コロナ禍が続く世界、地域によっては再度の大波にもまれており、反対に収まりつつある国もあるというまだら模様の世界が目の前に現れております。
ワクチンも明らかに危機回避策として有効であることが判明してきている半面、割合からすると非常に少ないもののごく一部の人に重篤な危険もはらむ代物であることも言われています。
やはり当面の救世主の代表がワクチンとして、通常最低数年かかる開発そして実施までの期間を今回は一年もかけずに実行してきた世界の開発動向を振り返る事も意義あると思い、たどってきた道筋を見ていきたいと思います。
先ずは現在のトップランナーのOxford-アストラゼネカのケースを紹介します。併せて同連合体を初期から側面支援してきているインドのSerum Institute of Indiaの動きも紹介してみます。
Oxford大学開発ワクチン候補ChAdOX1nCoV-19のアストラゼネカ共同開発化
1. ワクチン候補の1つであるChAdOx1nCoV-19はOxford大学のJenner研究所が開発した弱毒化アデノウイルスベクター(ChAdOx1)に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がヒト細胞に感染する際に足がかりとなるスパイク(S)蛋白質遺伝子を導入した組み換えウイルスワクチン。接種後に体内でスパイク蛋白質に対する中和抗体が誘導されると期待されている。2020年1月10日から設計開始され約3.5カ月で臨床試験開始に至るとされた。
2. 2020年4月21日に今週中に臨床試験開始すると表明。米国、中国で始まっている臨床試験についでのスタートとなる。
3. アストラゼネカ(英製薬大手)は2020年5月Oxford大学と共同開発するワクチンについて、10億回分の生産体制を整えたと発表。初回4億回分の受注契約を結び9月にも供給開始の予定と発表。
4. アストラゼネカは同日、米生物医学先端研究開発局(BARDA)から10億ドルの支援を受ける。既受注分の4億回のうち3億回分は米国向けになるという。英国政府も6550万英ポンドを支援し、英国向けに1億回分を確保している。
5.アストラゼネカは2020年6月13日、4億個のワクチンをインクルーシブ・ワクチン連合(IVA、独・仏・伊・蘭)へ供給する契約を締結する。2020年内の供給予定。
6.アストラは同じ6月にSII(インドワクチンメーカー)との間で、発展途上国向けに10億個を生産し、低・中所得国に供給する。年内にそのうちの4億個を供給することを合意したと発表。
7.アストラは欧州を含む世界のパートナー企業にサプライチェーン協力を依頼し、生産体制の拡充を急ぐ。
8.アストラは同じく6月4日、ワクチン接種支援団体の感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とGAVIアライアンスとの間でも7.5億ドル(約800億円)の寄付を受け、3億個の提供で合意した。
Serum Institute of India(SII)の動向
インドは2020年に世界で接種されたワクチンの60%を供給し、世界のワクチン工場の立場を築いている国である。主導するのはSIIで未上場のインドの民間企業である。アダール・プ―ナワラCEOは年間生産可能量が2021年には25億回分に達するとしている。
1.SIIはOxfordとアストラゼネカの開発初期段階から支援貢献活動を始めていた。
2020年4月、SIIは当時新型コロナウイルスワクチン候補のChAdOx1nCoV-19の開発に支援と投資(4000万回分の生産に協力、1回分3ドルとして1億2000万ドルの投資に相当)を決定。当時ChAdOx1nCoV-19は3相臨床試験まで完了し、2020年12月30日に英で、翌日にインドで、更に2021年2月15日にWHOの緊急使用許可をうけることになるワクチン。この初期投資により、SIIはOxfordアストラ製ワクチンのインド・開発途上国委託生産権を獲得した。
2.SIIは2020年6月アストラゼネカとOxford大学との共同開発のワクチンの委託生産をすでに行っていることに加えて、同じ6月から米製薬のノヴァバックスが開発中のワクチン生産も同時に担う事になる予定とも発表。
3.SII製アストラゼネカワクチンは2021年1月16日にインドで接種開始後1月下旬には隣国のネパール・スリランカ・ミャンマー・モルディブ・セーシェル等にも2000万回分が供給されている。
4.国際ワクチン合同購入プログラムのCOVAXファシリティは2021年2月3日にオンライン記者発表。SII製アストラワクチンの199万2000回分以上を北朝鮮へ暫定供給予定と発表。
先進国の資金援助を受けたCOVAX供給プログラムの供給対象国92カ国の一つに北朝鮮もある。
COVAXの暫定供給計画では2021年上半期に3億3600万回分を予定。その大半がアストラゼネカ製。
COVAXはWHOと貧困国のワクチン予防接種促進を目指すGAVIアライアンス、そしてワクチン開発に資金を支援する感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)が主導するコロナワクチン合同購入・配分プロジェクトのこと。COVAXは年内に20億回分のワクチンを中進国と発展途上国に供給する事を目的にしている。
5.G7は2021年2月16日のオンライン会議でCOVAXに75億ドル(約7875億円)を支援で合意。このうち40億ドルは米が負担と決まる。
アストラゼネカ、SIIそして各国各組織に関する当面の情報をかいつまんで纏めて見ました。他の候補等に関する情報は次回以降とします。
影が薄い日本、規制・障害を乗り越えて進む世界、周回遅れといえども持てる国力相当分位はこれからでも遅くない、世界と連帯する市民意識は持ち続けていたいものです。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
