トルコのトピックス

トルコの新しい話題をご紹介しています

イスタンブールにギリシャ観光オフィスがオープン

2013年11月29日 | 国際
11月30日 ギリシャのオルガ・ケファロジャンニ観光相とトルコのエゲメン・バーウシュEU相が、11月27日、イスタンブールに新らたにできるギリシャ観光オフィスのオープニング・レセプションで会談しました。

 Hurriyet
歓談中のケファロジャンニ観光相(右)とバーウシュEU相。観光相のセクシーな
お召物に、トルコの紳士方、目のやり場に困ったのでは?


ケファロジャンニ観光相とギリシャ観光オフィスのパノス・レイヴァドス所長が、イスタンブールのギリシャ領事館で開催したこのレセプションには、フェネルのギリシャ正教総主教座のバルトロメウ総主教やギリシャ諸都市の市長を初め両国の要人が出席しました。

レセプションのギリシャ料理は有名なギリシャ人シェフ、レフテリス・ラザロウさんとステロス・パルリアロスさんが担当。オフィスのオープンはギリシャ=トルコ観光の新たな出発点となるでしょう。


・・・ギリシャももう少しマジメに観光に力をいれて、経済たてなおしてください。

アナトリアの歴史が始まったキュルテペの遺跡

1948年に始まったカイセリ県キュルテペの古代古墳遺跡の発掘は、いま66回目の今年の発掘を終えるところです。キュルテペはアナトリアの歴史が始まった中心地と考えられます。
今年の発掘では、大きなモニュメント的遺構が出土したと、キュルテペ発掘隊長のフィクリ・クラクオール教授は言っています。

 Hurriyet

遺構の大きさは75×60メートル、その一部が出土したのですが、「これはアナトリアはもちろん、中東地域で見つかった最大の建造物です」とクラクオール教授は言いました。

この古墳遺跡は初期青銅器時代、中期青銅器時代、鉄器時代、古代ギリシャ・ローマ時代の部分からなっています。
最も重要な記録はBC2000年の石板です。この石板から、当時、アナトリア地方にはいくつかの王国があり、カニシュ(Kanis)王国が最も有力な地方王国だったことがわかりました。

発掘隊長のクラクオール教授は、キュルテペ古墳はトルコで最も長期にわたって発掘がつづいている遺跡だと言っています。
「発掘の最初の目標は青銅器時代の歴史の発見でしたと、クラクオール教授は言いました。
発掘は70人で行なわれています。カニシュ地域の発掘はすでに終わり、次はアッシリア商人が最も訪れていたカルム(Karum)へ移動します」

アナトリアの中心だったキュルテペの人々が読み書きを身につけ、そのおかげでアナトリアは有史時代に入ったと教授は言っています。

これまでに23500点のクサビ型文字の石板が見つかっています。しかし、キュルテペは広い。これまでに掘ったのはこのエリアの1%に過ぎないと、発掘チームは考えています。

・・・写真の動物の出土品の説明がありません。古代人もユーモラスで、かわいいものをつくったんですね。


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トルコ政府とギュレン師の論争がヒートアップ

2013年11月29日 | 国内
11月29日 「フェトゥラー・ギュレンとトルコ政府の関係がよくわからない」という方、「学習塾論争ってなんだ?」という方、どうぞお読みください。

アメリカ在住のイスラム学者フェトゥラー・ギュレン師とトルコ政府間の論争が、11月28日の日刊タラフ紙の記事によってヒートアップしました。
2004年、国家治安委員会(MGK)がギュレン運動に関して決議し、政府トップがそれに調印していたことをタラフ紙が明らかにしたのです。

 Hurriyet
フェトゥラー・ギュレン師はこんな面構えのお方です


2004年8月、国家治安委員会の会合でなされた決議には、「フェトゥラー・ギュレンの作戦に対してとるべき処置」と題した2頁があると、タラフ紙は報じました。

「厳しい制裁を導入する法的規制が適用されるべきであり、(ギュレン運動に対する)行動プランを準備すべきである」と決議には書かれ、アフメト・ネジュデト・セゼル前大統領、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相、ヒルミ・オズキョク前参謀長、当時は外相だったアブドゥラ・ギュル現大統領が調印しているそうです。

