S&R shudo's life

ロック、旅、小説、なんでもありだ!
人生はバクチだぜ!!!!

真冬の狂想曲4-5

2006-07-17 13:33:44 | 真冬の狂想曲
4-5
 さすが人を騙して飯を食ってるだけあってたいしたものだ。こんな状況でも平然と会話が出来る。携帯電話の電話帳は偽名で登録してる。俺は変な所に感心した。
 松はこめかみに怒りのサインを浮き上がらせたまま喋りだした。
「これじゃ、大阪におっても意味無いけ、次来る電車に乗ろうや。とりあえず東京に行って中村捕まえて、中村に平井を呼び出させたら絶対アイツは出てくるけ。そうですよね、松木社長。」
松木社長は相槌を打って話を続けた。
「そうやね、中村さえ捕まえれば、銭は返ってくるやろうけたい。」
松の怒りのサインはまだ消えない。
「中村だけやったらつまらんですよ!平井のヤツは絶対捕まえて、死ぬ目に合わさんと気がすまんですよ!」
 あまりの激高に俺は、ノブをそばに呼んで理由を尋ねてみた。ノブが言うには、どうも、ちょっと前まで、松がえらい可愛がってたらしい。それも周り連中には、-なんであんなヤツと付き合いしてやるんか-と散々言われてたらしい。飼い犬に手を咬まれたってヤツか…。

 俺達はすぐに来たのぞみ号に飛び乗り、大阪を後にした。松と松木社長は佐々木を言葉でいたぶり、俺とノブはグリーン車のシートを倒し、目をつぶった。
コメント
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