ティートゥリー伝説

　その昔、バンガワルバン谷に住むバンジャラン族にエレマニというきれいなお姫様がいたそうです。バンガワルバンは癒しの地という意味だそうです。

　プリンセス・エレマニは離れ離れになった恋人に会うため、ニューサウスウェールズ海岸沿いに旅にでました。それは遥か遠い遠い旅路で、不安になったエレマニは無事に帰れるよう太陽と植物の神に祈りを捧げました。

　神様は彼女に特別な種を授けました。その種を持って森にはいると、何処からともなくセキレイが現れ、彼女を守るように道案内してくれました。そして種を巻きながら進みました。
　
　種をまいたところから白い木肌の木々が生え、薄暗い森の中でもひときわ目立ちました。夜には月の光を受けてきらきらと輝き、エレマニは道に迷うことなく帰路につきました。

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　バンガワルバン谷がどこにあるのかはわかりませんが、ニューサウスウェールズ州はシドニーやキャンベラのあるオーストラリア南東の州です。この白い木が正しくティートゥリーで、バンジャラン族はこの木が伝染病や皮膚病から身を守ることを知り、薬草として利用してきたのだそうです。

　学名のメラレウカはギリシャ語でメラ（黒い）とレウカ（白い）の合成語。木肌が白いところと黒いところがある・・・という説と、白い木肌と遠くから黒く見える葉とのコントラストを表している・・・という説があります。

　ティートゥリーは天然の消毒薬と呼ばれ、その強い殺菌・抗菌作用、免疫賦活作用などは有名です。しかも殺菌力の強さとは裏腹に皮膚への刺激が少ないことも高く評価されてる所以です。香りも消毒薬そのもののような香りですので、あまり華やかな香りではありません。ただ、この精油とラベンダーは是非にも薬箱に入れておきたい精油です。

　その昔オーストラリアに入植したイギリス人が、アボリジニ達がティートゥリーのお茶を飲んでいるのを見て、自分達も真似して飲んでみたらまずかった・・・というとリビアな伝説もありますが、プリンセス・エレマニの伝説を読んで、Lifewareの素敵な写真を見ていたら、オーストラリアに行って本物のティートゥリーの木を見てみたくなりました。






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