繁浩太郎の自動車と世の中ブログ(新)

モータージャーナリストとブランドコンサルタントの両方の眼で、自動車と社会をしっかりと見ていきます。

「クルマの楽しさ」ってなんだ?

2016-10-24 16:03:41 | 日記

子供がやっとあるき始める頃、実際に乗れるおもちゃのクルマで緩い坂道をコロコロ➚と下ると子供は大喜びします。

ウチ子供は女の子でしたが「もう一回、もう一回・・」とせがみました。

これが車の楽しさの原点の一つかなとその時に思いました。

 

 

自動車は、環境・安全対策も進化しましたが、その基本は運転しやすく、乗り心地よく、快適性方向に進化してきました。

当然それはカーメーカーや社会の意思もありますが、大部分はユーザーの声を反映した結果です。

人は安楽〜安全〜な道を選びます。

この進化は、言葉は悪いですが、成り行きだったと思うのです。

 

私のクラシック・ミニは、環境基準的には今となっては良くありませんが、キャブレターのクルマです。

パワーウインドなどパワーのつくものは一切装備されていません。ここで話題にしたいのは、その加速です。

 

今では、テスラのようなEVでは1回転目から最高トルクが出て、怒涛の加速感を得られます。ものすごいです。

でも、「楽しさ」とは異なると私は思います。

もっというと、モーターの加速感はエンジン本来の人間の感性に訴える加速感の「楽しさ」とは異なるのではないでしょうか?

 

私のクラシック・ミニは勿論絶対加速はたいしたことないのですが、単に加速するのではありません。

つまり、3000回転以下の低い回転域では回転トルクがさほど無く、4000回転〜を中心にトルクがグッと出てくるのです。

だから、最初から太いトルクのフラットトルクが扱いやすくて良いとされる今のクルマとは異なり、その加速感は回転上昇と共に、トルクもあがり・・・。ギュ〜わ〜〜〜ン とまさに加速度的に加速します。

これは、子供がおもちゃのクルマで坂を下るときのだんだんと加速する加速感と近いかもしれません。

 

しかも、キャブなのでアクセルをガバッと踏むと「ガバッ」とガソリンが筒に入る感じまでして、同時に車体も「ギシッ」という感じがして、臨場感?が半端ないです。

決して怒涛の加速のテスラでは感じない、若い頃に感じた「走る楽しさ」を思い出しました。

 

カーメーカーのクルマ造りの方向は間違いではありませんが、口では車の楽しさなどと言いながら、

その進化の過程で、加速一つとっても「楽しさ軸」を置いてきぼりにしたように思います。

 

車の全てにおいて、「人間の感性に訴える楽しさ」を良く研究し、ローテクではなくITやモーターなど今のハイテク技術を道具として使って、とにかく試行錯誤して「走る楽しさ」を具現化したクルマをカーメーカーには作って欲しいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 


トヨタ自動車とスズキの業務提携の意味

2016-10-13 10:41:27 | 日記

 昨日「トヨタ自動車がスズキと業務提携に向けて動き出した。」とニュースで報じられた。

スズキの国内販売は、いうまでもなく軽自動車が中心であった。

 

多くの家電などのモノ商品の価格は「大量生産大量販売」を基本としている。

つまり、自動車産業、軽自動車も「大量生産大量販売」無くして、自動車の価格は成立しないのだ。

 

例えば、ホンダの「モンパル」は約40万する。

 

「モンパル」は四輪付いていて、シートもハンドルも付いているが、屋根やドアはない。スピードも出ない。

一方、軽自動車のスズキ・アルトの廉価版は約85万で売られている。

 

こちらは、当然屋根もドアもついてちゃんとしたクルマだ。エアコンやCDプレーヤー、はたまたSRSからABSまで、多くの装備もついている。

アルトがこの価格で販売出来るのは、まさに「大量生産大量販売」の賜物だ。

 

