あの有名作曲家ファズル・サイが“イスラム侮辱”で裁判に

１０月１９日　トルコが誇る世界的作曲家にしてピアニスト、ファズル・サイは、日本でも公演がありましたから、皆さまご存知でしょう。
そのファズル・サイがイスラムを侮辱したと、訴えられて裁判です。

　Hurriyet

ファンや支持者の抗議の中、世界的ピアニストファズル・サイが「イスラムを侮辱した」として訴えられ、昨日、第１回の審問に出廷しました。
サイは抗議文を提出し、２月１８日までつづく裁判には、健康上の理由のため、出廷できないと主張しました。

ファズル・サイはツイッターで、オマル・ハイヤームの詩を引用して、「公然と人々の信仰を侮辱した」として告訴されました。
これに対しサイは、「私のツイッターの記事は公開されたものではなく、私について知りたい人だけが見ることができるものだ」と言い、「私は個人的な場で自分を表現したのだから、人々の信仰を公然と侮辱したことにはならない」と主張しました。
「私のツイットが気に入らない人は見なければよいではないか」と、サイは言っています。

オマル（ウマル）・ハイヤームは１１世紀のペルシアの詩人・学者。
・・・ファズル・サイはなにを書いたの？と気になる方のために言うと、サイはハイヤームの２行連句を引用して、ちょっとふざけただけみたい。
「その川にはワインが溢れていると、あなたは言う。エデンの園は酒場か？　ムスリムたちに２時間を与えると、あなたは言う。エデンの園は売春宿か？」
気に入らないツイットは見なきゃいいのにね。

ロシアの戦艦がダーダネルズ海峡を通過した

ロシアのデストロイヤー級の戦艦スメトリヴィ号が、シリアの緊迫が高まる中、今日、ダーダネルズ海峡を通過しました。
この船は４月５月、シリアの沖をパトロールしていました。

　Hurriyet

ダーダネルズ海峡を通過するロシアの戦艦。行く先はシリア？

トルコの沿岸守備船に付き添われて海峡を通過した戦艦はエーゲ海へ向かっていきました。シリアへ向かうのかどうかはわかりません。

ロシアはシリアのバシャル・アルアサド大統領が信頼する同盟国であり、ロシアはシリアの地中海岸の町タルトゥスに海軍基地を持っています。
・・・アサドがいつまでもがんばっている理由はここにあるのですよね。

エルドアン首相、イラン大統領とシリア危機について討論

１０月１８日　エルドアン首相は、バクーで行なわれた「経済協力機構（ＥＣＯ）第１２回サミット」で、イランのアフマディネジャド大統領と予定外の会談を持ち、シリア危機について討論しました。

　Hurriyet

トルコのエルドアン首相（左）はバクーでイランのアフマディネジャド大統領と
シリア危機を中心に話し合った

２人は４０分にわたって語り合い、国連のブラヒミ特使の最近の中東訪問についても意見を交換しました。
この会談にはダウトオール外相と公正発展党（ＡＫＰ）のクルトゥルシュ副党首も出席しました。

エルドアン首相は、シリアの砲撃で５人のトルコ市民が死んだ１０月３日のアクチャカレの事件に対して、トルコはシリアに適切に応酬し、今後も必要な手段をとりつづけると語り、アフマディネジャド大統領は事件に関してトルコを支持すると答えました。
２人はＰＫＫ問題についても話し合いました。

　　　ＰＫＫが６人の教師を誘拐し、解放した

近頃、テロリスト集団ＰＫＫ（クルド労働者党）は東南部で学校の先生たちを拉致することが多くなりました。
彼らは連行した先生たちに彼らのプロパガンダを聞かせた後、解放するようです。愚かなテロリストたちは教師たちを洗脳して、一般市民を味方につけようと考えているのでしょうか。そんな簡単にテロリストに洗脳されるほど、先生方、バカじゃないです。

Hurriyet

今朝、東部ウードゥル県のカラコユンル地区ブラクバシュ村の学校に、２人の武装したテロリストが侵入、１９人の教師を外へ連れ出しました。
その後、テロリストは教師６人を約時間拘束し、彼らのプロパガンダを聞かせた後、解放しました。

１０月１５日には、東南部のシイルト県で、３人の女性教師が拉致され、翌日解放されました。

ＰＫＫはトルコだけでなく、アメリカもＥＵもテロリスト集団と認定しています。

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イラン国境に近いウシャク・パシャ宮殿の修復なる

１０月１７日　イラン国境に近いアール県ドーウベヤジットにウシャク・パシャ宮殿という美しい建物があるのはご存知でしょうか。
最近、宮殿の穀物倉庫部分の修復が終り、ツーリストの注目を集めはじめています。

