いや、良かった。こういうコンサートは、サイトウ・キネンの武満徹メモリアルでしか聴くことができない体験ではないのかな。
○日時 2007年8月24日(金) 19時05分~20時50分
○会場 松本市音楽文化ホール
○プログラム(演奏)
武満徹「声(voice)」(フルート:立花千春)
江村哲二「奇妙な誘惑」(オーボエ:荒絵理子、クラリネット:亀井良信、ファゴット:依田晃宣)
権代敦彦「涙の谷にあなたを慕う」(メゾ・ソプラノ:波多野睦美、ハープ:篠崎史子、篠崎和子)
武満徹「スタンザⅠ」(メゾ・ソプラノ:波多野睦美、ギター:鈴木大介、ヴィブラフォン:竹島悟史、ハープ:篠崎和子、ピアノ・チェレスタ:江口玲、指揮:板倉康明)
藤倉大「Another Place」(ヴァイオリン:伊藤亮太郎、双紙正哉、ヴィオラ:柳瀬省太、チェロ:古川展生)
武満徹「エア(air)」(フルート:立花千春)
アンコール
武満徹「MI・YO・TA」(メゾ・ソプラノ:波多野睦美、ギター:鈴木大介)
武満と若手作曲家の作品を織り交ぜたプログラム。
冒頭指揮の板倉さんがあいさつをしたが、プログラムにあがった江村さん。今年6月、47歳の若さで亡くなってしまった。昨年のフェスティバル後、来年の曲目に入れることを打診していたが、本人が他界してしまい、このフェスティバルの舞台で演奏することを見せられなかったことを触れられていた。
そのことも念頭に・・・プログラムを時折開きながら聴いていた。
江村さんの作品、3つの木管が精妙に絡み合って美しい曲。トーンクラスターの部分とメロディ(無調だが)の部分が交互に来て構成感を感じる。
ほかの曲。
権代さんの作品、2台のハープの間に、メゾ・ソプラノの波多野さん・・・バロック歌手で有名だけど実演は初めて・・・の歌唱。なかなかない編成。ハープの音色が美しい。ソプラノの高音域より、メゾの音域の方がハープとハモるのがよく合う感じ。
武満のスタンザⅠ。これも多彩・・・普通あり得ないような編成の曲で各楽器の絡みが面白い。ヴィブラフォンの余韻ある音が印象的だった。
最初と最後は、武満さんのフルート・ソロの曲。「声」は、文字どおり声を入れながら吹く難曲だが、うまくこなしていた。「エア」の方は、以前にオーレル・ニコレ(この曲を献呈された本人)の実演を聴いたことがあるが、それに比べると“厳しさ”が不足していた感じ。
聴く方も、(多分)演奏する方もかなりの難曲ばかりだったが、心に染み入る良いコンサートだった。アンコール後の一同揃ったカーテンコールは、良い音楽を分かち合って、舞台・客席一体となった雰囲気で締めくくった。
良い気分で帰ることができた。
写真は休憩中最後列から。ステージでは「スタンザⅠ」の配置を行なっているところ。
○日時 2007年8月24日(金) 19時05分~20時50分
○会場 松本市音楽文化ホール
○プログラム(演奏)
武満徹「声(voice)」(フルート:立花千春)
江村哲二「奇妙な誘惑」(オーボエ:荒絵理子、クラリネット:亀井良信、ファゴット:依田晃宣)
権代敦彦「涙の谷にあなたを慕う」(メゾ・ソプラノ:波多野睦美、ハープ:篠崎史子、篠崎和子)
武満徹「スタンザⅠ」(メゾ・ソプラノ:波多野睦美、ギター:鈴木大介、ヴィブラフォン:竹島悟史、ハープ:篠崎和子、ピアノ・チェレスタ:江口玲、指揮:板倉康明)
藤倉大「Another Place」(ヴァイオリン:伊藤亮太郎、双紙正哉、ヴィオラ:柳瀬省太、チェロ:古川展生)
武満徹「エア(air)」(フルート:立花千春)
アンコール
武満徹「MI・YO・TA」(メゾ・ソプラノ:波多野睦美、ギター:鈴木大介)
武満と若手作曲家の作品を織り交ぜたプログラム。
冒頭指揮の板倉さんがあいさつをしたが、プログラムにあがった江村さん。今年6月、47歳の若さで亡くなってしまった。昨年のフェスティバル後、来年の曲目に入れることを打診していたが、本人が他界してしまい、このフェスティバルの舞台で演奏することを見せられなかったことを触れられていた。
そのことも念頭に・・・プログラムを時折開きながら聴いていた。
江村さんの作品、3つの木管が精妙に絡み合って美しい曲。トーンクラスターの部分とメロディ(無調だが)の部分が交互に来て構成感を感じる。
ほかの曲。
権代さんの作品、2台のハープの間に、メゾ・ソプラノの波多野さん・・・バロック歌手で有名だけど実演は初めて・・・の歌唱。なかなかない編成。ハープの音色が美しい。ソプラノの高音域より、メゾの音域の方がハープとハモるのがよく合う感じ。
武満のスタンザⅠ。これも多彩・・・普通あり得ないような編成の曲で各楽器の絡みが面白い。ヴィブラフォンの余韻ある音が印象的だった。
最初と最後は、武満さんのフルート・ソロの曲。「声」は、文字どおり声を入れながら吹く難曲だが、うまくこなしていた。「エア」の方は、以前にオーレル・ニコレ(この曲を献呈された本人)の実演を聴いたことがあるが、それに比べると“厳しさ”が不足していた感じ。
聴く方も、(多分)演奏する方もかなりの難曲ばかりだったが、心に染み入る良いコンサートだった。アンコール後の一同揃ったカーテンコールは、良い音楽を分かち合って、舞台・客席一体となった雰囲気で締めくくった。
良い気分で帰ることができた。
写真は休憩中最後列から。ステージでは「スタンザⅠ」の配置を行なっているところ。