新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 ハエ目

2020-12-18 20:53:01 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第336弾


今日も寒かったのですが、午後からマンションの廊下を歩いてみました。本当に虫がいません。でも12月も後半になるとこんなもんだったかなぁ。



最初はユスリカの仲間です。前脛節が跗節第1節より長いのでエリユスリカ亜科だと思われます。



これはいつもたくさんいるナミネアブラキモグリバエ。でも、今日はキモグリバエさえほとんど見つかりませんでした。





これはナミキノコバエの仲間です。ナミキノコバエ科はいつも諦めていたのですが、せめて翅脈ぐらいは調べてみようと思って、MND(Manual of Nearctic Diptera Vol. 1)のナミキノコバエ科の翅脈と比べてみました。Epicypta属がよく似ています。「日本昆虫目録第8巻」によると、この属は日本産7種が載っていて、本州産は6種です。このうち、aterrimaはネットにも載っていて胸部背面の色が黒いのでたぶん違います。また、ornatipennisは次の論文が記載論文になっています。

I. Okada, "STUDIEN ÜBER DIE PILZMÜCKEN(FUNGIVORIDAE) AUS HOKKAID", J. Fac. Agr., Hokkaido Imp. Univ. 42, 267 (1939).(ここからダウンロードできます)

翅脈が若干異なり、体形もだいぶ違います。本州産の残り4種はいずれも笹川氏が皇居などで採集した個体で記載したもので、論文は手に入るのですが、交尾器の絵だけなので、よく分かりません。中村剛之氏によると、ナミキノコバエ科の解明度は30%。まだまだ未記載種がたくさんあるようです。



最後はクロバネキノコバエだと思って写したのですが、翅脈を見ると違います。やはりナミキノコバエ科みたいです。MNDの翅脈と比べてみると、Boletina属がよく似ています。この属で「日本昆虫目録第8巻」に載っている種は全部で27種。このうち本州産は18種。なかなか大変なグループのようです。


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