青海島「船越」・・・気温22度 水温16度 透明度 8~12
ここ3,4日どれだけ今日という日を待ち続けたであろう。
い や、正直に言うと今日のようなコンディションをこの一年待ち続けたのである。去年はあの伝説の浮遊系大爆発の日に不本意にも病欠してしまうと言う大失態を演じてしまったからだ。過去を思い出すと二度出現している、ゴマフホウズキイカそしてあのシャチブリも普段穏やかな紫津浦が荒れ狂うほどの強烈な南風の日に出現している。だから 今日のチャンスは逃すわけにはいかないのだ、行く途中横目にみる紫津浦の海が荒れ狂う様をみて嫌がおうにも期待が高まる。
左:シャチブリの幼魚(By miki) 右:ゴージャスエビ(By sasa)
ただ、過去の経験上ここで、あまりにも気合いを入れすぎてしまうと全くの空振りに終わる可能性もあるので、仕切りに冷静さを装うようにした。船越の海は陸上とはうって変わっていたって穏やかなべた凪だ。水中に顔を浸けると昨日大量発生したヘンゲクラゲが更に増え、それに加えてミズクラゲもやたらと目に入ってきた。
これは本格的なアップウェリング現象だと確信し、いつも通りのコースを西へと泳ぎだした。途中ゴージャスエビやヒモエビ、ミズヒキガニの仲間のメガロパ幼生など見て、丁度折り返し地点に差し掛かった。
左:オオトガリズキンウミノミ(By miki) 右:ヘンゲクラゲ(By miki)
振り返った瞬間衝撃が走った。クラゲの間を優雅に泳いでいる羽衣をまとった、楊貴妃を彷彿させるような神々しい魚が目に飛び込んできた。シャチブリだ!!もう何年前になるであろう。おそらく10年近く前に一度だけこの魚をみている。当時もひょっとしたらもう二度と会えないかもしれないと思い、しっかり目に焼きつけておいた記憶が甦る。今その魚が目の前に出現した。
改めて青海島の海に魅了された瞬間だった。撮影終了後浜では大笑しているもの、ガッツポーズしているもの、大声をだしているものなど、喜びの表現は様々であったが、今日潜れたことを本当に幸せに思う。 by 阿部秀樹風