　Hurriyet

トルコで最も荘厳な建物のひとつといわれる宮殿は、最近、ＴＶシリーズでも紹介され話題になったようです。
「食物倉庫は涼しく乾燥して、食物を保存するのによく造られていました」と、アール県のムフシン・ブルト文化観光局長は言っています。
砂岩色の建物の壁は過去の未熟な修復で無数の亀裂が入っていたのを、今度の修復で一新されました。

この宮殿は、１６８５年、チョバク・アブディ・パシャによって建設が始まり、パシャなき後、息子のウシャク・パシャが建設事業を引き継ぎ、彼の孫のメフメット・パシャが最終的に完成させました。、
ハーレム部分は、扉の上の碑文によると、１７８４年、ウシャク・パシャの時代に完成しています。

この宮殿もトプカプ宮殿同様、宮殿としてだけでなく、主要な行政センターとして使われていました。
ブルト局長によると、ウシャク・パシャ宮殿は世界で最初の暖房システムを備えた建物だそうです。

来年はトルコに滞在するシリア難民は４０万人に達する！

トルコの財務大臣がもうたまらんと音を上げていますが（昨日の頁参照）、２０１３年６月までにはトルコに押し寄せる難民の数は４０万人に達するだろうと推測されています。
しかも、トルコ政府は４０万人のシリア難民を受け入れる意向を示しています。太っ腹ですねえ！

　Hurriyet

着の身着のまま、トルコ入国を待つシリア難民。来年には４０万人に達するだろう

国連難民機関は９月、内戦を逃れてくるシリア難民の数は今年末には７０万人、２０１３年６月には１５０万人に達するだろうと警告しました。

これまで、トルコは、シリア難民の支援のために国家予算から４億トルコリラ（１７６億円）を充当したと、シムシェク財務相は言っています。
地方行政や国家施設が出費した分を加えると、さらに高額になるだろうということです。
国家予算から捻り出したお金は、トルコ国内に滞在する１０万人を越すシリア難民を支援する組織に渡されています。

１０月１５日現在、トルコ国内の１４のキャンプに１０万人以上のシリア難民が“一時的保護”を受けています。
トルコ政府は、さらに３万人を収容するため、あと２つのキャンプを建設中です。

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ハッカリでまたＰＫＫと治安部隊の衝突、兵士と村人に死者も

１０月１６日　東部ハッカリ県のチュクルジャで、トルコ治安部隊とＰＫＫテロリストとの衝突があり、軍曹１人と村の女性１人が死亡、ＰＫＫ側も６人が死亡しました。

　Hurriyet

治安部隊と村人の間に緊迫した空気が・・・

チュクルジャから２０キロのカザン渓谷で衝突が起こり、いまも継続中。憲兵隊の特別作戦部隊と、カイセリとボルのコマンド部隊も作戦に参加しました。
４人の兵士が負傷、ＰＫＫ６人が死亡。戦死したのはアイクト・キョルオール軍曹。

村の女性２人が負傷。アジザ・チェティンさんは病院に運ばれた後、死亡。ケジバ・チェティンカヤさんはハッカリの病院で治療中。
女性はヘリから投下された爆弾の散弾で死傷したため、治安部隊幹部に村人が詰め寄り、緊迫した空気になりました。

「トルコはシリア難民のために少なくとも４億リラ使った」財務相

「トルコはトルコ領内に逃げ込んできたシリア難民のために、少なくとも４億リラ（約１７６億円）を消費した」と、メフメット・シェムシェク財務相が言いました。
「地方行政の出費を加えると、消費した金額はさらに増える」

　Hurriyet

「シリア難民のために、トルコは大変な出費をしているんです」と財務相

「シリア難民の数はトルコが背負い込む限界を超えている」とＭＨＰ（民族主義者行動党）のデヴレット・バフチェリ党首も声を上げています。

トルコのキャンプには、いま１０万人以上のシリア難民がいます。テントやコンテナハウスの設営から、３度のゴハン、衛生面等々、冬に向かって出費はかさみます。国際社会はトルコ１国にまかせておいてよいのでしょうか。