2011年12月にホンダからN-BOXが発売され、ホンダが軽自動車に本格的に進出した。

これは、ホンダにとっては、将来、国内市場はダウンサイジングが起こってくることをヨミきった結果だ。

軽自動車は特に「大量生産大量販売」で価格をキープしていたので、ホンダには当然不安があった。

元々、軽自動車に特化しているダイハツやスズキに較べて小型車も商売しているホンダは、その開発設計コストから生産、販売コストまで高い。その上に数売れなきゃ、ダイハツやスズキより遥かに高いコストになり、大幅赤字となる。

 

ダイハツやスズキ側から見れば「ホンダは軽自動車を本格的にやってこない、やってこれない」とみていたはずだ。

所詮、ホンダは小型車造りの体質(開発〜工場〜販売)なので、軽自動車に進出すると必ず赤字で、その赤字幅を出来るだけ少なくするには、変な話だが本格的にやらずに、台数を少なく(赤字幅を少なく)することしかないと考えていたと思う。

 

しかし、現実的にはダイハツ・スズキはホンダと軽自動車の販売をシェアすることになってしまった。

また、その上に2013年には日産・三菱自動車連合が参入して、結果4社で軽自動車マーケットをシェアすることになった。

当初は、市場のダウンサイジング化で軽自動車の販売は全体としては伸びていたが、2015年の軽自動車税のアップがきっかけとなって軽自動車販売は下降線だ。

 

さらに、軽自動車は普通・小型自動車と違い、軽自動車規格のもとに自動車税など恩典があったが、自動車に変わりは無いので、衝突安全性能を市場から要求されたりして、1998年にはサイズアップでクリヤーしてきたりしている。

 

この様に、軽自動車は本来の目的から少しずつ離れて、普通・小型自動車化の技術を要求され、それに対応してきた歴史がある。

 

近々では、環境車としての「燃費向上」が市場から要求され、

「アイドルストップ」や「チョットだけハイブリッド」など各社方法は異なっても、軽自動車は小さいから燃費もその分良くないといけないという市場の声に対応してきた。

元々軽自動車は軽いので、トヨタが開発したようなHEVはさらなる新技術が投入されないと、まさに軽量な軽自動車では費用対効果で採用出来ないのだ。

またさらに、自動運転となると、全体価格の安い軽自動車では、コスト比率が高くなり、採用が難しい。

 

しかし、軽自動車は1998年の新規格以降、カーメーカーの努力もあり、今では「軽自動車に見えない」「小型車とかわらない」というユーザーの声も多く、実際ルックスから乗り心地まで良くなって、小型車並に成長した感じだ。

 

一方で、軽自動車の存在意義は益々日本で増してきている。

都会と地方の格差が言われているが、地方へいくと公共交通機関が少なく(個人的には同じように税金を納めているのに)不便なので、自家用車に頼る事になる。当然、車両価格や経費の安い軽自動車が大切になる。

 

このように軽自動車は、市場としては求められているにも関わらず、参入企業が増え企業単位での「大量生産大量販売」が難しくなり、環境やITなどの時代変化への対応コストアップが避けらず、その継続的存在は難しくなってきている。

 

軽自動車は「構造的」に、ある意味追い込まれてきている。

 

そのことを肌身で感じてきたのが、長く軽自動車で商売してきたダイハツとスズキだと思う。

今回、スズキは業務提携ということだが、ダイハツはすでにトヨタの子会社だ。

2大軽自動車メーカーがトヨタと生きていこうとしている。

 

世の中、時代の変化を感じざるを得ない。

まさに、ホンダの創業者の1人である藤沢武夫が言っていた「万物流転」だ。

 

しかし、軽自動車に関しては、地方の公共交通機関の代役もしているという存在意義からも、民間だけでなく国も参加して、その有り様を考えていかねばならないのではないかと思う。

 

 


「クラシック・ミニ」レストア途中報告 艤装編

2016-10-05 12:12:07 | 日記

クラシック・ミニのレストアは、ほぼ完成で我が家にきていますが、まだ途中です。

 

