師弟間の温度差

　その方もやはり公共機関の講師をしているのですが、生徒さん達のノリの悪さに本人も気力を失いつつあるようです。

　授業の中では実習のクラフトは作るし、それなりに熱心に抗議も聴いてくれるのですが、家に帰ってからアロマに触れるという行為に至らないのだそうです。

　公共機関なので、教材費などを安くするよう工夫をされているみたいで、一度実習で使ったスプレー容器をまた再利用するので、次の時に持って来てくださいとお願いしたんだそうです。

　「そうしたら、全然使ってなくて、その日の実習困っちゃって・・・。ビニール袋を二重にして移し変えてもらったの」

　「確かにルームスプレーって減らないよね」

　「ルームスプレーじゃなくてローションなの」

　私のこれまでの生徒さん達も、なかなか自分から積極的に家でも実践してくれない人はいたのですが、とりあえず教室で作ったものは一応使うし、ローションやクリームなどは結構テンション上がって好んで使ってくれたんですね。

　上の例は割りと極端ですが、確かに積極的な人はどんどん実践してくれますが、何度言ってもしない人はしない。積極的な人が多いクラスだととってもやりやすいけれど、消極的な人が多いクラスだと講師のほうもやる気を失っちゃいそうですね。

　ただ、アロマって香りをかぐだけでも気分が高揚したり、なんだかうきうき楽しくなったりするものです。なので、その時だけでその人が楽しくなればいいかな、と思うようにしています。

　あとは自分自身で振り返ってみて、講師になりたての頃は今よりももっと情熱があったような気がします。アロマが楽しくて楽しくてしょうがないので、その楽しさをひとりでも多くの人に訴えたくてテンションもあがっていたでしょうし、生徒さん達もつられてハイテンションになっていたのかもしれません。だれよりもまず講師が積極的に楽しむ必要もあるかもしれません。
　






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