北米トヨタは、サイオンブランドをトヨタブランドに移行する、つまりサイオンブランドは無くすことを決定しました。
サイオンは、トヨタでは取りにくい若者層をターゲットにして新ブランドとして2003年に創設されました。
若者向けにこれまでにない独自の商品やサービス、ビジネスを行い、トヨタに若く新しい顧客を呼び込むという目論見でした。
2003年以降の販売で、サイオン車は100万台を超え、サイオンの顧客の半数が35歳を下回っているそうです。
ただ、2015年まで約12年で100万台超えは、北米マーケットとしては決して多くありません。
仮に簡単に計算すると、120万台/12年=10万台/1年、ですからね。
率で言うと顧客の半数が35歳以下というけれど、数は少なかったということです。
サイオン設立時のバイス・プレジデントで、現北米トヨタCEOのジム・レンツ氏はユーチューブで語っていますが、
これはまさに「広報発表」(本質、本音とは異なる)と言えるものです。
これは仕方ないですがね。
「今回の決定は、サイオンブランドの後退ではなく、トヨタブランドの飛躍だ。トヨタブランドでは困難だった新しいアイデアを、サイオンで試みることができた。私も設立時のメンバーだったが、若いお客様をより積極的に惹きつける方法を学ぶことを狙いとしていた。まさにこの目標を達成できたことを誇りに思う。お客様や販売店の多大なるご支援、従業員の尽力なくしてはこの成功はなしえなかった。移行に際しては最大限のサポートをしていく。」
また、若者の価値観として、
「今日の若いユーザーは、これまで通りクルマの見た目や運転の楽しさを重視する一方で、以前より実用性を重んじる傾向にあり、親の世代と同様に、トヨタのブランドイメージや品質、耐久性、信頼性を評価するようになってきている。
同時に、トヨタブランド車も、若いユーザーの求めるダイナミックな外観や運転の楽しさを評価してもらえるようなクルマに変わってきた。」
後半は、その通りでしょうが、「運転の楽しさを評価するようなユーザー数」がつまりは少ないということではないでしょうか。
多ければ、売れているということで、サイオンブランドをたたむ必要はないわけですからね。
ブランドをたたむには、販売店への保証もあるでしょうし、多大な費用がかかると聞いています。
また、トヨタブランドのイメージ的にも決してプラスではありません。
これをまとめると、若者にとってサイオンのような若者向け特別ブランドは不要だったということになるかもと思います。
つまり、サイオンブランドは「若者とは、どういう価値観か?」ということを、オヤジの価値観で見て作った結果、うまくいかなかったのではと私は思っています。
今の多くの若者は、クルマより安価で刺激的で楽しい商品を多く知っています。
それでも、必要となってクルマは買いますが、だからこそ「ブランドイメージや品質、耐久性、信頼性を評価するようになってきている」のではないでしょうか。さらに付け加える必要があるのは「価格」でしょう。
つまり、必要だから買うので、クルマ自体の魅力というより、価格と品質、ブランドイメージなどが購入時に大切になっているのです。
先日、「カンブリア宮殿」で、斜陽産業となったスキー場経営を立て直し成功されている方が取り上げられていましたが、この人は一言で言うと「お客さんの気持ちになって」、「何があったらスキーにいくか? スキーにいかなくなったのは何故か?」など収益を上げることを第一に考えるというより「お客の喜ぶこと」を第一に考え、プランニングし投資して実行しています。
口で言うのは簡単ですが、中々出来ないことです。
自動車業界は規模が異なったりステークホルダーも多いですし、色々とあるでしょうが、・・・。
今一度、自分達の立場、お客さんのことを見直さなければ、今後はますます「生活必需品」としての商品になってき、売価を下げても数売れないような、いわゆる斜陽産業になるのではと思います。
つまり全くの「シロモノ化」です。
日本の自動車産業は今まで、キチンとしたマーケティングなしに、課題解決型でやってきたように思います。
また、それでやってこれた産業でした。
それには、販売店組織や参入障壁?やその他数々の「壁」で守られていたとも思えますし、何より国内事業での収益より海外事業(特に北米>中国>アジア)での収益で成り立ってきました。
世の中どうなる、マーケットはどうなる、消費者はどうなる、競合企業/商品は、自社はどうなりたい?
