貴の一文 蔵の改装が始まりました。
大きな瓦屋根が象徴だった永山本家酒造場
老朽化とさらなる酒質向上を目指し蔵の改装に踏みきりました。
古いものが壊されていくのは切ないものですが、危険と背中合わせでは安心したものづくりは出来ません。
今年の仕込には間に合うと言うことで工事が始まっております。
そして貴 たあぼは勉強の為 フランスへ飛び立ちました。
以下 「貴の一文」です。
みなさんこんにちは。貴のたあぼです。
いよいよ6月に入り梅雨入りですね。
今年はdancyuも夏酒特集を組むなど夏酒に非常に注目が集まっています。
今年も、「日本の夏 貴の夏」でおなじみの貴の夏酒もリリースしております。
うちの蔵では、4月2日に甑倒し(すべての仕込みを終える)、4月24日に皆造(すべての仕込んだお酒を搾り終える)、
そして5月3日にすべてのお酒の火入れ作業を終え、瓶詰め作業まで終了いたしました。
酒蔵も本来でしたら来季に向けてゆっくり休むところですが、今年はそういうわけにもいきません。
今年、創業以来(?)初めての大きな改装にはいっています。
まず、皆様が見慣れた(そんなに知らない???)酒蔵の写真から。。。
それが現在はこのような状況です。
徐々に解体が始まっています。
すべてが解体されたのち、ここに大きな冷蔵倉庫が出来る予定です。
100年を超える間、風雨にも耐えてきた酒蔵だけに本当におしいのですが、
タンクを出して空っぽの蔵を見るとすでに壁が傾き、とても地震には耐えられない状況となっていました。
皆様の要望に応えつつ、まずは品質第一に考え、次の100年に続けていけるような酒蔵を構築していきます。
よく「酒造りが終わったら蔵元さんは何をやっているの?」という質問を受けます。
大変大事なのが翌年に向けての酒蔵と設備のメンテナンスと新規の購入。
あと、弊社では米作りも大切な仕事として取り組んでいます。
酒蔵は農業(第一次産業)、工業(モノづくり)そして、飲食に続くサービス業と続く日本の風土に根差した産業です。
私は決して日本酒醸造蔵が完全に食品工場になるのはあまり善しとはしない考えですが。
古いものと新しいもの、常に日本はその二つが共存し作り上げた文明だと考えています。
また、変わりゆく酒蔵を見学にいらっしゃるのも今の時期の酒蔵ならではなのかなと思います。
永山本家酒造場 蔵改装編 其の一 つづく