岡田先生の10月3日の記事です。色付けは私がしました。
↑先生のHPへリンクしています。プチっとすると飛びます。
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Q コロナはすでに終息している?
A 誰もがオミクロンに感染するリスクがある今、もし自分がかかってしまったら、仕事はいつまで休めばいいのか、どれくらい隔離が必要なのか、改めて知識を整理しておく必要があります。
ただし科学的データをもって、この点を証明するのは簡単でありません。大勢の感染者から、サンプルを日ごとに採取し、ウイルスを分離して、実際に感染を起こすかどうかを実証する必要があるからです。本記事の最後に、日本発の研究も含めて関係する文献を列挙しましたが、そのレベルに達したデータはまだありません。
それでもなお、米国疾病予防管理センター(CDC)や英国国民保健サービス(NHS)を初め、いくつかの国の政府機関が、隔離期間に関する明確なメッセージを発表しています。どれも、ほぼ同じ内容ですので、概要を以下にまとめておきます。症状が出た日をゼロ日目として数えてください。無症状の場合は、検査で陽性となった日がゼロ日目です。
1)自分が検査で陽性になり、発熱などの症状がある場合;
6日目に隔離解除。ただし24時間以内に発熱がないこと。10日目までマスク着用
2)自分が検査で陽性になり、症状がない場合;
6日目に隔離解除。10日目までマスク着用
3)同居の家族が陽性になり、症状がある場合;
家族の症状が出てから5日目まで自分が無症状であれば、6日目に隔離解除
4)同居の家族が陽性になり、症状がない場合;
陽性が確認されてから3日間、家族も自分も無症状であれば、4日目に隔離解除
5)症状が出た人と濃厚接触していた場合;
接触後、3日間、自分が無症状であれば4日目に隔離解除
キーワードは「5日間」です。その根拠は、オミクロン株が流行の中心となった以降の経験から、「症状が出る前の1~2日間、および症状が出たあとの2~3日間に感染のほとんどが起こっている」ことがわかったからです。
注目すべきは、どの国の指針も、ワクチン接種を受けているかどうかは無関係だとしている点です。また隔離解除の条件として、検査で陰性になることを求めていません。なお3)~5)は、種々のデータに基づいて私がつけ加えたものです。
この指針は、実はインフルエンザにかかった人に対して指導されてきた、出勤や登校の禁止期間より短くなっています。
このような状況で感ずるのは、「新型コロナ」と「オミクロン」は、まったく別のウイルスだということです。新型コロナの流行はすでに終息しており、今はオミクロンという名の新らしいウイルス感染症が流行っていると考えると、諸々納得がいきます。オミクロンの致死率は、インフルエンザや新型コロナのそれより遥かに低いのです。
「コロナの特効薬とされてきた薬はどれも効果が証明できていない」、「ワクチンで感染を予防できないのは明らか」、「介護施設などで毎週行われてきたPCR検査は集団感染の予防にまったく役立たなかった」、「新規感染者数がテレビで毎日放送されるのはストレスでしかない」、・・・。
そろそろコロナの終息宣言をして、こんな大騒ぎは終わりにしてよいのではないでしょうか。
追伸: 今やコロナに関しては一億総評論家。「3.5パーセントの人々が、非暴力的な方法で本気で立ち上がると、社会が大きく変わる」。これは、斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書)で紹介されていた米国の政治学者の言葉です。
【参考文献】
1) Massetti GM, et al., Summary of guidance for minimizing the impact of COVID-19 on individual persons, communities, and health care systems - United States, August 2022. CDC, Aug 11, 2022.
2) Torjesen I, COVID-19: peak of viral shedding is later with omicron variant, Japanese data suggest. BMJ, Jan 13, 2022.
3) Takahashi K, et al., Duration of infectious virus shedding by SARS-CoV-2 omicron varinat-infected vaccinees. Emerging Infectious Diseases, May 2022.
4) Jefferson T, et al., Viral culture for COVID-19 infectious potential assessment - a systematic review. Clin Infect Dis, Dec 3, 2020.
5) Finnis A, When is Covid contagious? how long you are infectious and the incubation period of coronavirus explained. i, Jul 18, 2022.
6) LaFraniere, et al., Walensky, citing botched pandemic response, calls for C.D.C. reorganization. New York Times, Aug 17, 2022.
7) Zimmer C, Why omicron might stick around. New York Times, Sep 22, 2022.
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