8年という年月をかけた、大友克洋の最新映画。スチームパンクという、宮崎駿雄が得意なジャンルに敢えて取り組んだ意欲作。宮崎映画に匹敵するか!?ってくらいのプロモーションがなされていたはずだったんだけど、興行成績はふるわず、上映期間もあまり長くはなかったように思う。
まあ、見て「納得」。
スチームパンクはアニメとして表現するのはとても面白いと思う。絵の表現としては面白いのだけど、それをストーリーのテーマ性と密接にくっつけちゃったために、それを純粋に楽しめなくなっている気がする。哲学そっちのけでもっとハチャメチャにやってこそ、スチームパンクの元気よさがでるんじゃないだろうか。
そのあたり、「ラピュタ」や「名探偵ホームズ」が楽しめるのに、どうしてこれは楽しめないの?とか、「ハウルの動く城」ってのもあるなぁ、とつい連想したり、なんか窮屈に感じてよそ見をしてしまう。
大友なら大友なりの切り口で、「スチームパンク」なんて言葉にとらわれない方向性をもてるのでは、と思うし、ぜひそうして欲しい。「メモリーズ」収録の「大砲の街」だっけ?ああいうシニカルともユーモアともつきがたい世界観のが、大友らしくて好きだなぁ。
「もののけ姫」を見たときも思ったけど、プロジェクトが監督本人の趣向より、その周囲の人たちの思惑のほうで動いちゃったんじゃないかなぁ。「もののけ姫」は、映画より絵本のほうがずっと好き。まるきり「美女と野獣」だけどさ。
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