生地を買った翌日、 「ま」さんはお仕事で観光地に行っていた。
観光はしてないらしい。
風光明美な場所で 大の男が集合して あーだこーだをする会らしい。
酒は出ない。しごくまじめな集まりなのだ。
「ま」さんがどこで何をしてるかは本筋には関係ないが
緑の高原で野の花を摘み 花冠なぞ編む夫を想像しながら
「ち」は部屋にこもって 裁縫をした。
4本ロックや家庭用電子ミシンがあれば すごくキレイに作れるのだろうが
あいにくそんなものは持ってないので
親戚にもらった直線しか縫えないミシンと 3本ロックで頑張った。
あ゛、3本ロックがあるだけ 恵まれてるかも。
午前中に始めて うんうん唸りながら 夜には完成。途中で息抜きしすぎたかも。
まずは型紙通りの地味な黒いブリーフ。ベージュのライン入り。
形になったら試したくなるのが製作者の性で 当然のように 自分で穿いてみた。
・・・横も前もブカブカで さっぱり具合がワカラナイ。
余っている<大事なトコが納まるべき部分>に
トイレットペーパーの芯を入れてみたりしたが 無駄だった。
「ま」さんは全然帰ってくる気配が無い。
一枚目を本人が試さずに二枚目にかかるのは不安であったが
ヒマだったので 作りはじめた。
ただ どうせ二枚目を作るなら デザインを変えようと思った。
ブリーフは前の切り替え部分の縫い方が複雑だったので
そこは続けて裁断してみることにした。
縫ってるうちに それは<ビキニ>だと気付いた。
「ま」さんにビキニとは驚きの取り合わせだが とりあえず作り始めたので続行した。
ウエストゴムを縫い付ける手前まで進んだとき
もし、このまま帯ゴム無しで 細ゴムを通したら
せくすぃ~な ビキニに仕上がるなぁ。。。と思ったが
「ま」さんの激しい抵抗が予想される。
とりあえず 一晩考えることにした。