2019年12月11日の朝日新聞朝刊「生活欄・医療」欄に表題の記事が掲載されたので、注意深く読ませて戴きました。なぜなら私は約3年半前に「食道胃接合部がん」と診断され、現在も闘病中の当事者だからです。
病歴は、約8年前に胸焼けを感じ人間ドックを受診したことに遡ります。受診の結果、逆流性食道炎と診断され、直ぐに近くの内科医に掛り、この記事でも専門の先生が指摘されているとおり、「高齢になると食道下部括約筋が緩み胃酸の逆流が起きやすく、食道炎を併発し易くなる」との説明を聞きました。
従って、記事の中の「背景」については良く理解できましたが、一方で、記事のまとめは、『過去30年間でピロリ菌への感染率は半分以下に減った。ピロリ菌感染の減少によって、逆に食道胃接合部がんが増えている可能性もあるという。ピロリ菌に感染すると胃の粘膜が萎縮し、胃酸が出にくくなる。すると逆流性食道炎になりにくいからだ。ただし、(記事に登場の)先生は、「胃がんの方が食道胃接合部がんより人数が多い。胃がんのリスクを考えれば、ピロリ菌に感染している人は除菌するべきだ」と言う』で終わっており、胃酸の抑制療法が曖昧で釈然としません。
ピロリ菌と食道胃接合部がんの因果関係は参考にはなりましたが、読者としては胃酸の分泌を抑制し、食道への逆流を抑え、なおかつ食道炎や食道胃接合部がんを防止する、より良い胃酸抑制療法は何かを知りたいところです。
一方、ネットで逆流性食道炎防止療法を検索すると、必ず薬による胃酸の分泌抑制療法が掲載され、多くの場合その方法で症状が改善すると大手製薬会社も紹介しています。(下記URL参照)
http://www.takeda.co.jp/patients/muneyake/treatment1/
因みに私が掛かった医院でも、胃酸の分泌抑制薬(H2ブロッカー)の処方でした。これが内科的療法では最も標準的な処方のようであり、約40年前に外国の製薬会社が開発した先発薬品(薬品名:ザンタック※)が特許切れした2000年頃から、日本の後発製薬メーカも徐々に造り始め、直近では約10社がジェネリック薬品(薬品名:ラニチジン※)として製造販売していたことでも、標準的治療法であったことが分かります。
(※先発薬品と後発薬品は薬名は違いますが、当然のことながら両方の薬品仕様書を見ると分子式と化学記号は全く同じです。)
ところが、実はその胃酸の分泌抑制薬(ラニチジン)に発がん性の疑いがあることが、最近分かってきたのです。(もしかすると、このことが胃酸の抑制剤があるにも拘わらず、それを紹介できないオフレコのようなもどかしい記事になったのでは、と思うのは下衆の勘ぐりでしょうか。)
発がん性物質のニュースを知ったのは、2019年10月4日の朝日新聞大阪本社夕刊のベタ記事によってでした。
「胃潰瘍や十二指腸の治療薬に発がん性物質?(業者が自主回収)」との表題で、「ラニチジン」と出ていたので、聞き覚えがある薬名だと思い、過去のお薬手帳を調べたところ、なんと黒いタール便が出てすぐに総合病院で胃カメラを呑み、生検の結果「食道胃接合部癌」と診断されるまでの約4年半、かかり付けの医院で処方され呑み続けていた薬だったのです。(この記事では逆流性食道炎とは書かれていませんが、製薬会社の効能・効果の対象病名には間違いなく記載されています。)
その後さらにネットで「ラニチジン」を検索したところ、この薬はH2ブロッカーの一薬品で、厚労省の指導の下、「日本の後発製薬会社10社が自主回収を開始」との情報や、製薬会社の「自主回収」のプレスリリースもありました。
一方、今現在まで製薬会社のプレスリリースでは、「重篤な症状や癌発症の報告は無い」との見解のようです。
しかし、現実にはラニチジンを呑んでいる最中に黒いタール便がでて、精密検査の結果、「食道胃接合部癌」と診断され3年半闘病している癌患者が居るということを、広く知らせておきたいと思います。
さらにラニチジンを服用中に癌と診断された者として言わしてもらえば、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍治療薬としてラニチジンを服用していた患者で、過去・現在で癌になった人は他にいないのか追跡調査が必要ではないかということです。
何故なら、この薬の発がん性物質が明らかになったのは今年の9月であり、さらにこの薬に含有されている発がん物質(n-ニトロソジメチルアミン)は、以前から世界の化学・医薬業界で発がん物質と認定されている物質とのことなので、追跡調査をせずして、ラニチジンを製造販売している製薬会社が「現段階で重篤な症状や癌を発症した事例は無い」と言うのは、時期尚早ではないかと思われるからです。
最後にこの薬品についての関連情報は、「ラニチジン自主回収」でネット検索すれば、先・後発製薬会社の自主回収状況や厚労省、関係地方官庁、公共及び私立総合病院等の自主回収プレスリリース等が出てきますので割愛し、ここでは医薬業界専門ネット、ミクスONLINEのネット情報のみを下記URLで紹介します。
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=68202
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=68278