トルコ、シリアの民間航空機のトルコ領空侵入を禁じた

１０月１５日　トルコのダウトオール外相は、政府はシリアの民間航空機のトルコ領空侵入を禁じたと発表しました。

　Hurriyet

シリア政府側が民間航空機を使って軍用品を運んでいるため、この決定をし、シリアにその旨、通告したと、ダウトオール外相は土曜、発表しました。

先週、トルコはトルコ領空を通過しようとしたシリア航空機を着陸させ、積まれていた軍用品を押収しました。
貨物の送り主のロシアは、積荷はレーダーの部品のスペアで軍用品ではないと言っています。シリア政府は、“トルコの強奪行為”を非難しています。

シリア政府はお返しに、トルコ航空機のシリア領空侵入を禁じると通告してきましたが、「トルコはべつに痛痒を感じない」とッダウトオール外相は言っています。

・・・つまり、ロシアが支援しているからアサドもがんばっていられるわけで、ロシアからの武器の輸送を断とうということですね。

トルコ治安部隊がシリア軍兵士１１人を逮捕

ハタイ県のトルコ治安部隊は、土曜、国境を越えてトルコ領内に逃げ込んできたシリア軍の兵隊１１人を逮捕しました。

　Zaman

トルコ治安部隊に逮捕されたシリア兵

ハタイ県に近いシリア側の町アズマリンで、今週、政府軍と反政府軍の激しい戦闘があり、反政府軍がほぼこのエリアを制圧しました。
トルコ軍に逮捕された１１人のシリア兵は、現在、シリア反政府軍の管理下に置かれています。

「トルコはまもなくＥＵとの新しい一頁を開く」バーウシュＥＵ相

ＥＵ理事会議長国が来年１月からアイルランドに変わりますが、トルコのエゲメン・バーウシュＥＵ相は来年に期待をかけています。
現在の議長国はギリシア・キプロスですから、まあ、なにを言っても、いまは仕方がない。むだな努力をするより、来年に期待しようということでしょう。

　Hurriyet

エゲメン・バーウシュＥＵ相

トルコは２０１３年１月からアイルランドが議長国になる時期に、ＥＵ加盟への新しい一頁を開く計画だと、昨日、バーウシュＥＵ相は民放局カナル・テュルクのインタビューで語りました。
「われわれはこの問題でアイルランドの担当者と会合を持ち、アイルランドのＥＵ相をトルコに招待しました」
「われわれはまもなくアイルランドを訪れます。アイルランドと近い英国の担当者とも会合を持ちます。１１月初旬、英国を訪れる予定です」

いまはＥＵ問題は凍結中。来年に向かって,根まわしは始まっているということですね。

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近東最古の都市遺跡チャタルホユクから黒曜石の鏡が出土

１０月１４日　コンヤ県チャタルホユクの遺跡は、もう５０年発掘作業がつづいていますが、最近、副葬品の黒曜石の鏡が発見されました。

　Hurriyet

チャタルホユクの遺跡。副葬品の黒曜石の鏡（右）が発見された。

「チャタルホユクの居住区跡は近東に築かれた最古の都市と考えられています」発掘チーム長の助手、エーゲ大学のセラップ・オズドル先生は言っています。
世界の多くの人々が定住生活をしていなかった昔、チャタルホユクでは８０００人が“都市生活”を営んでいたそうです。

今度の発見には「ジェオレイダー」という新技術が使われたことが大きく貢献したとオズドル先生は言っています。この技術でＸレイよりはるかに正確に地中の状況がわかるようになったそうです。

チャタルホユクの都市遺跡の特色は、人々が平和に平等に暮らしていたと思われる点です。階級制度を暗示するものがいっさい発見されていない。家はみな同じ大きさで、支配者の邸跡がない。儀式場跡や、野蛮な生贄が行なわれた跡もない。
これは古代社会としては例外的で、非常に興味深い特色として研究者の注目を集めています。

・・・昔、私もコンヤを訪れた帰りに、この遺跡に寄ったことがあります。こんなところに、最古の都市があったのかと感無量で，野っ原のような古代都市跡を眺めた記憶があります。

シリア国境で密輸業者と軍が衝突、兵士３人負傷

東部ハタイ県クルクハン地区で、歩哨所で勤務中だった治安部隊の兵士と密輸業者が銃撃戦になり、兵士３人が負傷しました。

　Hurriyet

茶とタバコを運んでいた密輸業者が国境を越えようとして治安部隊に見つかると、銃撃をしかけてきました。
治安部隊がただちに応戦、３人の兵士が負傷しました。密輸業者たちはシリア領内に逃げ込んだそうです。
負傷者３人は治療中ですが、経過は良好とのこと、まずはよかったけれど、密輸業者まで銃撃してくるとは恐ろしいですね。
シリアではお茶の葉もタバコも、つまりなにもかも不足しているようですね。