そんな中、先日は、ハンドブレーキを引いて3日ほど停めておいたら、RRの右側のドラムブレーキが、固着してしまいました。

多分錆びているから(錆びるはずはないけど)、引きずって、ちょっと動かせば、バキッと固着している部分がはずれるかなと思い動かしましたが。

永遠と引きずったままで、タイヤはまわりません。

仕方ないので、ショップの人にきてもらいウチでジャッキアップし、ドラムブレーキを分解して直してもらいました。

 

その後は、停めておく時はハンドブレーキは引かず、ギアを入れて停めています。

これで、万全!!!

 

しかし、何で固着したのか? 実は3日ほど停める前に洗車してホイールも水洗いしたので、水が入ってそれで錆びたのではないかと思います。

しかし、なんで水が入るの?

ショップに聞くと、「軽量化の為のアルミドラムがいけないのかもしれない」と言われ、??? 納得出来ないのですが、とにかく洗車した後は、ハンドブレーキを引かないという対策で納得するしかない。

世の中、納得出来ないけど納得するしかないことはよくあること。

 

ショップでのレストアは当然お金もがかかるので、ちょっとしたことや自分で出来るトコは自分でやろうと思っていまして、先日はインパネトレーをキチンと作りました。

 

ミニのインパネトレー部分は、穴があいているというか、底が抜けていまして、そこをプラスチックの板でふさぎます。

当面はプラスチックでなく型を取りやすいダンボールにしハサミで切って作りました。

また、縦面のダッシュアッパー側は、デフダクトとハーネスがゴチャゴチャしており、デフダクトは取ってしまいました。

デフダクトは、クーラーの付いている我が愛車では不要と考えました。ハーネスはとにかくショップは「電気が通じればイイや」的なので、ゴチャゴチャしており出来るだけ整理して、ダッシュアッパー側に押し付けています。

 

二代目のアコードのインパネを担当させてもらったときの事を思い出しました。

あの時は、最初の予定より方位計などの電気デバイスが途中から多く追加され、それに連れてハーネスも倍増。

ダッシュアッパーと当時の一体ダクトトレーインパネの間の縦面にハーネスを通すのですが、これが・・・押し込んで・・・。

書けません。

 

しかし、元インパネ担当だったことが役にたちました。

ショップでは、トレーに出来ないと言われていましたがこんなにできました。

ティッシュも置けるスペース確保

ドライバー側はダクトは生きています。壁面の黒いガーニッシュというか間仕切りがベコベコしているので、これは今後何か考えてスッキリとさせたいと思います。

 

 

この様に、乗りながらシコシコとレストアというか、手を入れていっていますので、趣味を兼ねて面白いと思ってやっています。

 

ショップにつけてもらったのは、「ハイマウントストップランプ」。

ミニは、文字通り小さいのでオカマされやすいのではとおもうのです。とくにドラポジの極端に高いトラックなどからは、確認しにくく、確認していてもドライバーが感じるより実際は近いという現象がおこります。

あんなデカイトラックに突っ込まれたら、たまりません。

ルーフに大きなキャリアをつけると、トナカイの角のようになって、目立っていいかとも考えています。

そんなこんなをショップで話していたら、「こんなのありますよ」と出してくれたのが、クラシック・ミニに取り付くハイマウントストップランプでした。

気休め程度かもしれませんが、とにかく取り付けてもらいました。

露骨なデザインのハイマウントストップランプ。意外と似合っていると思う。

 

次回は、最高に楽しいその走りに関してレポートします。

何で楽しく感じるのか? 気持ちでなくキチンと技術で分析してみます。

ブレーキもいいですよ。

これらは残念ながら、今のクルマにはありません。

私も一員でしたが、全てのカーメーカーの開発者は「良い商品」にすべく頑張ってきましたが、その結果「良く商品でなくなっている」のです。