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔
病歴は、約8年前に胸焼けを感じ人間ドックを受診したことに遡ります。受診の結果、逆流性食道炎と診断され、直ぐに近くの内科医に掛り、この記事でも専門の先生が指摘されているとおり、「高齢になると食道下部括約筋が緩み胃酸の逆流が起きやすく、食道炎を併発し易くなる」との説明を聞きました。
従って、記事の中の「背景」については良く理解できましたが、一方で、記事のまとめは、『過去30年間でピロリ菌への感染率は半分以下に減った。ピロリ菌感染の減少によって、逆に食道胃接合部がんが増えている可能性もあるという。ピロリ菌に感染すると胃の粘膜が萎縮し、胃酸が出にくくなる。すると逆流性食道炎になりにくいからだ。ただし、(記事に登場の)先生は、「胃がんの方が食道胃接合部がんより人数が多い。胃がんのリスクを考えれば、ピロリ菌に感染している人は除菌するべきだ」と言う』で終わっており、胃酸の抑制療法が曖昧で釈然としません。
ピロリ菌と食道胃接合部がんの因果関係は参考にはなりましたが、読者としては胃酸の分泌を抑制し、食道への逆流を抑え、なおかつ食道炎や食道胃接合部がんを防止する、より良い胃酸抑制療法は何かを知りたいところです。
一方、ネットで逆流性食道炎防止療法を検索すると、必ず薬による胃酸の分泌抑制療法が掲載され、多くの場合その方法で症状が改善すると大手製薬会社も紹介しています。(下記URL参照)
http://www.takeda.co.jp/patients/muneyake/treatment1/
因みに私が掛かった医院でも、胃酸の分泌抑制薬(H2ブロッカー)の処方でした。これが内科的療法では最も標準的な処方のようであり、約40年前に外国の製薬会社が開発した先発薬品(薬品名:ザンタック※)が特許切れした2000年頃から、日本の後発製薬メーカも徐々に造り始め、直近では約10社がジェネリック薬品(薬品名:ラニチジン※)として製造販売していたことでも、標準的治療法であったことが分かります。
(※先発薬品と後発薬品は薬名は違いますが、当然のことながら両方の薬品仕様書を見ると分子式と化学記号は全く同じです。)
ところが、実はその胃酸の分泌抑制薬(ラニチジン)に発がん性の疑いがあることが、最近分かってきたのです。(もしかすると、このことが胃酸の抑制剤があるにも拘わらず、それを紹介できないオフレコのようなもどかしい記事になったのでは、と思うのは下衆の勘ぐりでしょうか。)
発がん性物質のニュースを知ったのは、2019年10月4日の朝日新聞大阪本社夕刊のベタ記事によってでした。
「胃潰瘍や十二指腸の治療薬に発がん性物質?(業者が自主回収)」との表題で、「ラニチジン」と出ていたので、聞き覚えがある薬名だと思い、過去のお薬手帳を調べたところ、なんと黒いタール便が出てすぐに総合病院で胃カメラを呑み、生検の結果「食道胃接合部癌」と診断されるまでの約4年半、かかり付けの医院で処方され呑み続けていた薬だったのです。(この記事では逆流性食道炎とは書かれていませんが、製薬会社の効能・効果の対象病名には間違いなく記載されています。)
その後さらにネットで「ラニチジン」を検索したところ、この薬はH2ブロッカーの一薬品で、厚労省の指導の下、「日本の後発製薬会社10社が自主回収を開始」との情報や、製薬会社の「自主回収」のプレスリリースもありました。
一方、今現在まで製薬会社のプレスリリースでは、「重篤な症状や癌発症の報告は無い」との見解のようです。
しかし、現実にはラニチジンを呑んでいる最中に黒いタール便がでて、精密検査の結果、「食道胃接合部癌」と診断され3年半闘病している癌患者が居るということを、広く知らせておきたいと思います。
さらにラニチジンを服用中に癌と診断された者として言わしてもらえば、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍治療薬としてラニチジンを服用していた患者で、過去・現在で癌になった人は他にいないのか追跡調査が必要ではないかということです。
何故なら、この薬の発がん性物質が明らかになったのは今年の9月であり、さらにこの薬に含有されている発がん物質(n-ニトロソジメチルアミン)は、以前から世界の化学・医薬業界で発がん物質と認定されている物質とのことなので、追跡調査をせずして、ラニチジンを製造販売している製薬会社が「現段階で重篤な症状や癌を発症した事例は無い」と言うのは、時期尚早ではないかと思われるからです。
最後にこの薬品についての関連情報は、「ラニチジン自主回収」でネット検索すれば、先・後発製薬会社の自主回収状況や厚労省、関係地方官庁、公共及び私立総合病院等の自主回収プレスリリース等が出てきますので割愛し、ここでは医薬業界専門ネット、ミクスONLINEのネット情報のみを下記URLで紹介します。
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=68202
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=68278
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
厚顔
