今年のフランクフルトショーは、ドイツが国として「EV宣言」をしたこともあり、EV色の強いものになったそうです。
(残念ながら私は行っていません。ニューヨークに遅い夏休みで行っていました。笑
ニューヨークは国連があり、私の泊まったホテルにも誰かはわかりませんが「要人」が泊まっていたらしく、
ホテルの前は通行止め、ホテルに入るのに宿泊客も空港並のセキュリティチェックを受けるという、
しかもNYPDニューヨーク市警察は自動小銃を構えていますから、日本人からすると厳戒態勢に見えます。
やはりテロ相手に戦争状態なんだと実感しました。
日本は平和で良いですが、ちょっと平和ボケしていないか?とも思えました。)
しかし、トヨタはEVを展示しなかったらしい。
これは、「トヨタがEVの本質をわかっている」からそうしたのだと私は思います。
前回のブログでもリーフのことを書きましたが、一言で言うと「EVは単独商品」としては
「行きていけない」「売れない」のではないでしょうか?
つまり、国のエネルギー政策から、インフラ含めて、はじめてEV事業になると考えます。
もっというと、現在の内燃機関のクルマの商売の延長線上にEVはないと言うことです。
FCVは、現在の商売の延長線上にあります。
だから、ホンダもトヨタもFCVを頑張って開発スタートさせたのでしょう。
しかも10年以上前に。
「延長線上」と言うのは、FCVだと自宅に充電設備は不要で「スタンドに行って」水素を充填します。
EVは基本的に自宅で充電します。つまり毎回クルマを車庫に入れたら、充電コンセントをつなぎます。
また、FCVは現EVのような「電欠の心配」はありません。
使用状況によってバッテリーが劣化して走行距離に影響が出ることもほとんどありません。
つまり、ガソリン車と同じようなインフラで、ユーザーの使い方も今までのクルマと同じように出来るのです。
勿論、FCVは、技術的/コスト的なハードルは高く、事業化難易度はマックスです。
こういう数年後にものになるということは無いものに、よく補助金を政府は出すなと思います。
ハッキリ言って、この補助金は特定の「メーカー支援」ではないでしょうか?
税金の使いみちを我々は監視しないとね・・・。
世間では、EVの世界が直ぐにくるかのように伝えていますが、現実的にはまだまだ遠い先の事になると考えています。
ただ、中国のような新興国は先進国自動車産業を追い越す為、また自国産業育成を考え、国を上げて戦略思考で取り組んでいるから、EVなんです。(原発推進してます)
自動車先進国のヨーロッパだって、EVは難しいと思います。
しかし、ドイツは、多分「世界のリーダー国」になるという信念から、原発でなく再生可能エネルギーを開発し、そのエネルギーを基にドイツ社会インフラも開発し、その延長で自動車を走らせるという、壮大なテーマに果敢に取り組んでいるということだと思います。
ドイツは、自動車の排ガス対策は勿論、街の環境なども全て「環境ナンバー1国」をブランドとして目指し、
分別ゴミなどにもいち早く取り組んできました。
また、ドイツには大きな街がいくつもありますが、どの街も「クリーン」で、綺麗です。
(それだけに、VW やメルセデス・ベンツのディーゼル問題は、私にとってもショックでした。)
第2次大戦を真摯に反省した結果か詳しくはわかりませんが、世界の国の中で自国ブランディングをしっかりつくって先進国の中核になっています。
大切なのは、国が中心になりこういうコトを考えているという事です。
EVは、民間企業の収益目的だけでは、世の中に受け入れられないと思います。
国との連携であるべき自分達の社会のビジョンを描き、その結果としてのEVだと思います。
日本では、自動車産業は国の基幹産業と言われています。
その割には、自動車産業の未来を、国はその本質を取らまえて戦略思考できていないように私には見えます。