トルコ語で「ジェマアト(コミュニティ)運動」または「ヒズメット(奉仕)運動」として知られるギュレン運動とトルコ政府間の緊張は、エルドアン首相が最近、受験のための学習塾(dershane)を廃止すると発表してから、エスカレートしています。
トルコの学習塾の多くはギュレンの信奉者たちが経営しているのです。

エルドアン首相は、ギュレンの信奉者たちが、政府の計画に声高に反対するのを“中傷キャンペーン”と言いました。
ギュレン運動は最近まで、現政権公正発展党(AKP)と緊密な関係にあると思われていましたが、タラフ紙によると、MGKは2004年にはすでに、この運動を“終わらせる”決議をしていたのです。

しかし、ビュレント・アルンチ副首相は、28日、ブルサで記者団に、「私はその会合には出席していませんが、そのような決議がなされたとしても、それは勧告に過ぎません」と語りました。「政府は勧告されたからといって、従うことは決してありません。MGKの文書が決議していても、それから11年間、なにも起こっていませんし、政府はギュレン師の信奉者を傷つけるようなことは何もしていません」

 Hurriyet
28日、ブルサの記者会見で語るビュレント・アルンチ副首相


エルドアン首相の政治顧問ヤルチン・アクドーアン氏も、ツイッターで「政府はMGKの決議に従うようなことはしていない」と語りました。
「2004年のMGKの決議は政府の決議ではないし、閣僚会議も決議していないし、行動もとっていません」

ギュレン運動に対して戦う計画をたてるよう政府に圧力をかけたMGKは、多くの公的施設にも同様な勧告を送っています。

首相府の「監視・調整委員会(BUTKK)」はMGKに調整役を委任され、また、内務相、外務省、国家情報機構(MIT)は、ギュレン運動の作戦を緊密にフォローするよう依頼されています。

また、この決議によると、財務省の財政犯罪調査委員会(MASAK)も、ギュレン関係の施設に金を与えるビジネスマンと不定期な金の流れを監視する業務を委任されています。

・・・最近、次第にギュレン運動の顔が見えてきた感がありますね。


難民キャンプのシリア人は毎月80リラ(4000円)で生活

 国会人権調査委員会の最近のレポートによると、トルコの難民キャンプで暮らすシリア難民たちは、毎月、80リラ(約4000円)の手当てで暮らしているそうです。
難民キャンプの温かい食事の配給は“食文化の違い”で廃止され、いま難民たちは、難民キャンプ内の食料品店でカード制で買った食材で自分で調理しています。

 Hurriyet
レポートによると、多くの難民は、80リラはキャンプ内の食料品店で食物を買うのにじゅうぶんではないと苦情を言っているそうです。
80リラの中の60リラは、国連の世界食糧計画から提供され、残り20リラは、トルコ首相府の災害緊急管理局(AFAD)が提供しています。

国会審議会の下部委員会は、11月13日14日、南部キリス県とカフラマンマラシュ県の3つの難民キャンプを訪ねて、難民の状況を調査し、レポートを起草しました。
このレポートによると、母国の内戦を逃れてきたシリア難民の20万2793人がトルコの難民キャンプに暮らし、49万1000人がキャンプの外の借家に住んでいるそうです。

キリスのキャンプに住む難民たちは、キャンプ内の食料品店は街の店にくらべて高いと苦情を言っていると、レポートにあります。しかし、カフラマンマラシュのキャンプでは同様な苦情は聞かれません。
「カフラマンマラシュの入札システムが難民キャンプの食料品店の値段を安くしている。キリスのキャンプでもこのシステムを採用するべきだ」とレポートは言っています。

・・・また冬がやってきます。キャンプの生活は厳しくなるでしょう。アサドはこの難民たちに責任を感じないのでしょうか。


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予備校問題で政府とギュレン運動とメディアが三つ巴の論争

2013年11月28日 | 国内
11月28日 このところ、アメリカ在住のイスラム学者フェトゥラー・ギュレン師率いる「ヒズメット運動」のトルコ国内での動きが活発ですが、いま政府とギュレン運動が予備校問題でもめているのは、トルコ通のかたならご存知のことと思います。
トルコ全国の予備校(学習塾)の30%は、ギュレン運動が所有しているそうです。

