業務&ITコンサルタントのひとり言

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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:学び直し(リスキリング)の意義

2023年01月30日 19時26分14秒 | 社会全般
昨日、岸田首相が語った”育児休暇中の学び直し”についてのコメントを記載した。世間では「育児で忙しいのに勉強に使る時間があるか!」と云った批判が出ているとの事だが、その様な人は時間が合っても自己研鑽をしない人なのだと思っていて、その事を別の表現で記載した。その後、はたして学び直しがどの程度のメリットがあるのかを考えてみた。想像の粋を脱していないが、取り合えず考えてみた。

学び直しをする目的の殆どは、よりより良い仕事を得て、良い収入を得る事であろう。稀に楽しい仕事をしたいとかは有るだろうが、殆どはより良い収入を得る事を願っているであろう。この価値観を前提に、ユーキャンのホームページを見てみたのだが、この中のカリキュラムを勉強したり、資格を取る事によって、より良い収入を得るチャンスが増えるモノはどれかと想像してみた。

個人的な想像ではあるが、ITとパソコン関係以外で収入が大きく増えそうなモノは見当たらない。増えてもせいぜい平均収入位であろう。そしてITとパソコンと云っても、平均収入よりは少し多い程度ではないだろうか。実際、自分の妻はある資格を取ったのだが、募集されているモノの給料を確認すると、コンビニ定員とそれ程変わりがないので落胆している。

では企業は大学を卒業してくる人間に何故高卒より高い賃金を払っているのだろう。理工系は学校で学んだ事がそのまま活用できる事が多いので理解は出来るが、文系についてはあくまでその人の地頭であり、可能性を期待して採用であろう。そしてその地頭を図る尺度として、学歴、即ち大学の偏差値を参考にしている。

もしこの仮説が半分以上当たっているとしたら、国民は何を「学び直し」すれは良いのだろうか?または別の視点で考えると、社会人にとってどの様な事を学び直す必要が有るのだろうか?確かに、学び直す事で職業選択の幅は広がるだろう。しかしユーキャンで学べる事を習得している人は、世の中には沢山居る。では一体何を学ぶのか、何が社会人に足りないのか、を考えないと、日本の社会に取って良い「学び」は無いのだろう。

そうであれば、政府、特に文科省が日本人に必要な「学び」は何なのかを分析し、それを高等教育に反映する必要がある。そしてそれを教育に取り入れる事が大事である。文科省にはハードルが高い仕事であろうが、他に価値の無い省庁である。是非やってみて欲しい。そして日本人全体のレベルアップを考えて欲しい。どうすれば国民の所得が増え、GDPが上がるのかを。首相が「学び直し」を語るのであれば、ユーキャンで学べる様な個人的な学びのミクロの話しでは無く、国全体としてのマクロの視点で語るベキであろう。だから岸田はダメなのである。
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