東南部で民間人２人がＰＫＫに誘拐された

１０月１３日　１２日、東南部シュルナック県ベイテュシェバプ地区で、ＰＫＫと思われるメンバーに走行中の車が止められ、２人が連れ去られました。

　Hurriyet

ＰＫＫのテロリストはこんな連中です。

テロリストたちは通行する車を止め、ドライバーの身分証明書をチェック、彼らのプロパガンダをぶちあげたあげく、２人を連れ去ったそうです。
１人は臨時教員の女性、フィリス・スメルさん。もう１人は村の警備員のネシム・ティムールさん。
警察はすぐに捜索を開始しました。ＰＫＫはなぜかこの頃、先生を狙っています。まったく、なにを考えているのでしょうか。

エルドアン首相、シリアに対する国連の怠慢を非難

エルドアン首相は、土曜、イスタンブールの世界フォーラムで、シリアに対する国連安保理の怠慢を激しく非難しました。

　Sabah

「シリアではもう２０か月も人道的悲劇がつづき、わが国は対策に努力しているのに、国連安保理は介入しようとしない」
「シリアのアサドは毎日何百、何千の人々を殺しているが、国連の態度はこれを容認、助長しているかのようだ」
「２０年前、バルカンやボスニアで何千何万の虐殺が起こったが、国連は２０年前と同様、たよりにならない」

・・・トルコ領内にすでに１０万人のシリア難民がいて、さらに増えつづけています。国連はトルコに任せっぱなしでよいのでしょうか。

　　　トルコのイシュバンカスが三菱東京ＵＦＪ銀行と提携

トルコの最大手銀行イシュバンカスと日本の三菱東京ＵＦＪ銀行が幅ひろく業務提携することを決めました。

　Hurriyet

イシュバンカスの預金口座などリテール（小口金融）業務を三菱東京ＵＦＪの顧客企業に仲介するそうです。
トルコに進出する日本企業が三菱東京ＵＦＪを通じて、従業員対応を含む多くの金融サービスを受けられるようになります。

この記事はHurriyet 紙が、「日経新聞によると」として報じています。

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「シリアが攻撃をつづけるなら、さらに強力に反撃する」参謀長

１０月１１日　シリアの迫撃砲がトルコ領内に撃ち込まれつづけるなら、トルコはシリアに対してさらに強力に応酬する用意があると、昨日、ネジュデット・オゼル参謀長が記者団に語りました。

　Hurriyet

国境の町アクチャカレを訪れたオゼル参謀長（左端）

アクチャカレを訪れたオゼル参謀長は「トルコはすでに反撃したが、シリアの攻撃がつづくなら、さらに強力に反撃する」と語り、「わが軍はここにいる。ここで身構えている」と結びました。
その後、参謀長は、今月３日、シリアの砲撃で殺された５人の市民の家を弔問に訪れました。

・・・必要なら戦争も辞さない、と言ってはいますが、トルコだってシリアのぐちゃぐちゃ泥沼に巻き込まれたくないはず。強力発言でシリアに脅威を与えるのがねらいだと、ババジャン副首相が言っているのをなにかで読みました。

　　　古代の商業都市カイセリで商業記録が発見された

中央アナトリア・カイセリのメフメット・オズハセキ市長によると、古代貿易の記録がカイセリの発掘で発見されたそうです。

　Hurriyet

昨日、第１５回「アンタリヤ企業家ビジネスメン」の会合で、オズハセキ市長が、６０００年昔の領収書や請求書がカイセリの発掘で見つかったと報告しました。

「商業は昔からカイセリの人々にとって重要なことでした。６０００年昔、この都市に住んでいた一族が交易コロニーを築き、メソポタミアからやってくる人々と品物を交換していたのです。
アナトリアでは、壷や美術品や彫刻は他の場所でも発見されていますが、カイセリから出てきたものはすべて、請求書や送り状や領収書なのです」

・・・６０００年前も請求書だの領収書をやりとりしていたの～？

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PKKのテロが学校の教師や学生をターゲットに

１０月１０日　まったくＰＫＫ（クルド労働者党）はなにを考えているのでしょう。テロリスト集団はテロを働くのがショーバイでしょうが、小学校や高校を襲って、先生や生徒に火炎瓶を投げることにどういう意義があるのでしょうか。