 Hurriyet
ナビ・アヴジュ教育相(中央)は記者会見で政府寄りのメディアだけを招いたとして非難された


トルコ政府は最近、“教育制度を万人に平等にするために”私立の予備校を閉鎖すると発表しましたが、それ以来、政府とギュレン運動の間で緊張が高まっています。

教育省がこの問題に関する記者会見に、政府寄りののメディアだけを招待したので、招かれなかったメディアは怒りました。
トルコの権威あるメディア団体が「政府と教育省は偏っている」と声明を発して非難しました。

「民主的に選出された政府が報道の自由に関して境界を踏み外している。われわれは大衆がニュースを知るのを妨害しないよう政府に要求する」と声明は言っています。

予備校問題で教育省の記者会見に招かれたメディアは、NTV,カナル24、Aハベル、スカイ・テュルク、ハベルテュルク、ベヤズTV,カナル7、TRT,国営アナドルニュース局。
招かれなかったメディアは、TGCによれば、CNNテュルク、カナル・テュルク、サマンヨルTV,TGRT,ジハンニュース局、ドーアン・ニュース局、イフラス・ニュース局。

・・・ギュレン運動とAKP政府の関係は、異教徒の外国人であるわれわれには、うかがい知れないものがあります。


  クルド語のスラングがドイツの「今年の若者ことば」に

ドイツの「今年の若者ことば」は、日本の「流行語大賞」みたいなもの。辞書出版社として知られるランゲンシャイト社が、2008年から毎年、投票によって選んでいますが、「今年の若者ことば」はクルド語で「ボス」とか「チーフ」とかを意味する「ボボ(bobo)」に決まりました。


「ボボ」はトルコ語の「ババ(父)」から派生したことばで、主としてトルコのクルド人が多く住む地方で使われていると、ドイツのニュース・ウエブサイトは報じています。

ちなみに、ドイツの「今年の若者ことば」の2位は、英語のフェイマス(有名な)の名詞「フェイム」で、「クール」という意味で使われているそうです。
昨年の1位は“Yolo”すなわち英語の“You only live once”の頭字語でした。

・・・クルド語のスラングがドイツの“流行語大賞”になるのは、ドイツにそれだけ多くのクルド系トルコ人がいるということでしょう。


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宗教誕生の地ギョベクリテペの再認識

2013年11月27日 | 文化
11月27日 体系づけられた宗教はアナトリアに生まれたと考えられます。世界最古の神殿と思われるギョベクリテペを世に知らしめるためのキャンペーンが、昨日、東南部のシャンルウルファ県で始りました。

 Hurriyet
フシギなサークルが並ぶギョベクリテペ


キャンペーンの一環として、12000年昔の神殿で見つかった遺物の写真などを展示した展覧会が、11月24日、ケマレッティン・ガゼズオール文化美術センターで開かれました。
ドーウス・ホールディングがスポンサーになっているこの展覧会は2月にはイスタンブールに来る予定です。

キャンペーンのコーディネーター、エジェ・ヴァハプオールさんは、開会式で記者団に、ギョベクリテペの重要性と美しさをもっと多くの人々に知ってもらいたいと話しました。
この神秘的な建造物は私たちを魅了します。ギョベクリテペを訪れるすべての人が、この感動を共有すると思います。プロジェクトを実現させてくれたスポンサーに感謝します」とヴァハプオ-ルさんは言いました。

ギョベクリテペは近年の考古学上の発見で最もエクサイティングなものでしょう。石器時代の狩と採集で生きていた人々が、生存のために努力し、自然を知ろうとし、超能力すなわち神を信じ、祈りとともに生きていたことを、この遺跡から知ることができます。

 Wikipedia
ギョベクリテペはシリアとイラク国境に近いトルコ東南部に位置する


ギョベクリテペは新石器時代と文明誕生以前に関する科学者たちの認識を変えました。
発掘と地磁気の調査によって、考古学用語として神殿と呼び得るこの建造物は、少なくとも20はあることがわかりました。

その基本的な形状は、囲いの中心に2本の巨大な柱が立ち、周囲は壁に囲まれています。他にも何本も柱がありますが、すべてT型。高さは3~6メートルとさまざまで、重さは40~60トン。

