自動運転で大切なこと・・・。
今年5月、米フロリダ州の高速道路で、自動運転モードで走っていたテスラのモデルSに事故が起きた。運転者は亡くなった。
勿論、テスラは「運転の責任は運転手に」と強調している。
ただ、現地で「自動運転(Autopilot)」といってクルマを売っている事実もある。チョット厄介な話かもしれない。
日本でも、「自動ブレーキ」というものが売られている。
ただ、メーカーによってその名前から機能まで様々だ。
「アクア」の自動ブレーキの名称は「プリクラッシュセーフティシステム」。
時速約10~80kmで、自動でブレーキが作動する。
「ノート」の自動ブレーキの名称は「エマージェンシーブレーキ」。
時速約10~80kmで、自動でブレーキが作動する。トヨタと一緒。
また、歩行者とぶつかりそうになったとき、時速60km未満ならブレーキが作動するらしい。
「フィット」の自動ブレーキの名称は「シティブレーキアクティブシステム」。
時速5~30kmで、自動でブレーキが作動する。
「インプレッサ」の自動ブレーキの名称は「プリクラッシュブレーキ」。
「前方車両との速度差が50km以下のときに作動する」。
歩行者とぶつかりそうになったとき、速度差が35km以下なら作動するらしい。
まだまだあるが、伝えたい事はその名前も機能も各社マチマチだということだ。
クルマを買い換えたり、一家で複数台保有していてお互い乗り換えたりする時は要注意なのだ。
多分、ユーザーはどの車のブレーキ機能も「自動ブレーキ」という一つの言葉で認識していると思う。
大切な機能のブレーキに関して、これだけの認識では、事故が起きるのではないかと不安になる。
また、話が変わるがHEVの場合も「燃費の良い、流行りのクルマ」位の認識かもしれない。「今買うならHEVでしょ」みたいな。
「ユーザーは素人だから仕方ない」という人もおられると思う。事実ユーザーは素人が多いと思う。
しかし、日本人は意外と機能的なモノを買う時でも、深く考えず、追求せず、ノリで買ってしまうことが多いのではないだろうか?
日本では、品質の良いのが当たり前になっていて、クルマを買ってタイヤが取れることもなく、その構造まで確認する必要は確かになくなった。
高価なダイヤの指輪もよく見ると小さい爪で引っかかっているだけだが、そこまで確認して指輪を買う人も殆ど居ないと思う。中国製なら確認するかもしれない。
確かに各車の「自動ブレーキ」の名前や機能は、ブレーキという安全の要であるにも関わらず分かりにくい。
セールスマンはキチンと説明しているのだろうか? 説明していても、ユーザーが受け流してしまう場合もあるかと思う。
何故こんなに、各車の「自動ブレーキ」の名前や機能はバラバラなのか。
それは、ブレーキに対する各カーメーカーの安全思想が異なり、使うハードが異なり、さらに訴訟に対する考え方も異なり、結果性能や名前が異なるのである。
全てのカーメーカーは真摯にユーザーのためを思い「自動ブレーキ」をつくつているのは間違いないのだが。
私は、ユーザーが理解、注意するしかないと思う。
ユーザーにわかりにくいから、製造者責任とするのは、おかしい。
ユーザーは自動車運転免許証を持って運転する。運転するなら、法規の改正やクルマのハード、ソフトの変更も勉強して理解する責任がある。
自動車教習所でも公の運転免許証の試験でも、法規と構造は実技と同様に行われる。
「自動ブレーキ」のことは、今なら、ネットでいくらでも調べられる。ネットが使えない人は、本やクルマのセールスマンに聞けば良いのだ。
当然、セールスマンは売ることだけでなく、キチンと自分の売るクルマをユーザーに使ってもらうために、説明すべきだ。
これは、電子レンジをドライヤー代わりにと猫を入れて、亡くならせてしまい、メーカーを訴えた逸話に近い。(本当の話ではないと思うが、訴訟の逸話として聞いたことがある)
住宅の場合は、購入者に免許証はなく、販売側が持っていて重要事項として、売買時に説明する。
HEVやP-HEV,FCV・・なども含めて、クルマの機能をユーザーはもっと勉強すべきと思う。
これから、ITやAIの進化で益々クルマの機能は進む。
自動運転にしても一気に自動運転まで行けば良いがそれまでに段階がある。
クルマの機能が大きく変わる時期を迎えた。
ユーザーは自分の為にも、また日本の自動車産業の足を引っ張らないためにも、勉強したいものだ。