あさイチで中華のシェフがムースーロー(キクラゲと卵と豚肉の炒め物)を作っていた。ムースーローは私が中華で一番好きなメニュー。家でも作るがいつも卵を最後に入れていた。が、シェフは最初に卵をフライパンに投入して少し固めてから取りだし、他の食材を炒めて最後に戻していた。目からうろこ。早速試した。
だいぶ良い感じに仕上がった。ただ、シェフは卵を濾し器で濾していたが、これに対してはMC陣から「洗い物が増える」という苦言が呈されていた。私は、洗い物のこともそうだが、卵の成分の何%かが濾し器に残ってしまうのがもったいないと思うからこの点は真似しなかった。それでも、卵を実感したかったので、清水の舞台から飛び降りる覚悟で卵を二個使った。卵の高いこの時期に二個も使ったことで罪の意識にしばらく苛まれた。あと、キクラゲは小一時間はお湯に漬けていただろうか。十分に膨張させるためにはこのくらい漬けて置くことが必要のようだ。膨張したらしただけ嵩増しになる。朝ラーメンのキクラゲは麺と一緒に熱湯に入れてるからろくに膨らまない。3分で膨らめと言ってもそれは無理な相談であった。
卵の投入時期は、カルボナーラを作るときのポイントでもある。可能性を挙げてみると、
①ベーコンを炒めてるフライパンに途中から卵を投入する。これだと卵が固まりすぎてぼそぼそになる。
②ベーコンを炒めたフライパンに火を止めてから卵を投入する。
③ボールに卵を研ぎ入れてそこに茹でた麺と炒めたベーコンを投入する。②③あたりが妥当と思われるが、③だとボールからお皿に移すとき卵の何%かがボールに残ってしまう(食品ロス)。そこで、
④最初から食卓に乗せるお皿で卵と茹でた麺と炒めたベーコンを混ぜる、という案が浮上する。食品ロスを死ぬほど恐れる私が採用する方法は当然コレである。そうやって前回作ったヤツがコレである。
このときは、いつものように卵一個。一個だと卵の存在感がやはり薄い。あと、
⑤ドイツのイタリアン・レストランで、生卵をトッピングしたカルボナーラに出会ったことがある。欧米では卵を生で食さないと思っていたからコレは驚きであった。
因みに、中国人が経営している中華屋さんで「ムースーロー」と言ったら通じなかったので、メニューのキクラゲと卵炒めを指さしてコレと言うと、「お客さん、中国語では『ムシュロ』という」と教えてもらった。一瞬であるが、ネイティブによるレッスンであった。