このような項目について、まずはキチンと調査とマーケティングをし、あるべき姿を定め(ビジョン)、事業創造を実行する。
「カンブリア宮殿」が取り上げるような企業は、ほとんどこれができています。
サイオンは、トヨタでは取りにくい若者層をターゲットにして新ブランドとして2003年に創設されました。
若者向けにこれまでにない独自の商品やサービス、ビジネスを行い、トヨタに若く新しい顧客を呼び込むという目論見でした。
2003年以降の販売で、サイオン車は100万台を超え、サイオンの顧客の半数が35歳を下回っているそうです。
ただ、2015年まで約12年で100万台超えは、北米マーケットとしては決して多くありません。
仮に簡単に計算すると、120万台/12年=10万台/1年、ですからね。
率で言うと顧客の半数が35歳以下というけれど、数は少なかったということです。
サイオン設立時のバイス・プレジデントで、現北米トヨタCEOのジム・レンツ氏はユーチューブで語っていますが、
これはまさに「広報発表」(本質、本音とは異なる)と言えるものです。
これは仕方ないですがね。
「今回の決定は、サイオンブランドの後退ではなく、トヨタブランドの飛躍だ。トヨタブランドでは困難だった新しいアイデアを、サイオンで試みることができた。私も設立時のメンバーだったが、若いお客様をより積極的に惹きつける方法を学ぶことを狙いとしていた。まさにこの目標を達成できたことを誇りに思う。お客様や販売店の多大なるご支援、従業員の尽力なくしてはこの成功はなしえなかった。移行に際しては最大限のサポートをしていく。」
また、若者の価値観として、
「今日の若いユーザーは、これまで通りクルマの見た目や運転の楽しさを重視する一方で、以前より実用性を重んじる傾向にあり、親の世代と同様に、トヨタのブランドイメージや品質、耐久性、信頼性を評価するようになってきている。
同時に、トヨタブランド車も、若いユーザーの求めるダイナミックな外観や運転の楽しさを評価してもらえるようなクルマに変わってきた。」
後半は、その通りでしょうが、「運転の楽しさを評価するようなユーザー数」がつまりは少ないということではないでしょうか。
多ければ、売れているということで、サイオンブランドをたたむ必要はないわけですからね。
ブランドをたたむには、販売店への保証もあるでしょうし、多大な費用がかかると聞いています。
また、トヨタブランドのイメージ的にも決してプラスではありません。
これをまとめると、若者にとってサイオンのような若者向け特別ブランドは不要だったということになるかもと思います。
つまり、サイオンブランドは「若者とは、どういう価値観か?」ということを、オヤジの価値観で見て作った結果、うまくいかなかったのではと私は思っています。
今の多くの若者は、クルマより安価で刺激的で楽しい商品を多く知っています。
それでも、必要となってクルマは買いますが、だからこそ「ブランドイメージや品質、耐久性、信頼性を評価するようになってきている」のではないでしょうか。さらに付け加える必要があるのは「価格」でしょう。
つまり、必要だから買うので、クルマ自体の魅力というより、価格と品質、ブランドイメージなどが購入時に大切になっているのです。
先日、「カンブリア宮殿」で、斜陽産業となったスキー場経営を立て直し成功されている方が取り上げられていましたが、この人は一言で言うと「お客さんの気持ちになって」、「何があったらスキーにいくか? スキーにいかなくなったのは何故か?」など収益を上げることを第一に考えるというより「お客の喜ぶこと」を第一に考え、プランニングし投資して実行しています。
口で言うのは簡単ですが、中々出来ないことです。
自動車業界は規模が異なったりステークホルダーも多いですし、色々とあるでしょうが、・・・。
今一度、自分達の立場、お客さんのことを見直さなければ、今後はますます「生活必需品」としての商品になってき、売価を下げても数売れないような、いわゆる斜陽産業になるのではと思います。
つまり全くの「シロモノ化」です。
日本の自動車産業は今まで、キチンとしたマーケティングなしに、課題解決型でやってきたように思います。
また、それでやってこれた産業でした。
それには、販売店組織や参入障壁?やその他数々の「壁」で守られていたとも思えますし、何より国内事業での収益より海外事業(特に北米>中国>アジア)での収益で成り立ってきました。
世の中どうなる、マーケットはどうなる、消費者はどうなる、競合企業/商品は、自社はどうなりたい?
このような項目について、まずはキチンと調査とマーケティングをし、あるべき姿を定め(ビジョン)、事業創造を実行する。
「カンブリア宮殿」が取り上げるような企業は、ほとんどこれができています。