いつ鶉を食べたでしょう?ずいぶん昔になります。今日はスペインの鶉です。むね肉とももをローストしてあります。小さいだけに繊細で柔らかい肉質、でも滋味を感じさせます。肉に合わせて力強いガルニは銀杏や栗、季節の名残を伝えています。
濃いルビー色のサンテミリオンのワイン。凝縮された黒い果実味、濃く骨格がしっかりしたワイン。堂々としているが熟成の為か角が取れ風味も素晴らしい。
自分で選んでもなかなかこれほどのワインに巡り合いません!
甘鯛は身自体は締まりがあるわけではないと思います。しかし料理人にかかると美味しい食材に変身します。
まずウロコ、フレンチでは魚は表面をカリッと仕上げる例が多いです。ポワレという料理で出てくる魚は間違いなくこの例に漏れることがありません!これをを表現するためわざわざ食パンを利用して食感を演出した店もありました。甘鯛は特筆すべきウロコがあります。硬すぎず揚げるなり適正に火を通すと素晴らしい食感を生みます。
またフュメドポワソンでは白身の魚が必要ですが甘鯛はそれに最適な食材とのことです。クリーム色のソースはベルモットソース。このソースにはフュメドポワソンは欠かせませんが、甘鯛が使われているかもしれません。
この皿はそれら特質を生かしガルニとともに一つの料理としてまとめられているのではないかと思われます。
甘鯛に乗っているのは金柑とソラマメ、中央には菜の花の緑が皿をまとめています。
久し振りにおいしいシャルドネに出会いました。酸の切れがよく、ミネラルを含み豊かさを持ちエレガント、余韻に甘味を感じる。
美味しいワインには赤白にかかわらずなめらかでエレガントそれらは持ち合わせているようです。
美味しいワインには赤白にかかわらずなめらかでエレガントそれらは持ち合わせているようです。
今は、もうお店はないようですが、フォージュロンという店がパリにありました。スペシャリテが”ゆで卵のトリュフソース”。その皿も美味しかったのですが、メートル・ドテルが絵にかいたような紳士で印象に残っています。
"卵の半熟蒸しトリュフとフォアグラのソース"はその皿を彷彿とさせる濃厚で香り高い味わいで印象深く感じました。シェフがいらしたので素直にお聞きしました。
やはり、フォージュロンの料理は意識されていたようで、そのうえでこの皿が生まれたとのことでした。私の考えは間違っていませんでした。
以前行った店の料理という点とこの皿が線でつながり、ブランドノワールのシャンパーニュと味わえる僥倖を感じた瞬間でした。
まさか、昔食べた料理の影を見るとは・・・