業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

壊れたニッポンを治す為の処方箋#2:給料(収入)と物価が上がらない理由・原因(その12-改善策⑤60歳からの時短労働の推奨)

2022年08月28日 10時30分48秒 | 経済
近年は、多くの企業が定年の年齢を65歳または70歳まで上げてきた。大変良い事である。60歳まで生きてきた人の平均寿命が男性は84歳、女性は90歳近くになっている現状、60歳での引退は早すぎる。最低でも人生の半分の、できれば人生の6割の期間は働くべきである。84歳まで生きたなら5割では42年、6割だと50年は働くべきであり、90歳まで生きたなら、5割では45年そして6割では54年は働くべきである。人生が84年だとすると、大学を卒業した人の場合、5割だと22+42で64歳まで、6割だと22+50で72歳まで働く。人生90年の場合、22+45=67歳または22+54=76歳まで働きたいモノだ。
海外では早期に退職して余暇を楽しみたいと云った価値観を持った人が多くいるが、日本人の価値観は少し違う。何時までも働く事が価値観であり、美徳である。それを社会としても支援できる仕組みが必要である。
しかし、仕事をするとしても、若者と同じ労働時間では体が持たない。人生の半分は若者と同じ時間の労働時間としても、残りの1割は時短で働きたい。その為、週2~4日労働であったり、週20~30時間労働であったり、または1日4~6時間労働で、人生を楽しみながら、労働生産性を最大値に保ちたい

何年か前に、老後の生活のために必要な貯蓄が2000万円だと云う試算が出た事があった。仮に定年後の人生が20年だとすると、2000万円だと毎年100万円使える事になる。月に換算すると、8万円程になる。仮に年金を20万円受け取れたとしたら、毎月28万円使える事になるのだが、これを多いを感じるか少ないと感じるかは人それぞれであろう。
先に述べた様に、60歳まで生きてきた人の平均寿命が男性は84歳、女性は90歳近くになっている。年金についてはどの程度支給されるかの凡その情報は得られる。そして、定年時の貯蓄も自分で把握できるであろう。であれば、老後に使えるお金は簡単に計算できるし、すべきである。そしてこの計算結果から、60歳以降、何歳辺りまで働く必要があるかを計算できる。この観点で、必要に迫られて働く必要がある人も居るであろう。しかしその場合であっても、老後はあまりあくせく働きたくないし、余暇を楽しむ余裕も欲しいであろう。そのための人生設計をしっかり行いたいモノである。

しかしココで問題になるのが高齢者の賃金である。一部の企業では、60歳の定年後の歳雇用では、賃金を大幅に下げて再雇用を行っている。これは絶対に行ってはならないし、法律として再雇用の賃金を守らなくてはならない。また一部の高齢者は既に十分な蓄えを持っていて、賃金を安くして労働を続ける人達も少なからず居る。これもやってはならない事である。その理由は、高齢者が能力よりも低い賃金で働く事で、60歳以下、特に若者の労働を奪う事になるからである。企業に取っては、経験が浅い若者よりも、経験豊かで低賃金で雇える高齢者の方が望ましいに決まっている。その為、能力より安い低賃金で働く労働者の存在は、若者の雇用を奪っているとの自覚を持つ必要がある。なので高齢者であっても賃金はその人の能力に見合った金額を払う必要がある。そのため、前にも書いた年齢別の賃金に、高齢者の分も含める必要がある。
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