　Hurriyet

事件後、帰宅する高校生たち

１０月９日、ＰＫＫが東南部ディヤルバクル県の学校と、同じく東南部シュルナク県イディル地区の８つの学校を火炎瓶や手づくり爆弾で攻撃し、教師や学生たちを負傷させました。教師も学生も恐怖でパニックに陥ったそうです。

ディヤルバクルでは、マスクで顔を隠した約１０人が午前８時半、シェヒットリク高校に乱入、理事室と教師の会議室に爆弾を投げました。火はひろがる前に、消し止められました。
この攻撃で教師２人、学生１人が負傷しました。攻撃後、学生たちは帰宅、警察が監視カメラで攻撃者を調べています。

シュルナク県のイディル地区では小学校５校、高校３校がＰＫＫの支持者たちに襲われ、小学生２人が火炎瓶で負傷、イディル国立病院に運ばれました。

　　 学校テロ ー 続報

昨日、テロリストに襲われたディヤルバクルの学校の監視カメラを調べたら、からだを張って生徒を守ろうとする健気な教師の姿が映っていました。

　Hurriyet　

シュクリュ・キキザーデ副校長先生（右）がマスクをしたテロリストと争っています。
「なにをするんだ？　おまえら、子供たちを殺す気か！」と、キキザーデ先生は叫んでいたそうです。

アテネのモスク建築計画は財政危機で棚上げに

「ギリシア・ムスリム協会」の要求で、ギリシア当局はアテネにモスクを建てることを約束していたのですが、「悪化する財政危機のため、無期延期」と、このほど、ムスリム協会に通告があったそうです。

　Hurriyet

こんなモスクができる予定だったんですけど・・・

「ギリシア政府は遅かれ早かれ、アテネにモスクを建てます。しかし、いまはそんな経済的余裕はありません」というギリシア教育・宗教省のカランツィス宗教事務局長の話です。
まあ、仕方ないでしょうね。ない袖は振れません。いっそ、ムスリムの浄財を集めて造れば？　ギリシアに住むムスリムに、そんなお金あるわけない？　そうですか、すみません。

「もうオスマン時代じゃないんだ」とシリア、トルコを非難

１０月９日　シリアは先日のトルコのダウトオール外相の発言（１０月７日頁参照）に怒り狂っています。
ダウトオール外相は、シリアの軟禁中のファルク・アル・シャラ副大統領を「良心と良識のある人物で、虐殺には関与していない」と、ほめたたえ、アル・アサドを追放し、彼を大統領にすればよいと語りました。

　Hurriyet

シリアのアル・アサド大統領と軍の幹部たち

「トルコのダウトオール外相の言ったことは、政治的外交的にはなはだしい失言だ」と、シリアのオムラン・アル・ゾフビ情報相が怒りのコメント。「もうオスマン帝国の時代ではないのだ」
まあ、確かに内政干渉的発言ですけど、アサド大統領が退陣しないと、シリアはもう収拾がつかないのでは・・・。

２０１１年３月、シリアの内戦が始まって以来、シリア=トルコ関係は緊張していますが、先日のシリアの砲撃でトルコ市民が殺されて後は、緊張はますます悪化しています。
現在、トルコは領内にシリア難民およそ１０万人を受け入れ、反体制派の「自由シリア軍」をオープンに支援し、アサド大統領の追放を求めています。

「シリアで最悪のシナリオが起こっている」ギュル大統領

ギュル大統領がシリア=トルコの緊張について沈黙を破り、シリアはいまや“最悪のシナリオ”へと向かっていると、発言しました。

　Hurriyet

軍用トラックを積んでシリア国境へ向かうトラック

「トルコ=シリア国境の厳しい緊張は“最悪のシナリオ”への危機を示している」とギュル大統領は警告し、早く変化が起こることを希望すると記者団に語りました。
「シリアでは、いま、最悪のシナリオが進行している。先週は、国境の町で、わが国の市民５人がシリアの砲撃によって命を奪われた」

２０１１年３月、シリアの危機が始まって以来、アンカラとダマスカスは緊張していますが、事件後はさらに悪化しています。
「この状況が長くつづくことはないだろう。遅かれ早かれ、シリアには政治的変化が起こるだろう。血が流れ、シリアが廃墟と化す前に、変化が起こることを望んでいる。
国際社会も積極的にシリア問題に関与して欲しいというのが私の意見だ」と、ギュル大統領は語りました。