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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:今の日本の大学の問題点とあるべき姿

2025年02月16日 11時48分35秒 | 社会全般
昨日まで3回に分けて、日経に掛かれていた大学教授の論文を元に、問題点を指摘してきた。それらを総括し、解決方法を纏めてみたい。過去3回のBlogのリンクは以下になります。
1回目”https://blog.goo.ne.jp/s_and_m_consul/d/20250209”。
2回目”https://blog.goo.ne.jp/s_and_m_consul/d/20250211”。
3回目”https://blog.goo.ne.jp/s_and_m_consul/d/20250215”。

今の日本の大学には、様々な問題点がある。先ずは大学の制度としての問題店を4個指摘したい。
①大学入学時の学部選択:
今の日本の大学に入学する際に、学部や学科を選択する必要があるのだが、これは高校生にとってとてつもなく高いハードルである。高校生の時点で、自分が何をやりたいのか、何に向いているのか、など分かっている学生はほんの僅かである。仮に自分がやりたいと思っていた学部・学科に実際入ってみてから、自分に向いていないと感じた人は大変多いのではないだろうか。

アメリカの大学では、入学時点で学部や学科を決めなくてもOKな大学もあるが、一番大きな違いは、学部・学科を何時でも変える事が出来る事である。学科が指定する単位を取っていれば卒業出来るので、学部・学科を変更する事で、卒業までに習得した単位数が増えるダケである。また学生によっては複数の学科を修復する人も居る。これがアメリカのダイナリズムを支える仕組みであろう。

②学部によって分散されたキャンパス:
複数の学部を持つ日本の多くの大学は、キャンパスを複数持っている。これによって、教養課程を学部が独自に行っている大学が少なくない。これに拠る主な弊害は、非効率な教養課程の運営と、他学部との交流の疎外である。

大学は単に知識や技術を学ぶダケの所ではなく、情操教育や刺激を与える所でもある。学部別のキャンパスを持ち、そして企業の事務所の様なビルしかないキャンパスで、情操教育を提供する事は出来ないだろう。

③単一学部、または少ない学部しかない大学の存在:
この様な小さい大学を認可している事が問題で、大学として「情操教育や刺激を与える所」を提供する役割・価値を全うしていない。この様な大学は、特別な価値が無い限り、専門学校に格下げすべきであろう。

④3月開始の学期の在り方:
多くの人が知っていると思うが、殆どの先進国では秋から新学年が始まる。秋の学期は8月後半から12月後半に実施され、春の学期は1月初旬から5月中旬の4ヵ月間である。残りの3ヵ月は基本は夏休みだが、夏の間にも授業は行われている。日本も、これに合わせるベキであろう。

受験シーズンが2月から始まるが、この頃はインフルエンザが流行する時期でもある。1月のセンター試験を皮切りとした冬の間の受験シーズンは廃止にし、5~6月頃に行った方が、受験生にとって助かるハズである。

教育に中身に関して、問題点を二つ指摘したい。
⑤勉強しなくても卒業できる制度:
残念ながら、日本の大学は勉強しなくても卒業できる所が殆どである。そして学生は、アルバイトと遊ぶ事に精を出している。この状況を脱却し、勉強しないと卒業できない教育機関に変貌しないと、日本の将来は本当に暗い。

⑥大学の教育内容に対する評価制度の欠如:
一時期、日本でも大学の教育内容を評価する仕組みを作る事が議論されていたと記憶しているが、現時点ではその様な評価を行う仕組みは無いようである。因みに1月28日の日経電子版での記事に、「文部科学省は大学の運営を第三者が審査する「認証評価制度」を見直す。在学中の学生の成長具合など、教育の質を測る指標をつくり、複数段階で評価する。受験生らが偏差値やイメージではなく、教育内容を比較して進学先を選べるようにする。大学間の切磋琢磨(せっさたくま)を促し、大学教育全体の質向上にもつなげる。」とある。果たしてこの取組が機能するだろうか?

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