新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

家の近くのむし探検 ハチ

2019-09-06 20:39:00 | 家の近くのむし探検
家の近くのむし探検 第33弾


4日に家の近くにあるいつもの道路脇の茂みで虫探しをしてみました。その続きです。





まずはこのハバチからです。ハバチの検索については「絵解きで調べる昆虫」とか、「大阪府のハバチ・キバチ類」に載っています。たぶん、ハバチ科は確かだろうと思うので、その先の亜科を調べてみました。

①前翅の基脈と肘脈は亜前縁脈上のほぼ1点で接する;離れる場合、その間隔は第1肘横脈よりも短い
②前翅肘脈基部は直線状か、わずかに曲線になる程度
③前翅の径横脈をもち、前翅第1・2反上脈は別の別室につながる
④前翅の基脈は直線的で第1反上脈とほぼ平行
⑤前翅肛室は不完全で有柄      マルハバチ亜科

「大阪府のハバチ・キバチ類」に載っている検索表に従うと、マルハバチ亜科だろうということが分かりました。





翅脈の名称は以前のブログを見て書き入れてみました。写真では翅脈が見にくいのですが、①~⑤はいずれもこの写真からなんとか読み取ることができます。特に⑤の肛室が不完全で有柄というのはよい手掛かりになりました。たぶん、マツハバチ亜科まではよいのでしょう。しかし、ここから先の属の検索表はこの2冊の本には載っていません。それで、ここでストップになりました。



これは触角柄節がやや長いので、ハエヤドリクロバチ科ではないかと思いました。「絵解きで調べる昆虫」によると、日本産は5属9種が知られるが、多数の未記載種があるというやっかいな仲間です。





最後はハバチの幼虫みたいです。「日本産幼虫図鑑」を見ると、ミズナラハバチと似ている感じですが、頭部の色が違います。やはり違うようです。

家の近くのむし探検 クモ、ハエなど

2019-09-05 22:02:12 | 家の近くのむし探検
家の近くのむし探検 第32弾


昨日は昨年よく通っていた道路沿いの茂みに虫探しにいってみました。虫はあまりいなかったのですが、名前調べの難しい虫もいました。とりあえず簡単なものだけ。



最初はネコハグモに捕まえられたキンバエの仲間です。こんな小さな体でよくこんな大きなハエを捕まえますね。



これは胸背に3本線があるので、ニクバエの仲間です。「日本昆虫目録第8巻」によると、日本産ニクバエ科は36属119種。何とかなりそうな種数なのですが、今のところ手掛かりとなる文献が見つかりません。



クズの葉にいるのはクズノチビタマムシ



それにこれはホシハラビロヘリカメムシ。ハラビロヘリカメムシとは、触角第1節が複眼を含む頭部の幅より長く、第2,3節が円筒形になることで見分けられます。





最後はモモスズメの幼虫です。後、ハバチとか、クロバチの仲間などが残っていて、まだ、格闘中です。

家の近くのむし探検 花

2019-09-04 20:36:25 | 廊下のむし探検
家の近くのむし探検 第31弾


今日は本当に久しぶりに、以前、通っていた道路脇の茂みに行っていました。散歩の途中だったのですが、虫はほとんど見つかりませんでした。虫はまだ整理していないので、まず、花の方から出すことにします。





道端の木の根元にいっぱい咲いていました。タマスダレです。誰か植えたのでしょうね。Wikipediaを見ると、APGIIIでは、キジカクシ目ヒガンバナ科ヒガンバナ亜科に属しているようです。





これはカニクサで、シダの仲間です。拡大してあるのは胞子葉です。



これはわずかに残っていたセンニンソウです。





最後はこの目立たない花です。「野に咲く花」を見ると、オニドコロの雄花のようです。

廊下のむし探検 エンマコオロギ、ササキリほか

2019-09-03 21:04:32 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第76弾


昨日の夕方、マンションの廊下で見つけた虫の続きです。





最初はエンマコオロギ♀です。





これはよく分からなかったので、「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」の写真を見て、ウスイロササキリかなと思いました。





そして、ハラビロカマキリです。夕日を浴びて、何か崇高に見えました。複眼の中の黒い点が気になりますね。pseudopupilというのだろうと思いますが、少し調べてみます。



これはヒメホシカメムシ



それに、オオフタモンウバタマコメツキ本土亜種。この辺までは良かったのですが、ここから難しい虫が始まります。





最初はこのハチです。これはコマユバチかなと思って、「原色昆虫大図鑑Ⅲ」の図版を見てみました。すると、コマユバチ亜科のハネグロアカコマユバチにやや似ていることに気が付きました。でも、脚の色がまるで違います。やはり違うみたいです。なお、ネットでこの名前で画像検索するとたくさん出てくる写真はクロヒゲアカコマユバチのようです。というわけで、結局、この個体は何だか分かりませんでした。





これはいつもいるアリグモです。





さて、次は問題のクサカゲロウです。口肢が黒く、頬に特徴的な丸い斑紋があります。さらに、触角柄節外側にも斑紋があります。こんな特徴から以前作った「手作り図鑑IIa クサカゲロウ科」(ここから入って探してみてください)の写真と比べてみると、クロヒゲフタモンクサカゲロウのようです。



ついでに翅脈の写真も載せておきます。im室の先端がRs-M脈より外側にあります。



次はこの甲虫です。何となくビロウドコガネかなと思って、「日本産コガネムシ上科標準図鑑」のビロウドコガネ属の絵解き検索表を見てみました。

①後跗節下部に刺毛列はない
②後腿節と後脛節は幅広く、脛節の長さは幅の2.5倍未満
③a 頭盾は中央部だけが高まる 
    マルガタビロウドコガネ亜属 マルガタビロウドコガネ Maladera secreta
③b 頭盾は正中部が高まりゆるやかな屋根型 
    アカビロウドコガネ亜属 アカビロウドコガネ Maladera castanea

こんな手順で調べていくことができます。①は写真で見ても刺毛列はないのでたぶんOKでしょう。②は後脛節だけがよく見えていますが、かなり太いのでこれもOKです。最後は頭盾ですが、これは写真を見てもなかなか分かりません。



その部分を拡大してみました。矢印で示した部分が微かに屋根型に見えます。ということで、アカビロウドコガネ亜属になり、本州産はアカビロウドコガネ1種なので、これで決まりです。



最後はケナガスグリゾウムシでした。

廊下のむし探検 蛾

2019-09-02 20:31:39 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第75弾


今日は来客がありました。夕方、お客が帰られた後、ふと、そういえば、今日、ブログに出す虫の写真がなかったなってことに気が付きました。それで、急きょ、5時過ぎてからマンションの廊下を歩いてみました。もう9月に入ったのですね。少しずつ虫が増えてきたような気がします。まずは蛾から。



これはコトビモンシャチホコ。これはこの7年間に14匹見ていました。



これはシバツトガ。シバツトガは今までに67匹。





そしてこれはヒメマダラミズメイガ。幼虫が水面上で生活する蛾です。マンションの横には小さな川が流れているので、そこで発生したのかもしれません。これまで22回写真に撮っていますが、たぶん、もっと多いと思います。



これはクロオビリンガ。これはこの7年間で14回見ています。



それからキオビベニヒメシャク。これは37回写真を撮っていました。



そしてこれはウスモモイロアツバ。こちらは11匹。



エゾギクトリバだろうなと思って写真を撮ったのですが、やけに白っぽいのでもう一度図鑑を見直しました。でも、やはりエゾギクトリバのようです。



これはたぶん、ミジンキヒメシャク。



それにシロズアツバ



ヤママユは久しぶりです。最近、蛾はだいぶ平気になったのですが、こんなに大きいと駄目ですね。望遠で撮りました。