貴の一文
今年最後の「はりきりミーティング」をなんと眠らずに切り抜け、
今年の仕込みに向けて最高のテンションで臨むべく勉強を終えた「貴」たあぼ
東京・初進出の「長陽 福娘」とともに長州旋風を巻き起こして下さい!!
こんにちは。
いよいよ、春から始まった楽しいロードも、とうとう終りを迎えます。
今日で、今年すべての営業(呑んで歩いてただけですが・・・)も終り、
来年の春まで蔵に篭ります。
春にはすっきりしていたお腹も、気が付いたらみごとなまでの「メタボ」・・・。
東京には、「ラーメン」の誘惑が多すぎます。
さて、いよいよ21BYの酒造りがスタートします。
初心に帰って、酒造りにまい進します。
★レギュラー商品に関して
まずは、通年商品を安定した品質で通年一貫して出荷できるように
製造計画をしていきたいと思います。
日々、晩酌で「貴」を愛飲してくださるお客様、
メニュー商品として「貴」を定番として扱ってくださっている料飲店様を
第一の宝として、期待を裏切らないよう品質向上と、出荷の安定、
そして特に秋から冬にかけての一番日本酒の味が乗ってきた時期にこそ
「貴」の味のりはいいね、って言われるような商品を提供して行きたいと思います。
★辛口に関して
マチダヤさんの辛口プロジェクトにも参加させていただいておりますが、
私なりに、山田錦を使った辛口純米酒として試行錯誤をしてきたと言う自負もあります
よく、辛口のお酒を表現する時に「切れる」という言葉を使って表現しますが、
私の理想とする辛口のお酒をあえて表現するなら、「切れる」ではなく「消える」お酒です。
フェードアウトするかのように消えて無くなりながらも余韻を残すような
そういう辛口酒をまた造って春に帰ってきます。
★夏の酒について
私も構想としては「夏の酒」という発想を持ってはいたつもりでしたが、
マチダヤさんに企画をいただいて、「夏でも日本酒」という形が徐々に
市場に定着しつつあると言うのは素晴らしいと思います。
私の考える夏のお酒の最も大事な部分は「お酒の鮮度と米の相性」だと思っています。
生酒は良くも悪くも必ず瓶詰め後甘味が出てきます。
夏の出荷時に最高のバランスになるよう私なりの経験を夏の酒に反映したいと思います。
★熟成に関して
熟成に関して、よく「老香(ひねている)」や「生老香(ナマヒネ)」という言葉を使いますが、
私はこれらを総称して「酸化している」という風に理解しています。
良い原料を使ってきっちりと造り、かつ瓶詰めまでを一貫して行い、
酸素に触れる時間を極力減らしたお酒は必ずよい熟成に向かいます。
逆に、酸素に触れる時間が長いお酒は熟成は早いですが、
どうしても、「マニアック」な嗜好品になってしまうような気がしています。
生酒を旬の楽しみとして呑むのもそれはそれで大事なことですが、
秋から春にかけての味の乗ったお酒はどんな他の酒類よりも「日本酒」が旨いと思いますし、
そういうお酒を造る事を第一に考える蔵でありたい、
私は、「出来立てのお酒が一番美味しい」というのには、正直「?」だと思っています。
正直な話、まだまだ「紹興酒系」の熟成酒(酸化から来る香りが強い)が多いのが
実際のところですが、旨いお酒は秋以降もです
私も、まだまだ試行錯誤の旅の最中ですが、
味の乗った旨い日本酒を皆様に手軽に気軽に飲んでいただけるよう、
これからも頑張りたいと思います。
「貴」たあぼも11月1日よりいよいよ今年の造りに入ります。
気合いの入った新酒を「ひやおろし」と定番酒を楽しみながら待ちましょう!
ではくれぐれも事故の無い様頑張って!!! そして「春」にまた