柱には動物や抽象的なシンボルが彫られています。キツネ、イノシシ、ツル、野ガモが最も多い図柄です。その他、ライオンなど立体の彫像もあります。

 Wikipedia
雄牛のレリーフのある柱

この遺跡が最初に発見されたのは1963年ですが、その重要性が認識されたのは1995年です。その後、クラウス・シュミット教授の指導で発掘が行なわれました。
「ここには狩猟・採集生活の人々の居住地がたくさんありました」と教授は言っています。

「ギョベクリテペはそれらの人々の祈りのセンターでした。“宇宙とはなにか”“なぜわれわれはここにいるのか”という疑問から、神殿は生まれました。神殿ができ、それから都市ができたのです」

発掘調査は現在もつづいています。定住や農耕が始まっていない時代に、人々はこの神殿をどのように設計し建設したのかは、まだわかりません。それが解き明かされるとき、人類の歴史は書きかえられるでしょう。

・・・すごいです。感動です。生まれ変わったら考古学者になります。


「トルコとイランは中東安定のバックボーンになる」トルコ外相

「トルコとイランの友好関係の強化は中東の安定に寄与するだろう」と、11月26日、テヘランで経済協力機構の第21回閣僚会議に出席したトルコのダウトオール外相は語りました。

 Hurriyet
トルコのダウトオール外相(右から2人目)とイランのモハムマド・ジャヴァド・ザリフ外相(左から2人目)。テヘランでの経済協力機構の第21回閣僚会議で。


「私の意見では、トルコとイランが手を結べば、両国を利するだけでなく、中東の安定のバックボーンともなるでしょう」とダウトオール外相は語り、将来のエネルギー協力の可能性を示しました。

「トルコの年間のエネルギ需要量は600億ドルです。トルコは通廊国であり、イランは産出国です。両国が協力すれば、トルコはエネルギー供給国イランの通廊になるでしょう」とダウトオール外相は語りました。

「両国がより緊密に結束すれば、中東の宗派による分裂に大きなインパクトを与えるでしょう。宗派による紛争が起こっている中東で、トルコとイランの対話は中東で最も重要な対話となるでしょう。
いまこそトルコとイラン、中東の2つのパワーが対話すべきときです。イランとトルコの協力は中東に安定をもたらすだけでなく、紛争のダメージも阻止するでしょう」

ダウトオール外相はまた、核交渉でイランが欧州列強と合意したことを賞賛しました。
「2010年5月17日、ここテヘランで、私たちは15時間、ノンストップで話し合ったことを、私は忘れていません。話し合いは朝6時から夜10時までつづき、私たちは食事もしなかった。ですから、この問題の交渉のむずかしさはよくわかっています」


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2600年昔の古代劇場がふたたび劇場としてよみがえる

2013年11月25日 | 文化
11月26日 エーゲ海と地中海の合流点に位置するダッチャは人気のビーチ・リゾートですが、古代都市クニドスのオデオン(劇場)でも知られています。
BC2世紀の古代劇場を修理して、ミュージカルやオペラを上演する劇場にしようという計画が進行しています。

 Hurriyet

「このプロジェクトはムーラ文化・自然遺産保護委員会」が認可すれば実現に向かいます。客席と舞台にはプラットフォームが造られ、照明も設置されます」と、ダッチャのハムディ・ウンジュ区長は言っています。
プロジェクトには建築家や技術者、考古学者が参加し、8か月間で終わる予定です。

「劇場は古代都市クニドスの南の貿易港だった海岸にあり、海からこの都市を訪れる人が最初に目にする建物でした。現在は修復しないと、見学には危険な状態です。
プロジェクトでは破損部分の修理と照明設備などの敷設が行なわれます」とウンジュ区長。
クニドスの劇場はグレコ・ロマン様式で造られ、AD1~2世紀に現在の形になりましたが、その後、何度も修復が行なわれています。

・・・照明に浮かびあがる海辺の古代劇場でのオペラやコンサート、すばらしいでしょうね。


ゲジ公園プロテスト逮捕者の大半は若者、78%はアレヴィ派だった

この夏中、全国にひろがったゲジ公園プロテスト。そのプロテスターとは、どんな人たちだったのでしょうか。

トルコの治安・情報当局のレポートを引用したミリエット紙の記事によると、ゲジ公園プロテストの逮捕者のおよそ80%がアレヴィ派だったそうです。

 Hurriyet

治安当局は、今夏、全国にひろがった反政府プロテストの詳細な総合的分析を行い、逮捕者も調査の対象にしています。
ゲジ公園プロテストと呼ばれた全国的な運動は、5500件以上のデモや集会が行なわれ、5月末、タクシム・ゲジ公園で燃えあがった後、112日間つづきました。

