美術館では、ときどき、お客様と絵の解説や質問を通して、お話をすることがあります。
絵を通し、黒部の自然や富山について話していると、「これから、どこそこにいくんだ」というような、ご旅行の話になったりもします。
旅館から来た人や、トロッコに乗ってこられた方、車でこられた方々。
皆様、いろいろ。
最近では、新しく出来た富山県美術館をみてから、こちらに来たというお客様も。
富山県美の企画展では、平山郁夫先生の作品もあって、関連してみることが出来てよかったそうです。
富山県には、他にも個性的でおもしろい美術館があります。富山で美術館めぐりというのも、いいかもしれませんね。
以前、来られたお客様で、「これから称名滝にいくんだ」という方とお話ししました。
ここからだと、車で高速に乗り換えて、2時間ほどでしょうか。
話しているうちに、私も久しぶりに行きたくなり、休日を利用して行って来ました。
せっかくなので、ブログを通して紹介しようと思います。
称名滝は、立山連峰が源流で、弥陀ヶ原を流れた川が、断崖から落ちることで出来ます。
断崖からの落差は350mもあり、日本一です。
称名平駐車場(無料です)から、徒歩30分。滝見台園地から、「ごぉぉぉー」という瀑布を、近くで眺めることが出来ます。
周辺には、大日岳登山口や、八郎坂などの登山道、悪城の壁などの見どころもあります。
左写真は、悪城の壁。称名平駐車場につくまでに、迎えてくれます。
右写真は、称名平駐車場から称名滝への道。坂道ですが、舗装されていてとても歩きやすいです。
今回は、八郎坂を登り、登山をしながら、称名滝、ヒカリゴケを観察しようと思い、出かけました。
八郎坂は、標高差600mをいっきに登る、弘法へ向かう登山道です。
写真は、八郎坂の坂道。展望台を目指します。上にあがるほど、足場は悪くなります。
トレッキング用の登山靴をはき、トレッキングポールを使って、登りました。
この日は良く晴れていましたが、八郎坂はほんのり薄暗い感じ。こういう日は、木洩れ日がきれいです。
草木は、夏から秋へ、変わろうとする変化が見られました。
左写真は、ノハラアザミ。藤色のような淡い紫色の花が咲いていました。右写真は、ヤグルマソウ?かな。とても大きな葉です。
写真は、展望台までの登山道、中間あたり。さきほどまで、見上げていた山が、目線と同じ高さにまで、なって来ました。
横を向くと、山側斜面には、小窓のような手のひらサイズの小さな空洞が、ぽつぽつとあります。
「むむっ」よくみると、ほんのり光るものが。
薄暗闇に、木洩れ日に反応して、「こうこう」とコケが輝いています。
これが、ヒカリゴケ。県の天然記念物に指定されています。
このように、淡い光の小窓が点々と、斜面に続いています。
ヒカリゴケをみつけるには、晴れた日の午前中登山がよさそうです。お昼になると、太陽が上に来て、一層暗くなり、みつけにくいです。
夕方は、下山を考えなくてはいけなくて、不安。また、上り下りでは、下りの方が、安全確認するため、注意が足元にいって、みつけにくいです。
登りの方が、安全の確認が目線に近づくので、自然とヒカリゴケをみつけやすいです。
展望台のところまでくると、このような景色が。
滝見台園地からでは、見えないような上段の滝の様子を見ることができます。
本日は、ここまでで、下山しました。
上り下りともに、色々な方がおられて、挨拶をしました。
ヒカリゴケを観察していると、ガイドに間違われたりもしました(笑)
ちょっと、ご一緒に観察もしました。
このようなことがあるので、山歩きは楽しいです。
称名滝はシーズンによって、様々な姿をみせてくれます。雪どけの頃には、大きな瀑布が。
また、ハンノキ滝という二つ目の滝があらわれることも。
周辺の緑葉、あるいは、紅葉も美しいです。
そして、冬が到来し、称名滝への道が閉ざされるシーズンの終わりには、
運がよければ、滝下周辺には秋の紅葉を、滝の上周辺には冬の雪景色という、何とも素晴らしい光景を見ることができます。
紹介は以上です。
称名滝の他にも、富山県には、たくさんの楽しめる場所があります。
今後も、お客様とともに富山の面白いところ、良さを発見し、発信していきたいと思います。
黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP