新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 ハエ目

2021-01-06 20:55:17 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第351弾


1月4日にマンションの廊下で見た虫の続きで、今日はハエ目です。





最初はユスリカの仲間です。前脛節の長さが跗節第1節より長いので、エリユスリカ亜科だろうと思うのですが、そこからが分かりません。この日は2匹見ました。





この小さなハエはマンションにたくさんいます。ナミネアブラキモグリバエです。砂糖大根などにつくネアブラムシの天敵として知られているので、益虫ではあるのですが、越冬のためかマンションには集団で集まってきます。このハエはヨーロッパからアジアまで広く分布して、大量発生することが19世紀ごろから知られていました。これについては次の記事に詳しく載っています。

E. P. Narchuk, "Outbreaks of carnivorous fly Thaumatomyia notata Meigen (Diptera:Chloropidae) and their periodicity", Ann. Rep. Zool. Inst. RAS (2000).

部屋の中に入ってきたこのハエの数を数えた人もいるようです。天井が黒くなるまでいっぱいに止まっていて、その数は実に17,971,200匹いたそうです。また、あるときはこのハエの死骸が40リットルにもなったとのことです。マンションではそこまでは多くないかもしれませんが、壁が真っ黒に見えるほどつくことがあります。





触角が羽毛状なので、ショウジョウバエ科だろうと思います。実は以前、この種かこれに似た種を調べたことがあります(こちらこちら)。その時はScaptomyza属Scaptomyza亜属のflava(キイロヒメショウジョウバエ)かもしれないと思ったのですが、この種はWikipediaによると、ヨーロッパに分布する種で、どうも外観が少し違うようです。たぶん、Scaptomyza属までは合っているのではと思いますが・・・。