5000人以上の逮捕者を対象にした治安部隊の調査で、プロテスターの人物像が明らかになりましたが、そのレポートによると、逮捕者の78%がアレヴィ派だったということです。

この分析によると、政党と関係のある容疑者はたった12%。その中の6%は“極左グループ”と関係があり、4%は“テロリスト組織やテロリストと提携している合法的組織”のために働いていたそうです。
全国でデモに参加した人は360万人。その中の5513人が、プロテストの起こった80県で警察に逮捕されました。

警察が行なった“人口統計的分析”によると、容疑者の半数は女性。
容疑者の約15%が小・中学校卒、4分の1が高校卒。半数以上が高等教育を受けていて、容疑者の25%が大学卒、36%が大学在学中。

警察の記録で、プロテスターの若さもめだちました。逮捕されたデモ参加者の56%は18歳から25歳。26%が26歳から30歳。40歳以上で逮捕されたプロテスターは1%に過ぎませんでした。

彼らの経済状態を見ると、39%が月収0から499リラ。15%が500から999リラ。31%が1000から1999リラ。5分の1は月に2000リラ以上稼いでいると言いました。


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ラズ人が文化と言語を守るためにラズ研究所設立

2013年11月24日 | 国内
11月25日 トルコのラズ人コミュニティが、その文化と言語を守るために、イスタンブルでラズ研究所を設立しました。
研究所は政治家で学者のメフメット・ベカルオール教授の指導の下に、11月23日、イスタンブールのカドキョイにオープンしました。

 Hurriyet

2010年、ユネスコの「危機にある世界の言語地図」で、ラズ語は一言語と宣言されました。
「私はラズ人協会の設立者で会長になっていますが、実の設立者は2005年に肺ガンで35歳でなくなった歌手のカズル・コユンジュです」とベカルオール教授は言いました。「トルコ最初のラズのロック・バンド“ズーアシュ・ベレペ”のリーダーだったコユンジュが“最初の一歩”を踏み出したのです」

彼らの目標はナショナリズムではなく、言語と文化を守りたいだけだと、ベカルオール教授は力説しました。
「世間ではラズの文化について知識が乏しく、ラズ人といえば、“ひどいアクセントのトルコ語を話す”黒海地方の住民と思われています」

いま、トルコでは母語教育が論議されているのに、政府はラズ語の教師はいないと、あっさり言ったそうです。
「トルコは多くの民族言語を持った、豊かな文化の国です」とベカルオール教授。

研究所の今後の活動について、「ラズ語の教科書をつくること。ラズ語の教師養成のために大学と折衝すること。ラズ人大会も組織したい。ラテン・アルファベットだけでは足りません。2つのアルファベットが必要です。私たちはラズ・テレビ局設立のために、政府とも折衝したいと思っています」と教授は言いました。

・・・ラズ人は黒海地方に多く住む民族ですが、もちろんイスタンブールにも大勢います。昔、コーカサス南部から来た人々といわれますが、これまで自らのアイデンティティを主張することがあまりありませんでした。


  イラン核問題解決への合意にトルコも歓迎の意を表明

米英独仏中ロ6か国とイランの間で行なわれていた、イランの核問題解決への協議が合意に達したことを、トルコも歓迎し、このプロセスを支持すると、ギュル大統領がツイッターで言いました。

 Hurriyet
左からイギリスのウイリアム・ヘイグ外相、ドイツのギド・ウエスターウエレ外相、EUのキャサリン・アシュトン外務政策上級代表、イランのモハムマド・ジャヴァド・ザリフ外相、中国の王毅外相、アメリカのジョン・ケリー国務長官、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相、フランスのローラン・ファビウス外相が声明に出席


「私はイランの核開発に関する今日の合意を歓迎します。私は外交による解決を提唱してきました。この問題を解決に導くために、トルコは多くの外交的努力をしてきました。
これは大きな前進です。まもなく最終的解決がなされると思います。建設的な解決の第一歩に祝辞を贈ります」

