三色星の宇宙人のお話。
「みなさんは,宇宙人というと『おむすびような輪郭を持つ,足だか手だかわかんないのがニョキニョキとはえた生き物。』を想像しますか?それとも,『宇宙船を作るくらいだから手の役割を果たす触手のようなものくらいあるだろう』と考えますか?ここに出てくる宇宙人は,ええぇっと,そうですね。手元にペンシルがあったら,チョンチョンチョンと三つ点を打ってください。そう,それがここに出てくる三人の宇宙人<バク>と<テリー>と<アン>です。えっ?それ宇宙人じゃないだろうって?確かにヒトの形はしていませんが,宇宙に住んでいる『知的生命体』が必ずしもヒトの形をしているとは限りませんよ。」
地球の皆様こんにちは。ボクは赤色星に住む<バク>です。ボク達が住んでいる「赤色星」はとっても住みやすいところです。ただ,ここにはボク達しか住んでいません。ですから,赤色星に住んでいるのはボク達だけっていうことで,そういう意味では,ボク達の仲間は『赤色星人』ということになるかもしれませんね。
ところで,ボク達には特殊な力があります。それは,【食べ物を三つの仲間に分類できる】という力です。ボク達はその力のことをちょっとだけカッコよく【フォース】なんてよんじゃったりしちゃったりしています。どう?カッコイイ?イケテル?なんつって…。
そんなボク達にとって地球の皆さんのことで,とってもうらやましいことがあります。
それは,いろんな食べ物があるってことです。これは最高にうらやましい!!
ボク達の体はとっても小さく丈夫で,苦しいことがあると自然に「休眠状態」になってある程度のことを我慢することができます。
それで,宇宙船なんかつかわずにいろいろな星に旅することができます。黄色い星から旅を始めて,今は赤い星にいます。ボク達は火山の爆発とか,スゴイ風なんかで,簡単に宇宙に吹き飛んでしまいます。そして漂って,次の星に行くんです。
この星では,一万年ほど前に「食物連鎖」の頂点に立ちました。おかげさまで…。あっ,拍手をどうもありがとうございます。
そして,ボク達はいろんなものを食べました。好き嫌いせずに何でも食べました。
とうとう最後には食べ尽くしてしまいました。だから,ボク達の星には「ボク達」しか住んでいないんです。えっ?食べ物どうしているの?って。そう,だからボク達には「共食い」しかないんです。
そんなことを言っている間にオナカがすいてきてしまいました。おお,あそこにいるのは,幼なじみの<テリー>だよ。ちょっと弱ってる。死んじゃったらおいしくないからなぁ。今が食べ時かなぁ。今なら,「鮮度バツグンの刺身!」って感じでおいしくいただけるかも。
ではちょっと失礼して,いただいてまいります。
<テリー>おいしかったよ。君の生命は今,ボクの中にある。ボクは君の分まで生きるからね…。
大変失礼をいたしました。いろんなものを食べて,食べ尽くしてしまったボク達の食事は変化がなく単調です。いつも友達とか,同僚とか,家族とかそんなんしか食えません。だからといって,粗末にはしません。逆に食べることができるありがたさを知っているからこそ,大切に食べているんです。
みなさんはどうですか?好き嫌いとかしてませんか?
あっ,向こうからボクの恋人の<アン>がやってきました。なんかいつもより熱烈な目でボクのことを見ています。そんなに愛されているなんて思うと嬉しいなぁ。みんな!!やきもちやくなよ!!うっふっふ。
それにしても,今日の<アン>の視線は熱烈だなぁ。とうとう二人が人生でたった一度だけ愛し合う瞬間が来たのかもしれませんよ!!オーノー!!ここから先,子供達には内緒だよ!
アン,とうとうボクを食べに来てくれたんだね。嬉しいよ。この赤い星には,もう食べるものがない。いいかい?アン。ボクを食べたら,ボク達の子供はホラ,あそこに見える青い星で産むんだよ。アソコはここよりも少し暖かくて,水も豊富にあるから,子育てには最高さ。
立派な子供をたくさん産んで,素晴らしい青星人に育てるんだよ。
黄色い星から始まったボク達の旅は,赤い星を経て,青い星へ進む。その時ボクらは初めて本当の≪三色星人≫になれるんだ。
地球のみなさん。ウチの家族がやってきたら,よろしく頼みますね。
なぁんでも食っちゃうし,抗生物質なんてちゃちなもんは効きませんよ。ふっふっふ。
では,アン,よろしくお願いします…………。
「三色星の宇宙人のお話」おしまい。
「みなさんは,宇宙人というと『おむすびような輪郭を持つ,足だか手だかわかんないのがニョキニョキとはえた生き物。』を想像しますか?それとも,『宇宙船を作るくらいだから手の役割を果たす触手のようなものくらいあるだろう』と考えますか?ここに出てくる宇宙人は,ええぇっと,そうですね。手元にペンシルがあったら,チョンチョンチョンと三つ点を打ってください。そう,それがここに出てくる三人の宇宙人<バク>と<テリー>と<アン>です。えっ?それ宇宙人じゃないだろうって?確かにヒトの形はしていませんが,宇宙に住んでいる『知的生命体』が必ずしもヒトの形をしているとは限りませんよ。」
地球の皆様こんにちは。ボクは赤色星に住む<バク>です。ボク達が住んでいる「赤色星」はとっても住みやすいところです。ただ,ここにはボク達しか住んでいません。ですから,赤色星に住んでいるのはボク達だけっていうことで,そういう意味では,ボク達の仲間は『赤色星人』ということになるかもしれませんね。
ところで,ボク達には特殊な力があります。それは,【食べ物を三つの仲間に分類できる】という力です。ボク達はその力のことをちょっとだけカッコよく【フォース】なんてよんじゃったりしちゃったりしています。どう?カッコイイ?イケテル?なんつって…。
そんなボク達にとって地球の皆さんのことで,とってもうらやましいことがあります。
それは,いろんな食べ物があるってことです。これは最高にうらやましい!!
ボク達の体はとっても小さく丈夫で,苦しいことがあると自然に「休眠状態」になってある程度のことを我慢することができます。
それで,宇宙船なんかつかわずにいろいろな星に旅することができます。黄色い星から旅を始めて,今は赤い星にいます。ボク達は火山の爆発とか,スゴイ風なんかで,簡単に宇宙に吹き飛んでしまいます。そして漂って,次の星に行くんです。
この星では,一万年ほど前に「食物連鎖」の頂点に立ちました。おかげさまで…。あっ,拍手をどうもありがとうございます。
そして,ボク達はいろんなものを食べました。好き嫌いせずに何でも食べました。
とうとう最後には食べ尽くしてしまいました。だから,ボク達の星には「ボク達」しか住んでいないんです。えっ?食べ物どうしているの?って。そう,だからボク達には「共食い」しかないんです。
そんなことを言っている間にオナカがすいてきてしまいました。おお,あそこにいるのは,幼なじみの<テリー>だよ。ちょっと弱ってる。死んじゃったらおいしくないからなぁ。今が食べ時かなぁ。今なら,「鮮度バツグンの刺身!」って感じでおいしくいただけるかも。
ではちょっと失礼して,いただいてまいります。
<テリー>おいしかったよ。君の生命は今,ボクの中にある。ボクは君の分まで生きるからね…。
大変失礼をいたしました。いろんなものを食べて,食べ尽くしてしまったボク達の食事は変化がなく単調です。いつも友達とか,同僚とか,家族とかそんなんしか食えません。だからといって,粗末にはしません。逆に食べることができるありがたさを知っているからこそ,大切に食べているんです。
みなさんはどうですか?好き嫌いとかしてませんか?
あっ,向こうからボクの恋人の<アン>がやってきました。なんかいつもより熱烈な目でボクのことを見ています。そんなに愛されているなんて思うと嬉しいなぁ。みんな!!やきもちやくなよ!!うっふっふ。
それにしても,今日の<アン>の視線は熱烈だなぁ。とうとう二人が人生でたった一度だけ愛し合う瞬間が来たのかもしれませんよ!!オーノー!!ここから先,子供達には内緒だよ!
アン,とうとうボクを食べに来てくれたんだね。嬉しいよ。この赤い星には,もう食べるものがない。いいかい?アン。ボクを食べたら,ボク達の子供はホラ,あそこに見える青い星で産むんだよ。アソコはここよりも少し暖かくて,水も豊富にあるから,子育てには最高さ。
立派な子供をたくさん産んで,素晴らしい青星人に育てるんだよ。
黄色い星から始まったボク達の旅は,赤い星を経て,青い星へ進む。その時ボクらは初めて本当の≪三色星人≫になれるんだ。
地球のみなさん。ウチの家族がやってきたら,よろしく頼みますね。
なぁんでも食っちゃうし,抗生物質なんてちゃちなもんは効きませんよ。ふっふっふ。
では,アン,よろしくお願いします…………。
「三色星の宇宙人のお話」おしまい。