2019年、平成の終わりに
年号の変わる今年、私は後期高齢者となる。好むと好まざるとにかかわらず。
その真っ先に来るのが運転免許の更新に必要な「認知症テスト」なのだ。好天に恵まれた気分の良い新年に、面倒なことだ。前にシニア講習を受けた教習所に電話をすると、
「四月十日までいっぱいです。当日は、認知症テストの如何に関わらず3時間講習で、費用は一律9500円です。8時半集合で夕方までかかります。お名前から言ってください。」
認知症テストの結果によって、講習の種類も時間も違うはずだ、と尋ね返すと、それしかやっていない、というばかりだ。
更新のはがきを見直して、免許センターに問い合わせの電話を掛けたがお話し中ばかりでらちが明かない。少し遠いけれど日野市にある教習所に掛けてみた。今度は
「認知症テスト、750円です、その結果によって講習を受けてください。」
こちらは更新はがきの通りだった。そこでさっきのところにキャンセルを入れると「分かりました」も言わずにガチャンと電話が切られた。
「なんだ、これ」
車好きの若い人が減って、教習所も経営が大変なのかしら。それにしても。
年末年始のニュースでは、ただイライラしたから、などという理由で轢き逃げや傷害事件を起こし、バイクをひっくり返すために夜の道路にロープを張った男も報道されていた。
皆、どうしてそうイライラするのだろう。青空がこんなにきれいな新年なのに。
一年ごとに年を取るのは当たり前。今や、九十、百で、なお畑仕事や商売に精を出し、頼られている人も多い。
駅伝の選手たちのように、ベストを尽くして爽やかに、とまではいかなくても、一日、一日できることを精いっぱいやって、楽しいと思って過ごせたらいい。小さな冒険も胸において。
〈20190111〉