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アフリカのワクチン接種状況(4月17日付けDeutscheWelle記事)

2021-04-20 09:49:52 | 医療・介護
アフリカのワクチン接種状況の今を紹介します。

(要約)数週間に亘り始まっているものの進捗はスローである。供給性の問題、ワクチンスケジュール上の混乱、そして副作用の恐れが遅れの原因とされる。

WHO主導のCOVAXを通じてアフリカで接種始まっているもののパンデミックを抑えるまでには至っていない。WHOの発表では接種率は平均で2%以下である。

特に金満国によるワクチン・ナショナリズムの存在の問題がスピード加速化の障害となっている。サプライチェイン・保管保存・接種の優先順位付け等のマネージメント力の不備も原因とされている。副作用の報道情報やインターネット上に氾濫する偽情報の存在も原因である。

どの国がリードしているか?

アフリカ全体としては、世界基準から見て遅れているのは事実であるが、大陸内部を見ると3つのグループがあるといえる。

約2%に接種率が到達しているSenegal,RwandaとGhanaのグループ。つぎはいまだ1%以下だが、立ち上がり始めたKenya。そして最後のグループはUgandaやNigeriaのようないまだに0.5%以下の諸国である。どの国も各国固有の問題に、もがきながらワクチン接種活動をしているのが現状である。

大きな問題は、やはりワクチンの入手性に資金力がモノを言うことである。Kenya は百万回ぶんのワクチンを国内に万遍なく配給するも、首都ナイロビでは市民に充分にはワクチンが行き渡らない。Kenyaは当初150万回分のワクチンが入る予定で医療従事者や教育関係者等に優先的に接種を考えていたが完了出来ていない。

ワクチンの輸送問題もある。Kenyaは都市部と地方部の間でインフラに大きな差があることで、地方部では全てのワクチンが有効に利用されない半面、首都ナイロビでは供給不足が発生している。Kenyaと異なりRwandaは問題を予期して、まずは都市部でのワクチン接種を優先している。Rwnadaの首都Kigaliでは囚人・Uber運転手・タクシー運転手・マーケット従業員やお年寄りを中心に接種し、Kigali以外では医療関係者を中心に接種と、短期間で全入手ワクチンを投与し終えた。

アストラゼネカワクチンがアフリカでは主流。

理由は簡単で、安さと極低温設備を必要としないことによる。稀に起こる脳血栓症や血管閉塞症の報告はアフリカで論争になっている。しかし大半の国はWHOの勧告でアストラゼネカワクチン接種を継続している。その中の一つのNigeriaでは、人口は2億を超すが今のところワクチンが原因の死者や血栓症患者は出ていない。

一方南アフリカは自国で発生の変異株に有効でないとの理由でアストラゼネカワクチン使用を停止し、J&Jワクチンを代わりに使用を考えていたが、米国内でのJ&J品の血栓症問題のあおりで現在接種を中断している。

ワクチンはいろいろのチャンネルを通してアフリカ諸国に入ってきている。

一つは全世界が同じ条件でワクチン接種の機会が持てる事を念頭に置くCOVAXを通じてのチャンネル。しかしアフリカユニオンや各アフリカ諸国はCOVAX以外の入手チャンネルからもっと多くのワクチンを入手する努力も行っている。一方供給側のヨーロッパ諸国・中国・ロシア・インドはそれぞれ特定の国に供給している場面がある。

このような多チャンネルからのワクチン供給はアフリカのワクチン計画を進める上で具合の悪いことではないと、専門家は言っている。例えばSenegalでは中国産が最初に入って次いでインド産のアストラゼネカ品が入っている。RwandaではまずBioNTech-Pfizerが入り次いでアストラゼネカが続く。KenyaではCOVAXチャンネルとインドからの供与品が入っているといった具合である。

ワクチン・ナショナリズムがワクチン懐疑心を産む。

専門家は、金満国は選り好みが出来る立場を悪用してワクチンを選別して、結果としてアフリカ諸国は選択権のなさからアストラゼネカワクチン、J&Jワクチンを選ばざるを得なくなる今後の事態を予測している。このことはアフリカ諸国にワクチンに対する懐疑心を拡大させるという懸念を生じる。

ゆえにWHOは世界各国にワクチン・ナショナリズムに陥ることないよう警告するとともにCOVAXへの更なる投資を要請している。専門家は現状COVAX 経由のワクチンのアフリカへの供給は予定の20%の遅れが生じているという。

金満国の我がままが優先され、世界の他地域にそのしわ寄せが生じる事態は、長期的に展望した場合には全世界にとって好ましくない結果を産むという事実に気づかってほしい、と専門家は言っている。

ワクチンのある部分は不当に廃棄されている。

アフリカ諸国は膨大な量のワクチンを必要としている。しかし残念ながら、ある部分はインフラ不足のために廃棄されている。Malawiでは今週アフリカユニオンから提供の102,000回分のうちの16,400回分が期限切れで廃棄された。

保管と冷蔵輸送の問題は今後も続き、同様の事態はここ2カ月の期間のうちに更に20万回分のワクチンが不当に廃棄されることが見込まれている、と専門家は言っている。

世界を覆うコロナ禍の一断面を知る良いニュースと思い紹介しました。

アフリカは、世界の他の地域と同等に公正公平にワクチンを手にする権利を持っております。しかし金満国の自分だけはという狭量な姿勢も見られます。へんな入手競争が起こっているようです。その上アフリカにはまだまだ輸送・保管等のインフラの不足、全体をマネージする力も劣っているようです。WHOのCOVAXシステムでのワクチン供給も希望の8割ほどの実施で不十分な状況が続いているようです。

世界の団結の象徴としてオリンピックを、とのたまうのみの菅氏、その菅氏はホワイトハウス中庭でReuter記者から“医療専門家から、日本はまだオリンピックの準備不足ではないか?”と指摘されていますよ、と問いかけられたのに対し、応えられずに日本の記者クラブともども日本は相変わらず精神論にのみ頼る国であることを世界に露呈してしまいました。

求められるのは単なる精神論でなく、今の世界の状況の中における東京オリンピックの現在位置を、日本国内の視点だけでなく世界の視点も入れた形で如何に安心安全であるかを合理的・論理的に説明して納得してもらい、その上でいつもの常套句の“ご指摘のご懸念にはあたりません”で締めくくるべきでした。出来るものならそうであって欲しかった。が、土台無理なことです。

今の状況の下、そんな安心安全を披歴出来る人は世界広し、と言えども一人もいないのではと思います。前に進むとしたらそのくらい難しい問題を菅氏始めオリンピックの音頭を取っている人は抱えていると自覚して欲しいものです。権益にしがみつく組織にのみ目が向いている醜態を、いつまで世界にさらし続けるのですか?

世界では各地で今も懸命に消火活動が続いています。こんな中優先順位からしたら誰が考えても今一番がオリンピックではないでしょう。冷静に世界各国の現状を見ましょう。

使えもしないアプリに数10億円、使いもしない警備対策用宿泊施設改善に同じく数10億円、場所によっては公園内リレーだったような行事に100億円以上と湯水のごとく無駄使いする国。そのうち罰が当たる気がします。

COVAXに貢献するような又はアフリカのインフラ整備に協力するような生きたカネに使ったら世界中の大向こうから、イイねー・イイねー、の掛け声がかかると思うんですが。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan

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