ダウトオール外相もこの合意を歓迎し、祝辞を述べ、2010年、トルコとブラジルの仲介で行なわれたテヘラン宣言以来の、最初の具体的発展だと語りました。

ダウトオール外相は明日、テヘランに飛び、11月26,27日に行なわれる「経済協力機構」に出席します。外相はまた、会合とはべつに、イランのザリフ外相にも会うでしょう。


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働くトルコ女性の数は増えたが、仕事の質はまだ低い

2013年11月24日 | 国内
11月24日 統計によると、働くトルコ女性の数は年ごとに増えています。これは女性の自立が進んでいることを示していますが、量的には増えても、質的にはまだ問題があります。働く女性の職種で最も多いのは農業と工場労働者というのが現状です。

 Hurriyet

働いている女性の数は880万人ですが、彼女らの12.5%(110万人)は雇用されておらず、その他はなんらかの形で雇用されています。

雇用されている女性の数は 2005年の530万人から、2013年には770万人に増えています。これは8年間で45%アップしたことを意味します。しかし、この量の増加の質が問題なのです。

2008年の世界的経済危機で、AKP政府は失業を減らすために、女性や若年層を雇用すれば、国は雇用主に奨励金を支払うと約束しました。そのため、登録された女性労働者がかなりな数増えました。

現在、トルコには、社会保証を持った310万人の女性労働者がいて、その数は増える傾向にあります。
彼女らの大部分は、小売業、教育、保健、事務、飲食、既製服、食品の分野で働いています。

しかし、770万人の女性労働者の53%(410万人)は、非公式な、保険もない労働者です。彼女らの中の250万人は農業分野で働き、160万人は都市部で農業以外の仕事に就いています。

企業の経営陣に加わっている女性も決して多くありません。427社の企業を対象にしたある調査では、経営陣に参加している女性は8.5%。
100社を対象にした他の調査では、2008年8.6%、今年、やや増えても、11.2%に過ぎません。

「女性の労働市場への参加は男性支配の資本主義体制の中で、じゅうぶんではないと理解すべきです。女性にとってもっとフェアで人道的な労働プロセスのために、女性をもっと経営に参加させるよう要求して戦わなければなりません」と、女性活動家は言っています。


トルコを訪れる観光客は相変わらず増加の一途

オメル・チェリキ文化観光省は、今年の1月から10月までにトルコを訪れた外人ツーリスト数は、前年に比して24%増加して、3175万7624人に達したと、ツイッターで発表しました。

 Sabah

今年の10月1か月間にトルコを訪れた外人ツーリストは、340万2460人。これは前年に比して11.52%の増です。

最も多かったのはドイツ人で、67万8292任で、全外人ツーリストの19.94%。ロシアが2位で、31万6187人で、9.29%の増。
3位はイギリスの29万72人で8.5%の増。ブルガリアとオランダが4位と5位です。

・・・日本はトルコの観光産業に大いに貢献しているとカン違いしている人がいますが、日本はモノの数に入っていません。


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英土外相が10年前の爆発テロの犠牲者を追悼

2013年11月21日 | 国内
11月22日 11月20日、英国のウイリアム・ヘイグ外相とトルコのアフメト・ダウトオール外相が2003年のイスタンブールでの爆発テロの犠牲者たちを追悼しました。

 Hurriyet

2003年、アルカイーダがイスタンブール市内で、英国領事館、HSBC銀行、シナゴーグをターゲットにして大爆発を起こしました。
ヘイグ外相は2日間の予定でトルコを訪れ、ダウトオール外相と会い、共同記者会見に臨みました。

「あのとき感じたショックと恐怖は決して忘れません」とヘイグ外相は記者会見で語り、テロリストの攻撃を「英国の外交官に対する最悪のテロ」と言いました。
「私たちはテロに対する戦いをつづけます。それが犠牲になった方々に敬意を表することになると思います」

「民主国家として同盟国として、英国とトルコは世界がより平穏に安全になるように、テロリストを否定する努力をともにつづけます」

記念式典は20日、両外相が出席し、英国領事館で行なわれました。
2003年11月20日、テロリスト・グループがイスタンブールの英国領事館とHSBC銀行、シナゴーグに爆破攻撃し、ロジャー・ショート英国総領事を含む30人が死亡、400人が負傷しました。
この攻撃について、アルカイーダが犯行声明をしました。

