を絞り、行動を開始した。
先ず、vermicompost有機肥料(虫の力を利用してコンポスト化を行う)やボカシ、そして有機性防虫殺虫剤を自作生産して畑に施していった。
7か月程経つと彼の農場は、周辺の農家が依存し、使い続けている先進国由来の肥料を購入する必要のないほどの耕作地へと変貌し、Jidraphさんの外部からの投入資源の購入費用は20%までに低下した。そして1,2年で周辺の農家とほぼ同等の収穫が出来るまでになり、2018年には周辺農家の2倍ほどの収穫が出来るようになったという。
この実績が認められ、今ではJidraphさんは各地の農家の人々の指導や今後農業に従事を希望する若者たちへの教育を行う活動まで行動を拡大している。
Jidraphさんは語る。
「多くの人は、私が刑務所にいた人間だと言うが、私にとっては、そこは学校だったのであり、私はそこで多くの貴重な経験を積むことができ、そしてそこで私は自分の使命というものを掴むことができた」
RODI Kenyaの活動だけの効果ではないだろうが、ケニアにおける再犯率は40%から6%へと低下した、とする情報を最後に紹介しておきます。
『イジメ』という『人災』、『異常気象』という『人災』、『非正規就労・不安定就労』や『格差』という『人災』等々いろいろあろうが、これらの『人災を構造化・固定化』する動きに同調し、助長するのでなく、しかも見て見ぬふりに陥ることもなく、『人災』を軽減していく方向に役立つ『チョットした良い話』を今後も機会を見て紹介出来たらと思います。
見て見ぬふりだけでは、『人新世時代』の悪しき進行ベクトルの方向も推進力も変わらない。
『チョットした良い話』の積み重ねが、ヒョットしてそのベクトルを変える力があるのでは、との期待をしたいところである。
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