ワクチンも明らかに危機回避策として有効であることが判明してきている半面、割合からすると非常に少ないもののごく一部の人に重篤な危険もはらむ代物であることも言われています。
やはり当面の救世主の代表がワクチンとして、通常最低数年かかる開発そして実施までの期間を今回は一年もかけずに実行してきた世界の開発動向を振り返る事も意義あると思い、たどってきた道筋を見ていきたいと思います。
先ずは現在のトップランナーのOxford-アストラゼネカのケースを紹介します。併せて同連合体を初期から側面支援してきているインドのSerum Institute of Indiaの動きも紹介してみます。
Oxford大学開発ワクチン候補ChAdOX1nCoV-19のアストラゼネカ共同開発化
1. ワクチン候補の1つであるChAdOx1nCoV-19はOxford大学のJenner研究所が開発した弱毒化アデノウイルスベクター(ChAdOx1)に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がヒト細胞に感染する際に足がかりとなるスパイク(S)蛋白質遺伝子を導入した組み換えウイルスワクチン。接種後に体内でスパイク蛋白質に対する中和抗体が誘導されると期待されている。2020年1月10日から設計開始され約3.5カ月で臨床試験開始に至るとされた。
2. 2020年4月21日に今週中に臨床試験開始すると表明。米国、中国で始まっている臨床試験についでのスタートとなる。
3. アストラゼネカ(英製薬大手)は2020年5月Oxford大学と共同開発するワクチンについて、10億回分の生産体制を整えたと発表。初回4億回分の受注契約を結び9月にも供給開始の予定と発表。
4. アストラゼネカは同日、米生物医学先端研究開発局(BARDA)から10億ドルの支援を受ける。既受注分の4億回のうち3億回分は米国向けになるという。英国政府も6550万英ポンドを支援し、英国向けに1億回分を確保している。
5.アストラゼネカは2020年6月13日、4億個のワクチンをインクルーシブ・ワクチン連合(IVA、独・仏・伊・蘭)へ供給する契約を締結する。2020年内の供給予定。
6.アストラは同じ6月にSII(インドワクチンメーカー)との間で、発展途上国向けに10億個を生産し、低・中所得国に供給する。年内にそのうちの4億個を供給することを合意したと発表。
7.アストラは欧州を含む世界のパートナー企業にサプライチェーン協力を依頼し、生産体制の拡充を急ぐ。
8.アストラは同じく6月4日、ワクチン接種支援団体の感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とGAVIアライアンスとの間でも7.5億ドル(約800億円)の寄付を受け、3億個の提供で合意した。
Serum Institute of India(SII)の動向
インドは2020年に世界で接種されたワクチンの60%を供給し、世界のワクチン工場の立場を築いている国である。主導するのはSIIで未上場のインドの民間企業である。アダール・プ―ナワラCEOは年間生産可能量が2021年には25億回分に達するとしている。
1.SIIはOxfordとアストラゼネカの開発初期段階から支援貢献活動を始めていた。
2020年4月、SIIは当時新型コロナウイルスワクチン候補のChAdOx1nCoV-19の開発に支援と投資(4000万回分の生産に協力、1回分3ドルとして1億2000万ドルの投資に相当)を決定。当時ChAdOx1nCoV-19は3相臨床試験まで完了し、2020年12月30日に英で、翌日にインドで、更に2021年2月15日にWHOの緊急使用許可をうけることになるワクチン。この初期投資により、SIIはOxfordアストラ製ワクチンのインド・開発途上国委託生産権を獲得した。
2.SIIは2020年6月アストラゼネカとOxford大学との共同開発のワクチンの委託生産をすでに行っていることに加えて、同じ6月から米製薬のノヴァバックスが開発中のワクチン生産も同時に担う事になる予定とも発表。
3.SII製アストラゼネカワクチンは2021年1月16日にインドで接種開始後1月下旬には隣国のネパール・スリランカ・ミャンマー・モルディブ・セーシェル等にも2000万回分が供給されている。
4.国際ワクチン合同購入プログラムのCOVAXファシリティは2021年2月3日にオンライン記者発表。SII製アストラワクチンの199万2000回分以上を北朝鮮へ暫定供給予定と発表。
先進国の資金援助を受けたCOVAX供給プログラムの供給対象国92カ国の一つに北朝鮮もある。
COVAXの暫定供給計画では2021年上半期に3億3600万回分を予定。その大半がアストラゼネカ製。
COVAXはWHOと貧困国のワクチン予防接種促進を目指すGAVIアライアンス、そしてワクチン開発に資金を支援する感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)が主導するコロナワクチン合同購入・配分プロジェクトのこと。COVAXは年内に20億回分のワクチンを中進国と発展途上国に供給する事を目的にしている。
5.G7は2021年2月16日のオンライン会議でCOVAXに75億ドル(約7875億円)を支援で合意。このうち40億ドルは米が負担と決まる。
アストラゼネカ、SIIそして各国各組織に関する当面の情報をかいつまんで纏めて見ました。他の候補等に関する情報は次回以降とします。
影が薄い日本、規制・障害を乗り越えて進む世界、周回遅れといえども持てる国力相当分位はこれからでも遅くない、世界と連帯する市民意識は持ち続けていたいものです。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
