貴の一文~24byの仕込を終えて
今期はタンク60本の仕込を目指すも「米不足」により目標石数仕込めませんでしたが、
それでも昨年よりは増石となりました。
先週には「皆造」まで終了したとのこと お疲れ様でした。
「貴」ブランドも確立しアイテムによっては新酒待ちも多くなってきました。
熟成も「貴」の持ち味の一つですので何とか早だしの場面をシフトチェンジできないものかと切に願っております。
まずはしばらくは「貴」が味わえる安心感と6月からの夏の酒が楽しみです。
では役半年振りの再会となりました 「たあぼ」社長
あまりやせてないな~~~
ではまずはここから!
【社長就任のご挨拶】
私事ではございますが、この度㈱永山本家酒造場の社長に就任いたしました。
現在、「日本酒新時代」と言われる次世代蔵元の時代に入ってきました。
従来は、杜氏として製造に全神経を集中する形で、会社での責任に関しては親父(現会長)に任せておりました。
しかし、今後は若い世代の蔵元が台頭していく中、より迅速な決断が求められると感じ、4月1日付で社長に就任いたしました。
立場は変われど酒造家の本分は「酒造り」だと思っております。
酒造りで皆様に満足いただける事こそが、社長としての最大の業務だと心得、今後とも酒造道に精進致します。
『24BY造り全般について』
毎年、特別純米酒から酒造りが始まるのですが、当初やや「米が硬い」という印象を受けたので、微妙な吸水コントロールを行い、
近年最高の米だった23BYに近付けたのではないかと思っています。
印象としては、例年以上に透明感があがり、身体に馴染む味わいになっていると思います。
9号酵母によるやさしい味わい、これにより磨きをかけたと思っています。
華やかなカプロン酸系のお酒やインパクトの強い無濾過生原酒も美味しいですが、
やっぱり癒されるのは、だらっといつまでも飲める9号系かな~と思っています。
『レギュラー商品について』
身体に馴染むやわらかな旨味。
この点に関して一回一回の米洗い、吸水においてきっちりとポイントをつかんでお酒に出来たのではないかと思います。
『辛口酒について』
いつも、弊社辛口80%へのご愛顧ありがとうございます。
商品が欠品を起こしてしまい、多くの皆様にご迷惑をおかけしました事、心よりおわび申し上げます。
本年は山田錦の山口県での割当てもなかなか思うようにいかず入荷に四苦八苦しましたが、
低精白の強みを生かしどうにか前年以上の生産が出来ました。
ありがたい事に、山田錦の強みを生かしたふっくらとした80%精米の純米酒が出来上がりました。
『夏の酒について』
最近の夏酒の一つの方向として、「原酒でどのように酒質を形作るか」が大切なテーマになっていると思っています。
最近では、新政が14%の原酒を造られていますが、
今年は、エキス分、グルコースを検討して追い水(追加で水を加えていく方法)で、夏らしい心地よいガス感のある生酒になっていると思います。
ちなみに弊社の度数は16.2%です。。。
『今年のチャレンジ』
昨年、次の10年に向けての1年にするという目標をお伝えしたのですが、昨年から2名の蔵人が入り、酒蔵に例年以上の活気がありました。
作業で比較的私がある程度抜けた状態においても出来るようになった分、作業を俯瞰しながら、より精度の高いバランスの状態で搾れたと思っています。
基本、ころころやるタイプではないので、分かりづらい事は承知しておりますが、確実に一歩一歩お酒の精度をあげる努力を続けています。
※秋には袋吊りした純米吟醸 雄町を9月に火入れ酒として発売予定。 味ノマチダヤ限定となります。
ひやおろし前の9月の酒としてご案内いたします。 お楽しみに!