繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

スマートフォーフォーとフォーツーの存在意義

2016-01-18 11:43:09 | 日記
まぐまぐニュースに記事を載せてもらいました。
スマートのフォーフォーとフォーツーに関する記事です。
(元はオートプルーブでの記事です。http://car.autoprove.net/column/it_says/)

テーマは、「スマートの存在意義は?」と言うものです。
三波春夫の「お客様は神様です」はもう古いにしても、「顧客主義」というような言葉が言われて久しいです。
勿論、これはお客さんに媚びることではなく、お客さんの価値観、欲しくなるようなものを、作り手は創造すべきだと言っています。

ただ、自動車メーカーにとっては中々そうは簡単にいかず、自社の都合や競争関係、また法の為になどなど、「顧客主義」が後回しになっているケースが多く、結局お客さんが逃げていくパターンも見うけられるのです。
自動車メーカーはお客さんへの想いをもって、新しいクルマを開発することが大切ですが、その想いがどこかで自社と自社商品への想いにねじれてしまう場合が意外と多いようです。

例えば、スポーツカーのようなクルマは自社商品への強い想いが、お客さんの喜ぶものに通じると言うこともあるかもしれませんが、その想いとお客さんの喜ぶものの方向がずれていてはダメですし、
さらに「量産商品」になってくると、自社商品への強い想いよりお客さんの喜ぶものがストレートに大切になってきます。
つまり、量産を狙ってもお客さんの喜ぶものが提案できていないと量産にならないというまっとうで簡単な事実が浮かび上がってきます。
あの偉大なる「Best or Nothing」のメルセデス・ベンツもこの簡単な事で苦労しているようです。
だから、世の中面白い。

http://www.mag2.com/p/news/137918



折りたためる 電動スクーター って?

2016-01-18 09:32:29 | 日記
折りたたみ式の電動スクーターが出たとニュースで見ました。 
名前は、「ScootMan Alpaca(スクートマン アルパカ)」。


大きさは自転車よりも小さく、折りたたむと全長1235mm。本体は20kg。
バッテリーは家庭用100VAC電源で充電出来きる仕様になっていて、また簡単に取り外し可能なので、バッテリーだけ外して部屋でも充電できます。
フル充電での走行距離は25km。
充電は約5時間ですむので、寝ている間は勿論、チョット仕事をしている間にも充電できるということになります。
当然、50ccバイクなどのように、意外と面倒な給油する手間はかからないし、地方では遠くのGSまでいく必要はありません。

なにより、このデザインだと、玄関に置いたり、オフィスや店舗においてもカッコ良く、
「良いかも・・」と勝手に想像してしまう。

その気になれば、チョット重いけど折りたためるからクルマのトランクに積めて、都会まで走りクルマは駐車場において、このScootMan Alpacaで街中をさっそうと走れる。
さらに「私はここに住んでるよ・・」的な見栄もはれてる? (笑)
取り回しはガソリンエンジンのスクーターとさほど変わらなさそうだが、タイヤが小さいので注意は必要かも。

これは第1種原付自転車のカテゴリーになり、道路で走る際には当然運転免許証や車両にはナンバープレート・自賠責保険・が必要となり、さらに日本の場合は「ヘルメット着用義務」があります。

この「ヘルメット着用義務」は、1970年代後半から第1種原付自転車のカテゴリーのスクーターが、
手軽で、価格も安く、何と言っても自転車より「かっこ良い」バイクより「手軽」となって、急速に普及したことにより、交通事故が増え1986年より着用が義務づけられました。
これにより、販売台数は落ち込みました。
当時、私も会社まで10km足らずのトコに住んでいて、毎日楽しく原付きスクーターで通勤していたのですが、
ヘルメットの着用義務化で、乗るのを止めてしまいました。

そのわずか一年後くらいに、ホンダの「メットインタクト」というシートの下にヘルメットを収納できるアイデアのものが開発され好評でしたが、マーケットが息を吹き返すとこまでは至りませんでした。
私なんかは、スクーターを降りた後のヘルメットをどうするか?には良かったと思いますが、もう一つヘルメットを被ること自体が、うっとおしくかっこ良くなく、さっそうとした感じにならず、気軽に乗れると言うこともなくなりました。

元々、日本は狭い国土、狭い道路、歩行者・自転車・バイク・四輪車・バス・トラックなど、混合交通です。
私も自転車に乗りますが、今の自転車は車道を走ると言うことになっているので、車道を走っていると駐車しているクルマがありそれを追い越す時など、危険な思いをしたことは度々あって、怖いです。
きっと、車から見ても、こういう自転車は怖いと思います。
その上、原付バイクがあまり多く走ると、事故が増えるというのは容易に想像できます。
ヘルメット着用義務化で原付バイクに乗る人が減って、結果事故が減って良かったということになります。
万一の事故を起こした時に頭を守るヘルメットの着用義務化で、乗る人が減って事故が減って、ヘルメット本来の万一の事故の時に頭をまもるという事も減って、・・・絶大なる効果があったと言うことになりますね。

しかし、今回の「ScootMan Alpaca」のような有用で、ちょっとワクワクする「カッコイイ」乗り物も、
ヘルメットのハードルがあると、私なんかは乗れません。
なんだか、ジレンマを感じてしまいます。

こういう、EVの乗り物はパーソナルに使えるということから、今後の都市や地方のトランスポーテーション、さらに自動運転の進化、はたまた高齢者の移動等に繋がるのではと思っています。

安全とその法律の整備、今後の人々の暮らし、生活・・・二律背反あるトコに新技術有り。