・・・あれから10年ですね。日本の新聞の1面がイスタンブールで埋ったのは初めてのことでした。シナゴーグでも追悼礼拝が行なわれたことでしょう。


「ギリシャは信仰の自由を知らないのか」とトルコ外相

イスタンブールのアヤ・ソフィア博物館をモスクに変えることもあり得るというトルコ高官の発言に対するギリシャの怒りに応えて、トルコ外相は「ギリシャは信仰の自由というものを知らないのか」と反論しました。

 Hurriyet

オスマン時代の文化的遺物や祈りの場に対するギリシャ政府の不愉快な処遇は“みなが知っていることだ”と外相は声明を発して反論しました。
「アテネは礼拝のために公開されたモスクがないヨーロッパ唯一の首都です。アテネには何百何千のムスリムが住んでいるのです」
ギリシャ外相は、トルコのビュレント・アルンチ副首相のアヤ・ソフィア博物館をモスクに変える可能性もあるという発言に怒りをあらわにしました。(11月20日の頁参照)

・・・私としては、世界中のだれもが、ゆっくり見学できるアヤ・ソフィアであって欲しい。いまのままにしておいて欲しいと思います。



トルコでも家の購入の半分はローン

トルコでは今年1月~9月に、86万戸の家が購入されましたが、その約半分はローンで購入されています。

 Hurriyet
今年売られた家の42%はローン購入


トルコ国営統計局(TUIK)によると、家のオーナーのローンの量は、今年1月~9月、昨年の同時期より30.9%増えて、1060億7000万リラ(533億ドル)に達したそうです。

家の販売数は今年の1月~9月で、2011年の701,621戸から、862,154戸に増えましたが、その41.8%はローン購入です。
ローン購入が最も多いのはイスタンブールで、174,835戸が売れ、その34.3%がローン購入です。

イスタンブールではホーム・ローンの量が、1月~9月、28%増加し、364億リラに達しました。次がイズミルで、ホーム・ローン量は79億リラです。


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シリア難民からトルコにポリオ発生の恐れ

2013年11月19日 | 国内
11月20日 シリア難民が住む国境近くでポリオが発生する恐れがあるため、トルコ政府は集団ワクチン接種キャンペーンを始めます。


「シリアに近い7県の5歳以下の子供100万人と、他の県の50万人の子供にワクチン接種をする計画です。ガジアンテップ県ではキャンペーンが始まっています」と、公衆保健局のメフメット・アリ・トルンオール副局長は言いました。
4000人以上の保健職員がこの仕事に従事することになるでしょう。

今月初め、国連は、トルコを含む中東で、かつてない大々的なキャンペーンを行ない、2000万人以上の子供たちにワクチン接種を行なう緊急プランを発表しました。
世界保健機構(WHO)は、戦争で荒廃したシリアでポリオが14年ぶりに発生し、10人の子供たちが麻痺症状を起こしていると発表しました。

トルコでは15年前にポリオは根絶しました。しかし、60万人のシリア難民が住んでいるのですから、ポリオのリスクもあり得ます。
11月18日、ガジアンテップではワクチン接種が始まりました。シリア難民の避難所になっている他の国境に近い6県でもまもなく始まるでしょう。

・・・自国内の内戦で、ここまで近隣に迷惑をかけてよいものでしょうか。ポリオの手土産までいただくなんて冗談じゃないですよね。


   トルコ副首相の「アヤ・ソフィアをモスクに」発言にギリシャ怒る

アヤ・ソフィア博物館をモスクに変えたいというトルコ高官の発言に、ギリシャ外相が怒りの反応を示しました。

 Hurriyet

「ビザンティンの教会をモスクに変えたいと、トルコの高官がたびたび発言しているが、これは何百万のキリスト教徒の宗教心を侮辱するものであり、国連に加盟したいと宣言している国としては、時代錯誤であり、理解を超えている」と、11月18日、ギリシャ外相が声明を発しました。

「ビザンティンのキリスト教会は、世界の文化的・宗教的遺産の本質的な要素であり、しかるべき敬意と保護を受けるべきである」と声明は言っています。
この声明は、ビュレント・アルンチ副首相が、「アヤ・ソフィアがモスクとなった姿を見たい」と発言した後、出されました。

アヤ・ソフィアに隣接したカーペット博物館の開会式のスピーチで、アルンチ副首相は「私たちはいま、アヤ・ソフィアの隣りにいます・・・アヤ・ソフィアは悲しんでいるように見えます。しかし、私たちはまもなくアヤ・ソフィアがふたたび微笑むと希望を持っています」と言いました。

アヤ・ソフィアをモスクに変えるのは、教会だったこの建物に対して非礼だという意見があるにもかかわらず、モスクとしてムスリムに開放すべしというキャンペーンが起こり、アヤ・ソフィアの立場は近頃、注目されています。

・・・アヤ・ソフィアは博物館のままにしておくべきです。世界中の人々がアヤ・ソフィアを見るために、イスタンブールに来ているではありませんか。


「ゲジ・プロテストを誇りに思う」とトルコ外相が米国で発言

トルコ外相アフメト・ダウトオールがアメリカで「ゲジ公園プロテストを誇りに思う。彼らはヨーロッパ諸国で行なわれていると同様の抗議を行なったのだから」と発言しました。

 Hurriyet

「トルコには抗議する権利があります。ゲジ公園プロテストはヨーロッパ諸国のプロテストと同じであって、中東とは違います」と、ダウトオール外相はワシントンDCのブルックリン研究所の会合で語りました。外相はここで、初めてジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官に会いました。

「表現の自由、思想の自由、集合の自由、選挙の自由と公正のない国々と、トルコを同一視することはできません。われわれはゲジ公園のデモがヨーロッパと同じデモであることを誇りに思っています」とダウトオール外相は言いました。

トルコのゲジ公園プロテストは、5月末、政府の再開発に対する反対から始まり、政府が過剰な警察力を使用して鎮圧しました。エルドアン首相は、プロテスターたちは非民主的な動機で、政府を倒そうとしたと非難しました。

タクシム広場の最後の緑地を救う試みは、近年最大の騒動に発展し、プロテストは全国的に2か月つづきました。
5人のプロテスタと1人の警官がなくなり、大勢の負傷者を出す結果になりました。


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盗掘者のおかげで(?)古代都市を発見

2013年11月18日 | 国内
chakku/he-gerukokubou choukann
11月18日 中央アナトリア・クルシェヒル県チチェキダー地区ビュユク・テフレク村で行なわれている発掘現場で、盗掘者たちが掘った穴から古代都市が発見されました。

 Hurriyet

クルシェヒル博物館のアドナン・ギュチュリュ館長が古代都市が発見されたときのことを話してくれました。
「盗掘されているというエユブ・バラン村長らの知らせで、私たちは現場に駆けつけ、調査しました。盗掘者たちが掘った穴に入って、私たちは古代都市の大きさを知ったのです。
私たちはここがこの居住地の重要な場所であることを知り、ローマ時代の浴場も発見しました。窯場もしっかりした状態で残っていました」

この古代都市はBC2世紀と推測され、浴場はその後、ギリシア正教徒が教会に改装して使っていたと思われます。
発掘は昨年の4月に始まり、今年末までつづくそうです。

「教会を奉献した人々が教会の地下に埋葬されたようで、21基の男性の墓が発見されました。正教会では、教会を奉納した人々を教会の地下に埋葬する伝統があります」とギュチュリュ館長。

このローマの都市は第1級の考古学的遺跡として登録されたそうです。

・・・アナトリアにはいったいどれほどの古代遺跡が埋っているのでしょうか。


   
ダウトオール外相、アメリカ、ロシア、イラン歴訪中

トルコのダウトオール外相は11月17日、18日、ワシントンを訪問、ジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官と会談しました。外相はまた、アメリカの議会とも接触し、ワシントンの多くのNGOの代表やオピニオン・リーダーとも会ったと思われます。

 Hurriyet

最重要議題はシリア危機。アメリカはシリアに軍事介入しないと明言しています。アメリカとトルコのシリアに対する戦略は大筋で一致していますが、戦術的には異なる点もあります。多くの問題に関してトルコの立場を明らかにすることも外相の目的のひとつです。
トルコの中国製長距離ミサイル導入問題も、ワシントンで議題になりました。中国企業の選択について、トルコは欧米からの提案にもオープンであると言っています。

21日、22日は、ダウトオール外相はモスクワで「トルコ・ロシア高等戦略協力委員会」の会合に、エルドアン首相の代理として出席します。
その後、26日、27日、外相は「経済協力機構」その他の会合のためにイランを訪れます。


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